12 / 61
第1章 ざまぁがしたいっ!!
12
しおりを挟む
会場には多くの生徒が集まっていた。先ずは卒業式のリハーサルを行っている。仕切ってるのは生徒会だ。立ち位置など確認しながら細かく説明する場面もあった。
わたくしも職員からパーティーのレイアウトや準備の段取り、当日の役割などを聞いていた。ふと、
笑い声が聞こえる。生徒の集団に目を映すと、馬鹿女が取り巻きとペチャクチャお喋りしながら時折大声で笑ってる姿が見えた。目立つことこの上ない。
ちゃんと真面目にしなさいよっ!
ーーと、ココロの中で叫ぶ。
「そこ、お静かに!」
王子様の取り巻きが注意した。すると少しの間は静かにしているが、退屈なのかまたお喋りに花が咲く。
ったく、静かにしろって! ああ、何でアンタはそうなのよ! 何だかわたくしも恥ずかしいわ!
ーーと、ヤキモキしてるうちにパーティーのリハーサルへと移行した。ここでは開催挨拶の流れやテーブルの配置がざっくりと説明される。
さて、これまでのところ王子様は馬鹿女を完全に無視している。
むふふ。気づくのよ、シェリー。アンタは相手にされてない。そーやって取り巻きとワーワーはしゃぐのも王子様の気を引こうとしてるのかしら? それとも寂しさを紛らわそうとしてるの? …哀れね、ア・ン・タ!
わたくしが密かにほくそ笑んでいたら、最後に聞き捨てならないイベントを耳にした。それはダンスの話だ。ダンスの時間があるらしい。
まあオーケストラ呼んでるからね。…ん? ダンス? 馬鹿女ってダンス下手クソでしょ? だって今まで社交パーティーなんかわたくしが代わりに出場してたわよね? そりゃあ、自分は完璧に踊れるわよ。お屋敷で大特訓したからね。でも、馬鹿女はどうするつもりなの⁈ それに王子様からエスコートされる? いえ、されないよ。じゃ、もしかして誰からもエスコートされないのかな? ちょ、ちょっとこれ、プチざまぁかもしれないわ!
むふふ…。これはお楽しみね。今日の王子様も終始完無視だったし、思い知ったか? 馬鹿女め!
***
「あー、かったるかったわー。ポピー、ワイン頂戴!」
リハーサルが無事終わってコイツは秘密のお部屋で寛いでいた。
「シェリー様、お疲れ様でした。あの日、わたくしも大忙しになりそうです」
「あ、そう…でも何か面倒臭そうね、卒業式もパーティーも」
「はい? い、いえ、でもこれは一生の思い出ですから! 貴族院最後の節目ですから!」
「あのね、ポピー…」
この後、馬鹿女からとんでもない指令を出されてしまった。わたくしもよくよく考えてみれば「ヤバい」と危険予知できた筈なのに、自分のお給仕としての役割やアイツのプチざまぁを想像して、思考は完全にお花畑になっていたのです。
「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇええええーーっ⁈」
それを思い知らされたぁぁ!! 全力で拒否したいぞぉぉ!! だって、だって、その指令は…⁈
わたくしも職員からパーティーのレイアウトや準備の段取り、当日の役割などを聞いていた。ふと、
笑い声が聞こえる。生徒の集団に目を映すと、馬鹿女が取り巻きとペチャクチャお喋りしながら時折大声で笑ってる姿が見えた。目立つことこの上ない。
ちゃんと真面目にしなさいよっ!
ーーと、ココロの中で叫ぶ。
「そこ、お静かに!」
王子様の取り巻きが注意した。すると少しの間は静かにしているが、退屈なのかまたお喋りに花が咲く。
ったく、静かにしろって! ああ、何でアンタはそうなのよ! 何だかわたくしも恥ずかしいわ!
ーーと、ヤキモキしてるうちにパーティーのリハーサルへと移行した。ここでは開催挨拶の流れやテーブルの配置がざっくりと説明される。
さて、これまでのところ王子様は馬鹿女を完全に無視している。
むふふ。気づくのよ、シェリー。アンタは相手にされてない。そーやって取り巻きとワーワーはしゃぐのも王子様の気を引こうとしてるのかしら? それとも寂しさを紛らわそうとしてるの? …哀れね、ア・ン・タ!
わたくしが密かにほくそ笑んでいたら、最後に聞き捨てならないイベントを耳にした。それはダンスの話だ。ダンスの時間があるらしい。
まあオーケストラ呼んでるからね。…ん? ダンス? 馬鹿女ってダンス下手クソでしょ? だって今まで社交パーティーなんかわたくしが代わりに出場してたわよね? そりゃあ、自分は完璧に踊れるわよ。お屋敷で大特訓したからね。でも、馬鹿女はどうするつもりなの⁈ それに王子様からエスコートされる? いえ、されないよ。じゃ、もしかして誰からもエスコートされないのかな? ちょ、ちょっとこれ、プチざまぁかもしれないわ!
むふふ…。これはお楽しみね。今日の王子様も終始完無視だったし、思い知ったか? 馬鹿女め!
***
「あー、かったるかったわー。ポピー、ワイン頂戴!」
リハーサルが無事終わってコイツは秘密のお部屋で寛いでいた。
「シェリー様、お疲れ様でした。あの日、わたくしも大忙しになりそうです」
「あ、そう…でも何か面倒臭そうね、卒業式もパーティーも」
「はい? い、いえ、でもこれは一生の思い出ですから! 貴族院最後の節目ですから!」
「あのね、ポピー…」
この後、馬鹿女からとんでもない指令を出されてしまった。わたくしもよくよく考えてみれば「ヤバい」と危険予知できた筈なのに、自分のお給仕としての役割やアイツのプチざまぁを想像して、思考は完全にお花畑になっていたのです。
「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇええええーーっ⁈」
それを思い知らされたぁぁ!! 全力で拒否したいぞぉぉ!! だって、だって、その指令は…⁈
0
お気に入りに追加
260
あなたにおすすめの小説
【完結】悪女のなみだ
じじ
恋愛
「カリーナがまたカレンを泣かせてる」
双子の姉妹にも関わらず、私はいつも嫌われる側だった。
カレン、私の妹。
私とよく似た顔立ちなのに、彼女の目尻は優しげに下がり、微笑み一つで天使のようだともてはやされ、涙をこぼせば聖女のようだ崇められた。
一方の私は、切れ長の目でどう見ても性格がきつく見える。にこやかに笑ったつもりでも悪巧みをしていると謗られ、泣くと男を篭絡するつもりか、と非難された。
「ふふ。姉様って本当にかわいそう。気が弱いくせに、顔のせいで悪者になるんだもの。」
私が言い返せないのを知って、馬鹿にしてくる妹をどうすれば良かったのか。
「お前みたいな女が姉だなんてカレンがかわいそうだ」
罵ってくる男達にどう言えば真実が伝わったのか。
本当の自分を誰かに知ってもらおうなんて望みを捨てて、日々淡々と過ごしていた私を救ってくれたのは、あなただった。
王女の影武者として隣国に嫁いだ私は、何故か王子に溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
王女アルネシアの影武者である私は、隣国の王子ドルクス様の元に嫁ぐことになった。
私の正体は、すぐにばれることになった。ドルクス様は、人の心を読む力を持っていたからである。
しかし、両国の間で争いが起きるのを危惧した彼は、私の正体を父親である国王に言わなかった。それどころか、私と夫婦として過ごし始めたのである。
しかも、彼は何故か私のことをひどく気遣ってくれた。どうして彼がそこまでしてくれるのかまったくわからない私は、ただ困惑しながら彼との生活を送るのだった。
婚約破棄されたのたが、兄上がチートでツラい。
藤宮
恋愛
「ローズ。貴様のティルナシア・カーターに対する数々の嫌がらせは既に明白。そのようなことをするものを国母と迎え入れるわけにはいかぬ。よってここにアロー皇国皇子イヴァン・カイ・アローとローザリア公爵家ローズ・ロレーヌ・ローザリアの婚約を破棄する。そして、私、アロー皇国第二皇子イヴァン・カイ・アローは真に王妃に相応しき、このカーター男爵家令嬢、ティルナシア・カーターとの婚約を宣言する」
婚約破棄モノ実験中。名前は使い回しで←
うっかり2年ほど放置していた事実に、今驚愕。
【完結】婚約破棄はいいのですが、平凡(?)な私を巻き込まないでください!
白キツネ
恋愛
実力主義であるクリスティア王国で、学園の卒業パーティーに中、突然第一王子である、アレン・クリスティアから婚約破棄を言い渡される。
婚約者ではないのに、です。
それに、いじめた記憶も一切ありません。
私にはちゃんと婚約者がいるんです。巻き込まないでください。
第一王子に何故か振られた女が、本来の婚約者と幸せになるお話。
カクヨムにも掲載しております。
虐げられ聖女の力を奪われた令嬢はチート能力【錬成】で無自覚元気に逆襲する~婚約破棄されましたがパパや竜王陛下に溺愛されて幸せです~
てんてんどんどん
恋愛
『あなたは可愛いデイジアちゃんの為に生贄になるの。
貴方はいらないのよ。ソフィア』
少女ソフィアは母の手によって【セスナの炎】という呪術で身を焼かれた。
婚約した幼馴染は姉デイジアに奪われ、闇の魔術で聖女の力をも奪われたソフィア。
酷い火傷を負ったソフィアは神殿の小さな小屋に隔離されてしまう。
そんな中、竜人の王ルヴァイスがリザイア家の中から結婚相手を選ぶと訪れて――
誰もが聖女の力をもつ姉デイジアを選ぶと思っていたのに、竜王陛下に選ばれたのは 全身火傷のひどい跡があり、喋れることも出来ないソフィアだった。
竜王陛下に「愛してるよソフィア」と溺愛されて!?
これは聖女の力を奪われた少女のシンデレラストーリー
聖女の力を奪われても元気いっぱい世界のために頑張る少女と、その頑張りのせいで、存在意義をなくしどん底に落とされ無自覚に逆襲される姉と母の物語
※よくある姉妹格差逆転もの
※虐げられてからのみんなに溺愛されて聖女より強い力を手に入れて私tueeeのよくあるテンプレ
※超ご都合主義深く考えたらきっと負け
※全部で11万文字 完結まで書けています
神の子の影武者になりました!
夕立悠理
恋愛
──貴女はとても幸福な子なの
魔法が発展した国バベル。その魔法は神からの恩恵であり、盟約でもあった。その国では盟約に基づき、千年に一度、神の子が生まれる。
これは、そんな国で、神の子と同じ日にそっくりな見た目で生まれてきてしまった少女の物語。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる