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一章
お留守番
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さてと、昨日は騎士団に行ったり疲れたがそろそろ冒険者ギルドで依頼を受けないとヤバいな...
ベッドの上でまだ寝ているレオンの頭を優しく撫でる
レオンはどうしようか...
一緒に依頼先に連れて行くのはレオンが怪我しないかとか、色々な心配事があって仕事出来なさそうだからなぁ...
セドの所に預けるか
セドやミリーさんが居ればレオンも安心するだろうし、ワシがいなくても大丈夫だろう。
そうと決まればレオンを起こそう
「レオン、起きて、今日もセドの所に行こうか」
そう言ってレオンの体を軽くゆする
するとレオンの綺麗な瞳が閉じられていた瞼から見える
「レオン、今日はワシとは別行動だ。レオンはワシが帰ってくるまでセドの所でお留守番していて欲しいんだ」
「......」
キョトンとした目をしてコクリと頷くレオン
あ、これ絶対に言っている意味が伝わってないな
まぁしょうがないか、朝ごはんを食べに行こう
生活魔法でワシとレオンを綺麗にすると一階に降りる
「女将、朝ごはん二人分お願い」
「はいよ!座って待ってな!」
そして暫く待っていると料理がのっているお皿が目の前に置かれた
「今日は卵たっぷりサンドウィッチとソーセージと野菜と果実水だよ!味わって食べな!」
朝から元気の良い女将にこちらもテンションが上がる
「いつもありがとう、美味しくいただくよ」
そう言って感謝を述べると女将は嬉しそうに笑って厨房に戻っていった
「さ、食べようかレオン。いただきます」
「......」
無言ではあるが手を合わせて食べだすレオン。
こうして穏やかな朝食の時間が過ぎていった
セドの家に行く途中で手土産に芋饅頭を買って行く。
セドは今日まで大事をとって市場で仕事はしないと聞いていたので市場ではなくセドの家の方に行く。
コンコンッ
ドアをノックすると中からセドの声がした
「はーい!」
ガチャリ
「イサギさん!レオン!いらっしゃい、どうぞ中へ!」
「ありがとう、セド。はい、これ手土産の芋饅頭」
「いつもありがとう、イサギさん。」
「気にしないで、それに今日はレオンの事をお願いしたくて来たんだ」
「レオンを?」
「ああ、そろそろ依頼を受けに行こうかと思ってね」
「あぁ、成程。わかった!レオン、俺と一緒にこの家でお留守番しようか」
「......」
今朝同様キョトンとした目をしているレオン
「......イサギさん、これ、レオンはお留守番の意味分かってないんじゃ...」
「うーん、やっぱりそう思う?」
「うん...」
ワシはしゃがんでレオンの目を見ながら話す
「レオン、お留守番というのはワシが少し遠くに行っている間レオンはワシと離れてセドのお家でセドと一緒にワシの帰りを待つと言うのがお留守番っていう意味なんだ」
「......」
ようやく意味を理解したのか目に涙を浮かべながら慌ててワシにギュッとしがみついてくる
「ゔ、ゔあぁぁぁぁんっ!!」
声をあげながら泣き出すレオン
セドはオロオロとしている
きっと色々な感情が渦巻いているのだろう
置いていかれる、捨てられる、もう二度と会えない、なんで、どうして、......
「レオン、その今の気持ちは苦しいもの、もしくは恐怖なのかもしれないね、でもそう思わなくていいんだ、ワシは今日中にちゃんとレオンのところに戻ってくるから、レオンはセドと一緒にワシが帰ってくるのを待っていて欲しいんだ。そしてワシが帰って来たら抱きしめてくれないかい?」
そう言ってレオンの頭をポンポンと撫でながら諭すように話す
だが珍しくレオンは頭を横に振る。
ワシとセドは顔を見合わせた
「どうした?レオン。俺と一緒は嫌だったか?」
セドがそう言ったがまたしてもレオンは首を横に振る
「お、いてか...ないでっ!」
ワシとセドが目を見開いてレオンを見る
「お、俺っやだ...イサギさんと...やだっ...!ゔぁぁぁんっ!」
レオンが喋った...
その衝撃はデカく、セドもワシと同じようにビックリしていた。
「...レオン、でもワシの仕事はレオンを連れて行くには危険で危ないんだ。勿論レオンを守りながら戦うこともできなくはないかもしれないけど、まだレオンの精神状態では...」
フルフルと頭を横にふりワシにしがみついてずっと泣いているレオン
んー、レオンが喋った事は嬉しい事だが...
こんな状況で喋るとは予想だにしていなかった
せっかくならイサギお兄ちゃん!って笑顔付きで言って欲しかった。
いや、今はそんなこと置いておいて...
うーむ、困った。
これではレオンが心配すぎて冒険者ギルドに行けないぞ
そんな事を思っているとセドが口を開いた
「レオン......そうだ!イサギさんが帰ってくるまで一緒に料理を作らないか?」
「グスッ、りょ...り?」
「あぁ、イサギさんはレオンや自分の為にお仕事しに行くんだ、お金が無いとこの芋饅頭だって変えないんだぞ?」
するとレオンがこちらを見上げて来た
「そうだね、レオンとワシが楽しく過ごす為とレオンやセド、ミリーさんと一緒に美味しい食べ物が食べに行けるようにワシはお金を稼ぎにいかないといけないな」
そう言うとまたギュッとレオンがワシに抱きついてくる
「......」
「だからな、レオン、イサギさんが疲れて帰って来たら俺とレオンが作った料理を食べてもらって元気にしてあげよう!なっ?」
「......りょ..り、セドと...つく..る。」
ワシとセドは笑ってレオンに抱きついた
「レオン~!大好きだ!ワシ頑張ってすぐに仕事終わらせてここに迎えにくるからね!」
「偉いぞ!レオン!レオンならきっと美味しい料理を作れるぞ!俺と一緒に頑張ろうな!!」
「......ん。」
ベッドの上でまだ寝ているレオンの頭を優しく撫でる
レオンはどうしようか...
一緒に依頼先に連れて行くのはレオンが怪我しないかとか、色々な心配事があって仕事出来なさそうだからなぁ...
セドの所に預けるか
セドやミリーさんが居ればレオンも安心するだろうし、ワシがいなくても大丈夫だろう。
そうと決まればレオンを起こそう
「レオン、起きて、今日もセドの所に行こうか」
そう言ってレオンの体を軽くゆする
するとレオンの綺麗な瞳が閉じられていた瞼から見える
「レオン、今日はワシとは別行動だ。レオンはワシが帰ってくるまでセドの所でお留守番していて欲しいんだ」
「......」
キョトンとした目をしてコクリと頷くレオン
あ、これ絶対に言っている意味が伝わってないな
まぁしょうがないか、朝ごはんを食べに行こう
生活魔法でワシとレオンを綺麗にすると一階に降りる
「女将、朝ごはん二人分お願い」
「はいよ!座って待ってな!」
そして暫く待っていると料理がのっているお皿が目の前に置かれた
「今日は卵たっぷりサンドウィッチとソーセージと野菜と果実水だよ!味わって食べな!」
朝から元気の良い女将にこちらもテンションが上がる
「いつもありがとう、美味しくいただくよ」
そう言って感謝を述べると女将は嬉しそうに笑って厨房に戻っていった
「さ、食べようかレオン。いただきます」
「......」
無言ではあるが手を合わせて食べだすレオン。
こうして穏やかな朝食の時間が過ぎていった
セドの家に行く途中で手土産に芋饅頭を買って行く。
セドは今日まで大事をとって市場で仕事はしないと聞いていたので市場ではなくセドの家の方に行く。
コンコンッ
ドアをノックすると中からセドの声がした
「はーい!」
ガチャリ
「イサギさん!レオン!いらっしゃい、どうぞ中へ!」
「ありがとう、セド。はい、これ手土産の芋饅頭」
「いつもありがとう、イサギさん。」
「気にしないで、それに今日はレオンの事をお願いしたくて来たんだ」
「レオンを?」
「ああ、そろそろ依頼を受けに行こうかと思ってね」
「あぁ、成程。わかった!レオン、俺と一緒にこの家でお留守番しようか」
「......」
今朝同様キョトンとした目をしているレオン
「......イサギさん、これ、レオンはお留守番の意味分かってないんじゃ...」
「うーん、やっぱりそう思う?」
「うん...」
ワシはしゃがんでレオンの目を見ながら話す
「レオン、お留守番というのはワシが少し遠くに行っている間レオンはワシと離れてセドのお家でセドと一緒にワシの帰りを待つと言うのがお留守番っていう意味なんだ」
「......」
ようやく意味を理解したのか目に涙を浮かべながら慌ててワシにギュッとしがみついてくる
「ゔ、ゔあぁぁぁぁんっ!!」
声をあげながら泣き出すレオン
セドはオロオロとしている
きっと色々な感情が渦巻いているのだろう
置いていかれる、捨てられる、もう二度と会えない、なんで、どうして、......
「レオン、その今の気持ちは苦しいもの、もしくは恐怖なのかもしれないね、でもそう思わなくていいんだ、ワシは今日中にちゃんとレオンのところに戻ってくるから、レオンはセドと一緒にワシが帰ってくるのを待っていて欲しいんだ。そしてワシが帰って来たら抱きしめてくれないかい?」
そう言ってレオンの頭をポンポンと撫でながら諭すように話す
だが珍しくレオンは頭を横に振る。
ワシとセドは顔を見合わせた
「どうした?レオン。俺と一緒は嫌だったか?」
セドがそう言ったがまたしてもレオンは首を横に振る
「お、いてか...ないでっ!」
ワシとセドが目を見開いてレオンを見る
「お、俺っやだ...イサギさんと...やだっ...!ゔぁぁぁんっ!」
レオンが喋った...
その衝撃はデカく、セドもワシと同じようにビックリしていた。
「...レオン、でもワシの仕事はレオンを連れて行くには危険で危ないんだ。勿論レオンを守りながら戦うこともできなくはないかもしれないけど、まだレオンの精神状態では...」
フルフルと頭を横にふりワシにしがみついてずっと泣いているレオン
んー、レオンが喋った事は嬉しい事だが...
こんな状況で喋るとは予想だにしていなかった
せっかくならイサギお兄ちゃん!って笑顔付きで言って欲しかった。
いや、今はそんなこと置いておいて...
うーむ、困った。
これではレオンが心配すぎて冒険者ギルドに行けないぞ
そんな事を思っているとセドが口を開いた
「レオン......そうだ!イサギさんが帰ってくるまで一緒に料理を作らないか?」
「グスッ、りょ...り?」
「あぁ、イサギさんはレオンや自分の為にお仕事しに行くんだ、お金が無いとこの芋饅頭だって変えないんだぞ?」
するとレオンがこちらを見上げて来た
「そうだね、レオンとワシが楽しく過ごす為とレオンやセド、ミリーさんと一緒に美味しい食べ物が食べに行けるようにワシはお金を稼ぎにいかないといけないな」
そう言うとまたギュッとレオンがワシに抱きついてくる
「......」
「だからな、レオン、イサギさんが疲れて帰って来たら俺とレオンが作った料理を食べてもらって元気にしてあげよう!なっ?」
「......りょ..り、セドと...つく..る。」
ワシとセドは笑ってレオンに抱きついた
「レオン~!大好きだ!ワシ頑張ってすぐに仕事終わらせてここに迎えにくるからね!」
「偉いぞ!レオン!レオンならきっと美味しい料理を作れるぞ!俺と一緒に頑張ろうな!!」
「......ん。」
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