上 下
3 / 25
一章

持ち物チェック

しおりを挟む
ハシノヤの宿で無事にチェックインを済ませる事が出来た。

「あー、疲れた」

そう言うとワシはオンボロベッドにボスンッと横たわる。

「全く、なんでこんな事になってるんだよー」

あぁ、本当なら今日は美容室でみんなと一緒に試作品のシャンプーセットとボディソープを試したりしている所だったのに...

いや、嘆いている暇はないぞ

とにかく荷物確認をしなければ。

そう思いワシは斜めがけのカバンを開ける。

するとなんて事でしょう、まるで中身がブラックホールのように真っ暗ではありませんか!

...いやいや、何で?

さっきまで普通のカバンだったじゃん!?

恐る恐る手を入れてみると頭の中に鞄の中身が浮かび上がる

コレってもしかして、いや、そんな...

マジックバック!?

取り敢えず頭の中で全部取り出したいと思ってみるとポンっとベッドの上に鞄の中身の荷物が全部出て来た。

取り敢えずスマホを確認してみる

...ん?

なんかスマホの画面にMAP機能、鑑定機能、写真機能っていうアプリしか無いんだが...

いや、意味はわかるの、意味は。

取り敢えずMAP機能を開いてみる

するといつもお世話になっているGoo◯le先生のMAP機能がこの国、ミドラム王国の地図になってるー!?

だがものすごく助かる。

ナビも使えるし建物の中も案内してくれるし!

えーと、他は鑑定か...

鑑定のアプリを起動してみるとカメラの画面になり持ち物が鑑定できるようになった。

なになに?

・バック マジックバック(時間停止機能)
・ハサミセット 不壊、刃こぼれなし
・シャンプーセットボディソープ 高品質、減らない
・スマホ MAP機能、鑑定機能、写真機能
     充電不要
・財布 ミドラム王国のお金に変換されている
    減ることがない
    無くしても元に戻ってくる機能付き
・ペットボトル 烏龍茶、飲んでも減らない
・調理パン 食べても減らない
・チョコレート 食べても減らない
・メモ帳とボールペン 不壊、減らない

うひぃ、何てこった

コレはすごいな...

自分も鑑定出来るだろうか?

ワシはカメラに自分を映してみる。

すると


潔 あざみ
21歳
人族
身長170センチ
HP1000/1000
MP900/900
属性
生活魔法・水属性・火属性
スキル
武闘家・瞬間記憶
持ち物
ダイヤのピアス(GPS機能付き)


んー、凄い...のか?
にしてもこのスキル、武闘家?は多分ワシの趣味であるキックボクシングがスキルとして昇華されたのかも...

そして生活魔法は、ええと?ふむ、成程生活に必要な魔法か。例えば全身を身綺麗にしたりとかとにかく便利そうな魔法か。

水と火属性もありがたいな。
コレから先野宿とかするかもしれないし、そんな時にこの魔法があれば助かるな!

あとなんかピアスがGPS機能付きになってる

コレがあるから地図上で現在地が分かるのか、便利だな。

食べ物にも暫くは困らなさそうだ




「ふぅ、取り敢えず確認は済んだ。明日からどうしよう...」

漠然とした不安が襲ってくる

取り敢えずベッドの上の荷物を鞄にしまう。

グゥゥゥゥーッ

腹...減った

こんな時でもお腹は減るらしい

今日のお昼用にと思って持って来ていた調理パン。

その袋を開けて口に運ぶ。

「...美味しい」

グスッ

この理不尽な状況に涙が出て来た。

何でワシがこんな目に...

しかし今日は王族と間違えられて誰もワシに突っかかってくる輩はいなかったが今度からこのローブを被るのでそううまくはいかないだろう。

...男装するか。

元々胸はないに等しいがさらに包帯か何かで胸を潰して少し低めの声で喋ったら誤魔化せるだろう

女にしてはタッパもあるし男として騙せるだろう。

あと身分証みたいなのって必要だよね...

冒険者ギルドとかあるのだろうか?

早速スマホのMAP機能アプリを起動させる

お、案外近くにあるっぽい。

...冒険者ギルド、かぁ。

絡まれないといいなぁ。

いや、弱気になるな潔あざみ!

...名前も変えた方がいいな、イサギとこれから名乗ろう。

あー、疲れた。もう寝よう...

















ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ!

ハッ!とスマホのアラームを止める

目が覚めたら家の自分の部屋...

なんて事はなく、ハシノヤのボロい一室だった。

「はぁ、まあ分かってたけどさ。」

今日は包帯を買いたいからセドでも探して案内してもらおうかなー

地図で探すのもいいけどせっかく知り合ったんだし...

それに一人は寂しいじゃん

よし、包帯を買ってそのあと冒険者ギルドへ向かうとするか

ハシノヤをチェックアウトすると昨日通った市場を歩きながらセドを探す

うーん、ミドラム王国の王都の市場はやはり賑わってるな

んー、確かこの辺りで会ったはずなんだけど...

「あ!居た!セドだ!」

良かった、見つかって。

取り敢えず果物を並べているセドに話しかけてみる。

「やぁ、セド、昨日ぶりだね。」

「へ?いらっしゃ...あっ!?ひ、ひぇっ!?」

相変わらずでなんか安心する

クスクス笑っているとセドの顔が真っ赤になってくる

「昨日は名乗らずにごめんね、ワシの事はイサギと呼んでほしい。」

「ひ、ひゃい!イサギ様!」

「んー、本当は呼び捨てでいいんだけどなー」

「そそそ、そんな恐れ多いです!」

「残念だな、あ、そうそう、ちょっと案内してほしいところがあってね、セドを探していたんだ、包帯を売っている所に案内してほしくて。」

「えっ!?イイイ、イサギ様、どこかお怪我を!?」

「いや、ちょっと補充しておこうかと思って」

そう言うとホッとしたセドは案内しますと言って歩き出す

「ごめんね、仕事の途中だっただろ?」

「いえいえ!仕事よりイサギ様の方が優先です!!」

申し訳ないなと思いつつ今は好意に甘えておこうと思いながらセドの後をついていく。

「つ、着きました!ここなら薬や包帯といった品物を豊富に取り揃えております!!」










しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

私ではありませんから

三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」 はじめて書いた婚約破棄もの。 カクヨムでも公開しています。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

せっかく転生したのに得たスキルは「料理」と「空間厨房」。どちらも外れだそうですが、私は今も生きています。

リーゼロッタ
ファンタジー
享年、30歳。どこにでもいるしがないOLのミライは、学校の成績も平凡、社内成績も平凡。 そんな彼女は、予告なしに突っ込んできた車によって死亡。 そして予告なしに転生。 ついた先は、料理レベルが低すぎるルネイモンド大陸にある「光の森」。 そしてやって来た謎の獣人によってわけの分からん事を言われ、、、 赤い鳥を仲間にし、、、 冒険系ゲームの世界につきもののスキルは外れだった!? スキルが何でも料理に没頭します! 超・謎の世界観とイタリア語由来の名前・品名が特徴です。 合成語多いかも 話の単位は「食」 3月18日 投稿(一食目、二食目) 3月19日 え?なんかこっちのほうが24h.ポイントが多い、、、まあ嬉しいです!

あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?

水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが… 私が平民だとどこで知ったのですか?

妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。

しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹 そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる もう限界がきた私はあることを決心するのだった

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!

暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい! 政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

処理中です...