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第 14 話
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*
「…レイ…?」
「はい。そう名乗りました。聞いたところによると元奴隷だったそうです。」
奴隷…
…この世界では、不思議な単語ではない。
図書館で読んだ本にあったが、奴隷は主に2つある。
1つは、労働力として…2つ目は…性的な意味で。
あの子…レイは小さく、歳も俺と変わらないぐらいだった。…性的な意味で雇われてたんだと思う。
でも、なんであんな傷を…?
触られても大丈夫なんて、俺にとってはそれだけで、大切な人だ。…出来るなら、俺の従者にしたい、が…
誰かに仕えるなんて、奴隷経験があるレイからしたら怖いかもしれない…。
…どうしようか。
…本人に聞くのが、1番、だよな。
「そうか。ならもう下がっていい。」
「…本当にお身体は大丈夫で?」
「大丈夫だ。早く何処かに行け。」
「…ッ、わかり、ました。」
「…そうだ、レイを呼んどいてくれ。」
「…はい。」
…?
最後、何か魔力?みたいなものを感じた…?
ルーシュが?何故?
…まあ、俺の気の所為だろう。何せ、2週間も目を覚まさなかったからな。
それにしても、ルーシュの様子がおかしい。
…まあ、俺がルーシュの忠告を聞かず、死ぬ程怒っている、とかだろうな…。ごめんルーシュ。
神様と話していた時に感じた寒気はルーシュからか?
…でも、さっきの魔力の感じからすれば…違う、か。
…本当に何も起きなければいいけど。
学園でも、リリーと仲良く…っていうか、知り合う気はないし、ヒロインは勿論、攻略対象とも知り合わない。
これが、バットエンドを防ぐ1番の方法だな。
あとは…魔王の件だが、ヒロイン達が魔王退治に行くのが…
ヒロインが高等部1年の時…つまり、16の時だったような…?後、6年もある。
その間に魔族が攻めてきたり、なんなりはあるが、ヒロイン達にそこは任せて大丈夫だよな?
神様も魔王のことしか言ってなかったし。
…6年の間、ヒロインが攻略対象達を落としていくってなかなか鬼畜なゲームだな。
それは悪役令嬢のリリーが、嫉妬に刈られるわけだ。
同情するわけじゃないけど、当たり前だな。
コンコンッ
「あの、アルフ?様…?」
「レイ、で合ってるよな?」
「は、はい…!」
「まずは…身体、大丈夫か?」
「大丈夫、です。アルフ、様は…?」
「見ての通りだ。…単刀直入に聞くが、」
「?…なんで、すか?」
「レイは奴隷だったんだよな?」
「ッ!…ッ、はい、…」
「…そんなに怯えなくても、俺はレイを奴隷として扱おうなんて思ってない。」
「で、ではなんで、俺…を?」
「…俺の、従者になる気はないか…?」
「…へ…?」
*
「…レイ…?」
「はい。そう名乗りました。聞いたところによると元奴隷だったそうです。」
奴隷…
…この世界では、不思議な単語ではない。
図書館で読んだ本にあったが、奴隷は主に2つある。
1つは、労働力として…2つ目は…性的な意味で。
あの子…レイは小さく、歳も俺と変わらないぐらいだった。…性的な意味で雇われてたんだと思う。
でも、なんであんな傷を…?
触られても大丈夫なんて、俺にとってはそれだけで、大切な人だ。…出来るなら、俺の従者にしたい、が…
誰かに仕えるなんて、奴隷経験があるレイからしたら怖いかもしれない…。
…どうしようか。
…本人に聞くのが、1番、だよな。
「そうか。ならもう下がっていい。」
「…本当にお身体は大丈夫で?」
「大丈夫だ。早く何処かに行け。」
「…ッ、わかり、ました。」
「…そうだ、レイを呼んどいてくれ。」
「…はい。」
…?
最後、何か魔力?みたいなものを感じた…?
ルーシュが?何故?
…まあ、俺の気の所為だろう。何せ、2週間も目を覚まさなかったからな。
それにしても、ルーシュの様子がおかしい。
…まあ、俺がルーシュの忠告を聞かず、死ぬ程怒っている、とかだろうな…。ごめんルーシュ。
神様と話していた時に感じた寒気はルーシュからか?
…でも、さっきの魔力の感じからすれば…違う、か。
…本当に何も起きなければいいけど。
学園でも、リリーと仲良く…っていうか、知り合う気はないし、ヒロインは勿論、攻略対象とも知り合わない。
これが、バットエンドを防ぐ1番の方法だな。
あとは…魔王の件だが、ヒロイン達が魔王退治に行くのが…
ヒロインが高等部1年の時…つまり、16の時だったような…?後、6年もある。
その間に魔族が攻めてきたり、なんなりはあるが、ヒロイン達にそこは任せて大丈夫だよな?
神様も魔王のことしか言ってなかったし。
…6年の間、ヒロインが攻略対象達を落としていくってなかなか鬼畜なゲームだな。
それは悪役令嬢のリリーが、嫉妬に刈られるわけだ。
同情するわけじゃないけど、当たり前だな。
コンコンッ
「あの、アルフ?様…?」
「レイ、で合ってるよな?」
「は、はい…!」
「まずは…身体、大丈夫か?」
「大丈夫、です。アルフ、様は…?」
「見ての通りだ。…単刀直入に聞くが、」
「?…なんで、すか?」
「レイは奴隷だったんだよな?」
「ッ!…ッ、はい、…」
「…そんなに怯えなくても、俺はレイを奴隷として扱おうなんて思ってない。」
「で、ではなんで、俺…を?」
「…俺の、従者になる気はないか…?」
「…へ…?」
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