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外なのに ※

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「ちょっ……、り、ひと…?なにっ?」

「ねぇ、ルカ、俺のため?俺のために人助けしてたの?本当に?」

「…へっ?う、うん……だって、リヒトの為におれに出来ることって家事か性行為ぐらいしか思いつかなくて…でも家事のやり方なんてわかんないから、どうしようって考えて、それで……」

「…………」

「あの……だめ、だった……?でも、変なことはしてな……っんぅ!」


リヒトの肩にぶら下がっていた四つの紙袋が、ドサドサと音を立てて地面に落ちたと思ったら、おれは彼の腕の中にいて、唇をキスで塞がれていた。


「んんっ、んーーっ...!」


いくら人目につかないからって、こんな...外でキスをするなんて。
いつ人がやって来て、見られてしまうかも分からないのに。

別におれは誰かに見られても構わない。

だけどリヒトは聖職者だから、こんなところ人に見られたらきっとダメだと思う。

だから、本当はやめて欲しくないけど、やめてもらわなきゃいけないと思って彼の肩を押したり叩いたりしているのに、全然離れてくれない。

それどころか熱い舌が口の中に入り込んできて掻き回されると同時に、膝をおれの脚の間に割り込ませ、男の部分と女の部分をグリグリと同時に刺激し始めた。


「ん……、んふっ...んんぅ~……っ」


そんなことをされたら、快楽に弱いおれの身体はひとたまりもない。
元々キスだけで濡れ始めていた女性器は膝で擦られるたびにくちゅくちゅと粘ついた音を立て、男性器も小さいながらも勃ちあがって存在を主張し、先端から透明な体液を垂らし始めているのが自分でも分かる。

とめなきゃいけないのに、気持ちいい。

やめて欲しくない、でもここは外で。

それに、このままじゃ、おれ……。


「んっ……?!ん、ん、んんんんんん……っ!」


口の端から唾液がぽたぽたと零れ落ちるほど深く激しいキスをされ、一番気持ちいいところを絶妙な力加減で刺激されて。

おれはリヒトの肩にしがみつき、ガクガクと膝を震わせて、買ってもらったばかりの服の中に体液を吐き出してしまった。


「はぁっ、は……ぁ、っ、はぁ……っ」

「おっ、と」


漸く唇を解放され、リヒトの膝がおれの脚の間から抜け出すと、力を失った脚がガクンと崩れ落ちそうになるのをギリギリのところでリヒトの腕が抱きとめてくれて、その腕にくったりと身体を預ける。


「ルカ、大丈夫?」

「も、……ばかぁ、ここ、外だよ……っ?」

「うん、ごめん。俺の為に頑張ってるルカ想像したら可愛すぎて、我慢出来なかった」

「……服、せっかく買ってくれたのに…っ」

「洗えば着られるよ」

「ぐしょぐしょで気持ち悪いしっ」

「おんぶして連れて帰ってあげる」

「はぁっ?」

「あれ、抱っこの方がいい?」

「そうじゃないぃ……!」


もう、この男は、本当に。
知識量が豊富で、頭の回転も早いはずなのに、天然なのかわざとなのか分からないけどたまにこうして会話が噛み合わないことがある。

結局、リヒトの陰に隠れて汚れた服を脱ぎ捨て、紙袋から新しい服を取り出して着替えて帰ったけど。

帰ったら帰ったで息を荒らげたリヒトにひょいと抱き上げられて寝室に連れて行かれ、着替えたばかりの新しい服を脱がされて、外が暗くなるまで何度も、この胎内に精液を注ぎ込まれた。
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