17 / 60
恋
外なのに ※
しおりを挟む「ちょっ……、り、ひと…?なにっ?」
「ねぇ、ルカ、俺のため?俺のために人助けしてたの?本当に?」
「…へっ?う、うん……だって、リヒトの為におれに出来ることって家事か性行為ぐらいしか思いつかなくて…でも家事のやり方なんてわかんないから、どうしようって考えて、それで……」
「…………」
「あの……だめ、だった……?でも、変なことはしてな……っんぅ!」
リヒトの肩にぶら下がっていた四つの紙袋が、ドサドサと音を立てて地面に落ちたと思ったら、おれは彼の腕の中にいて、唇をキスで塞がれていた。
「んんっ、んーーっ...!」
いくら人目につかないからって、こんな...外でキスをするなんて。
いつ人がやって来て、見られてしまうかも分からないのに。
別におれは誰かに見られても構わない。
だけどリヒトは聖職者だから、こんなところ人に見られたらきっとダメだと思う。
だから、本当はやめて欲しくないけど、やめてもらわなきゃいけないと思って彼の肩を押したり叩いたりしているのに、全然離れてくれない。
それどころか熱い舌が口の中に入り込んできて掻き回されると同時に、膝をおれの脚の間に割り込ませ、男の部分と女の部分をグリグリと同時に刺激し始めた。
「ん……、んふっ...んんぅ~……っ」
そんなことをされたら、快楽に弱いおれの身体はひとたまりもない。
元々キスだけで濡れ始めていた女性器は膝で擦られるたびにくちゅくちゅと粘ついた音を立て、男性器も小さいながらも勃ちあがって存在を主張し、先端から透明な体液を垂らし始めているのが自分でも分かる。
とめなきゃいけないのに、気持ちいい。
やめて欲しくない、でもここは外で。
それに、このままじゃ、おれ……。
「んっ……?!ん、ん、んんんんんん……っ!」
口の端から唾液がぽたぽたと零れ落ちるほど深く激しいキスをされ、一番気持ちいいところを絶妙な力加減で刺激されて。
おれはリヒトの肩にしがみつき、ガクガクと膝を震わせて、買ってもらったばかりの服の中に体液を吐き出してしまった。
「はぁっ、は……ぁ、っ、はぁ……っ」
「おっ、と」
漸く唇を解放され、リヒトの膝がおれの脚の間から抜け出すと、力を失った脚がガクンと崩れ落ちそうになるのをギリギリのところでリヒトの腕が抱きとめてくれて、その腕にくったりと身体を預ける。
「ルカ、大丈夫?」
「も、……ばかぁ、ここ、外だよ……っ?」
「うん、ごめん。俺の為に頑張ってるルカ想像したら可愛すぎて、我慢出来なかった」
「……服、せっかく買ってくれたのに…っ」
「洗えば着られるよ」
「ぐしょぐしょで気持ち悪いしっ」
「おんぶして連れて帰ってあげる」
「はぁっ?」
「あれ、抱っこの方がいい?」
「そうじゃないぃ……!」
もう、この男は、本当に。
知識量が豊富で、頭の回転も早いはずなのに、天然なのかわざとなのか分からないけどたまにこうして会話が噛み合わないことがある。
結局、リヒトの陰に隠れて汚れた服を脱ぎ捨て、紙袋から新しい服を取り出して着替えて帰ったけど。
帰ったら帰ったで息を荒らげたリヒトにひょいと抱き上げられて寝室に連れて行かれ、着替えたばかりの新しい服を脱がされて、外が暗くなるまで何度も、この胎内に精液を注ぎ込まれた。
4
お気に入りに追加
546
あなたにおすすめの小説
ふしだらオメガ王子の嫁入り
金剛@キット
BL
初恋の騎士の気を引くために、ふしだらなフリをして、嫁ぎ先が無くなったペルデルセ王子Ωは、10番目の側妃として、隣国へ嫁ぐコトが決まった。孤独が染みる冷たい後宮で、王子は何を思い生きるのか?
お話に都合の良い、ユルユル設定のオメガバースです。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
気付いたら囲われていたという話
空兎
BL
文武両道、才色兼備な俺の兄は意地悪だ。小さい頃から色んな物を取られたし最近だと好きな女の子まで取られるようになった。おかげで俺はぼっちですよ、ちくしょう。だけども俺は諦めないからな!俺のこと好きになってくれる可愛い女の子見つけて絶対に幸せになってやる!
※無自覚囲い込み系兄×恋に恋する弟の話です。
【完結】人形と皇子
かずえ
BL
ずっと戦争状態にあった帝国と皇国の最後の戦いの日、帝国の戦闘人形が一体、重症を負って皇国の皇子に拾われた。
戦うことしか教えられていなかった戦闘人形が、人としての名前を貰い、人として扱われて、皇子と幸せに暮らすお話。
性表現がある話には * マークを付けています。苦手な方は飛ばしてください。
第11回BL小説大賞で奨励賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる