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幼少期編
10.記憶操作と側近候補
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それからと言うもの、メイルは俺にやはり負い目を感じているのか少しぎこちない態度をとっていた。
「あのねー、メイル様、髪の毛も元に戻ったんだし、もうウチにいる理由も無くなるんだから後少ししか俺たち一緒には居れないんだよー?いい加減機嫌なおしてよー」
「えっ!?もう一緒にはいられないのか...?」
「そりゃあね、いつまでもうちにいるわけにもいけないし。第一王子なんだからその名と顔をみんなに轟かせておいでよ」
「フハッ、轟かせるって、何言ってんだよ」
「あ、やっと笑ったな?」
俺たちは今バルコニーでお茶をしている。
勿論オブシディアンも一緒だ。
「ふむ、ここの菓子はうまいな」
「そうだろう!ウチの料理長の腕は世界一だ!」
「オブシディアン...契約の破棄は...」
「しない。イズリルの魂は私のものだ」
「そんなに魂欲しいの?オブシディアン」
「お前の魂は特別だ」
え、そーなの?
俺の魂ってどんな風になってんの?
「ふん、まあ人間には分からんだろうな」
「あ、そ、じゃあいいやー」
「イズリル!そんな簡単に諦めていいのか...俺が言えたことではないのだけど」
「ほらもー、またそんな顔するー。笑っとけって言っただろ?俺はほら、なんか最強の護衛手に入れちゃったって逆にラッキーな位だぞ?」
「イズリルがそう言うなら...」
「イズ」
「え?」
「俺の名前、最初にイズって呼んでって言った。なのに全然呼んでくれないし」
「じゃあ俺も、メイルって呼んで欲しい。」
「なんだよ、様付けしなくていいの?最初は怒ってたじゃん」
とメイルをからかう。
「あ、あれは忘れろ!と、とにかく!様付けは無しだ!」
「分かったよメイル」
「そ、それならいいんだ、その、...イズ」
真っ赤になりながらそう言うメイルに俺は何だか感極まってしまった
「成長したな、メイル。」
そう言ってメイルの頭をぐしゃぐしゃにしてかき混ぜる。
「わっ!何をする!やーめーろー!」
その顔にはもう前までの恐怖心や暗い感情は残っていなかった。
うん、瞳に光が戻ったな。
残りの日もこれなら穏やかに過ごせそうだ。
それから暫くたった。
今日でメイルとはお別れだ。
馬車のところまでメイルを見送ることにした。
「イズ、また会えるか...?」
「ああ、俺ら友達だろ?メイル」
「そうだよな、でもなんか今ここでお別れしたら二度と会えない気がするんだ何でだろうな」
「ほう、感が鋭いなガキ。今からお前の記憶を弄らせてもらうぞ」
「なっ!?イズ!?」
「ごめんな、メイル、そうでもしないとお前ずっと俺のこと負目に感じるだろ?それじゃあ人生楽しめないって!」
「嫌だ!どんな思い出でもいい!イズの事忘れたくない!!やめさせてくれ!イズ!」
ボロボロと泣き出すメイルに俺は苦笑いをする。
「全く、メイルはいつまで経っても泣き虫だなぁ、頼む、オブシディアンやってくれ。」
「じゃあな、ガキ。いい夢を」
「イ...ズ...や...」
オブシディアンがメイルの頭を掴むと闇がブワッと広がった。
馬車の中で横たわり眠るメイル。
「これでいいか?」
「ああ。馬車を出してくれ!」
こうして慌しかった1ヶ月が幕を閉じた。
「イズ、本当に殿下の記憶を消して良かったのか?」
「はい、お父様。あれでいいのです。」
俺はメイルの見送りをした次の日お父様の部屋に呼び出されていた。
「そうか...」
俺は今オブシディアンに貰った特殊な眼帯を左目につけている。何でも眼帯をしていても普通に目が見えると言う優れものだ。
何か厨二病みたいで嫌だけど我慢だ。
「それで、今日はどうしたのですか?」
「実は俺の友人の国王様、いるだろう?奴がイズに会いたいそうだ。礼をしたいのだと。」
「分かりました、伺います。」
「オブシディアン殿にも来ていただきたい」
「まあ暇つぶしに行ってやらんこともないぞ。」
「いつですか?」
「はぁ、それがな、今から来て欲しいんだと」
「は...今からですか?」
「そうだ、だから準備してきてくれるか?イズ。」
「分かりました。では失礼します。」
バタンッ
「んーっ!急すぎる!」
自室に戻りベッドにダイブする。
「オブシディアンは悪魔界での正装なんてあるの?」
「勿論だ。持っている。」
「じゃあそれに着替えてね」
「何故人間の王如きにこの私が正装を?」
「何事も見た目から!」
「まあ、お前がそう言うのならそうしよう。」
パチンッ
オブシディアンが指を鳴らした途端彼を闇が包みあっという間に洋服が変わる
「か、かっこいいー!!!」
男前な美形が更に男前に...!
「む、そうか?そうだろう、私は何を着ても似合うからな。なんならお前の服も私が用意してやろう」
パチンッ
今度は俺を闇が包むとあっという間に着替えが終わっていた。黒地に金の刺繍が入っている上質な洋服だ。見て分かる。
「それは私が子供の頃に来ていた物だ。」
「へぇ、俺いつも大体白しか着ないから新鮮だよー!ダークな俺かっこいい?」
「いや、中性的だな、どちらかと言えば美しい」
「ガーン、ま、まあいい。お父様のところに急ごう!」
「お父様!どうですかこの服!オブシディアンの小さい頃に着ていた服らしいです!俺もダークな男になりましたー!」
「黒...いいかいイズ、黒い服というのは喪服であったり余程の事情がない限り黒い服というのは着ないのだよ。オブシディアン殿には悪いが着替えてきなさい、ね?」
「人間は面倒だな、これでいいだろう」
パチンッ
オブシディアンが指を鳴らすと俺の服が一瞬にして白色になった
これには俺もお父様もセバスもビックリ
「これは幻覚魔法ださっさと行くぞ」
「あ、まってよオブシディアン!」
「何でもありだな」
「さようでございますな。」
ー王宮 国王執務室ー
「フリーデンス、来たぞ」
「おぉ、来てくれたかアリム!おや、君がアリムの話ていた天使のイズリルだね?」
「はっ、バードナー公爵家、アリム・バードナー公爵家が息子のイズリル・バードナーと申します。」
そう言って貴族の礼をとる。
「うむ、して、貴殿がアリムが言っていた悪魔公爵、オブシディアン殿か」
「ああ。」
「そうか、では皆そこの椅子に座ってくれ」
そうして椅子に座る。
勿論俺の隣はオブシディアンが陣取った。
お父様が少し悔しそうだ。
「イズリル、今回は君に俺たち家族は救われた、感謝する、ありがとう。」
そう言って俺に頭を下げる王様。
「頭を上げてください、俺は、私は自分のしたい様にしただけです。その後、メイルはどう過ごしていますか?」
「それはもう楽しそうにしている。だが、何か大切な事を忘れている気がすると言ってもいたよ。」
「そうですか、俺が記憶を刺激しない様に会いに行かなければまぁ大丈夫でしょう。」
「それなんだが、君にはメイルの側近候補としてそばにいて欲しいんだ」
「何を言っているのだフリーデンス!もうイズを危険な目には合わせたくない、そう話したはずだが!?」
いやほんと、何言い出したかと思えば
「私には務まりません」
「アリムから聞いてるよ、君の付与魔法の事や魔法のこと、剣のことはまだ聞いたことはないけれど、相当優秀らしいね。」
「イズを利用する気なら許さんぞ」
「そう怒らないでくれアリム、こっちも真剣なんだ」
「メイルに何かあったんですか?」
「呪いが解けた事で第一王子と第二王子の派閥が復活した。特に第二王子派の過激派がメイルを暗殺する計画を立てているとも聞く。頼む、イズリル、君にしか頼めない。」
「私は、お父様とお母様にもう危ないことはしないと誓いました。なので本当に危ない時だけはメイルを助けましょう。それ以外は名ばかりの側近候補、でいかがですか?」
「イズ!」
「感謝する」
そう言って頭を下げる王様。
「いけすかないやつだな、イズリルの優しさにつけ込むか。」
「オブシディアン殿のいう通りだ。暫く俺は仕事を定時で切り上げさせてもらうぞ、暫くお前の仕事は手伝わん。」
「そんなぁー!アリム考え直してくれ!」
「えぇいやめんか!」
さっきまでの真面目な雰囲気台無しじゃん。
そんな事を思いながらふと思ったことがある。
「そう言えばオブシディアン、変装してないのに良く誰も何もここに来るまで言われなかったね」
「相手に好感が持てる様な姿に見える様術をかけてある」
「何それ凄い、俺も使える?」
「使えるのではないか?」
「なんだ、じゃあこの眼帯要らないじゃん」
「ダメだ、つけろ」
「え、なんで?」
「俺があげたやつは身につけていろ」
「なんだそりゃ」
相変わらず意味不明なオブシディアンであった。
「あのねー、メイル様、髪の毛も元に戻ったんだし、もうウチにいる理由も無くなるんだから後少ししか俺たち一緒には居れないんだよー?いい加減機嫌なおしてよー」
「えっ!?もう一緒にはいられないのか...?」
「そりゃあね、いつまでもうちにいるわけにもいけないし。第一王子なんだからその名と顔をみんなに轟かせておいでよ」
「フハッ、轟かせるって、何言ってんだよ」
「あ、やっと笑ったな?」
俺たちは今バルコニーでお茶をしている。
勿論オブシディアンも一緒だ。
「ふむ、ここの菓子はうまいな」
「そうだろう!ウチの料理長の腕は世界一だ!」
「オブシディアン...契約の破棄は...」
「しない。イズリルの魂は私のものだ」
「そんなに魂欲しいの?オブシディアン」
「お前の魂は特別だ」
え、そーなの?
俺の魂ってどんな風になってんの?
「ふん、まあ人間には分からんだろうな」
「あ、そ、じゃあいいやー」
「イズリル!そんな簡単に諦めていいのか...俺が言えたことではないのだけど」
「ほらもー、またそんな顔するー。笑っとけって言っただろ?俺はほら、なんか最強の護衛手に入れちゃったって逆にラッキーな位だぞ?」
「イズリルがそう言うなら...」
「イズ」
「え?」
「俺の名前、最初にイズって呼んでって言った。なのに全然呼んでくれないし」
「じゃあ俺も、メイルって呼んで欲しい。」
「なんだよ、様付けしなくていいの?最初は怒ってたじゃん」
とメイルをからかう。
「あ、あれは忘れろ!と、とにかく!様付けは無しだ!」
「分かったよメイル」
「そ、それならいいんだ、その、...イズ」
真っ赤になりながらそう言うメイルに俺は何だか感極まってしまった
「成長したな、メイル。」
そう言ってメイルの頭をぐしゃぐしゃにしてかき混ぜる。
「わっ!何をする!やーめーろー!」
その顔にはもう前までの恐怖心や暗い感情は残っていなかった。
うん、瞳に光が戻ったな。
残りの日もこれなら穏やかに過ごせそうだ。
それから暫くたった。
今日でメイルとはお別れだ。
馬車のところまでメイルを見送ることにした。
「イズ、また会えるか...?」
「ああ、俺ら友達だろ?メイル」
「そうだよな、でもなんか今ここでお別れしたら二度と会えない気がするんだ何でだろうな」
「ほう、感が鋭いなガキ。今からお前の記憶を弄らせてもらうぞ」
「なっ!?イズ!?」
「ごめんな、メイル、そうでもしないとお前ずっと俺のこと負目に感じるだろ?それじゃあ人生楽しめないって!」
「嫌だ!どんな思い出でもいい!イズの事忘れたくない!!やめさせてくれ!イズ!」
ボロボロと泣き出すメイルに俺は苦笑いをする。
「全く、メイルはいつまで経っても泣き虫だなぁ、頼む、オブシディアンやってくれ。」
「じゃあな、ガキ。いい夢を」
「イ...ズ...や...」
オブシディアンがメイルの頭を掴むと闇がブワッと広がった。
馬車の中で横たわり眠るメイル。
「これでいいか?」
「ああ。馬車を出してくれ!」
こうして慌しかった1ヶ月が幕を閉じた。
「イズ、本当に殿下の記憶を消して良かったのか?」
「はい、お父様。あれでいいのです。」
俺はメイルの見送りをした次の日お父様の部屋に呼び出されていた。
「そうか...」
俺は今オブシディアンに貰った特殊な眼帯を左目につけている。何でも眼帯をしていても普通に目が見えると言う優れものだ。
何か厨二病みたいで嫌だけど我慢だ。
「それで、今日はどうしたのですか?」
「実は俺の友人の国王様、いるだろう?奴がイズに会いたいそうだ。礼をしたいのだと。」
「分かりました、伺います。」
「オブシディアン殿にも来ていただきたい」
「まあ暇つぶしに行ってやらんこともないぞ。」
「いつですか?」
「はぁ、それがな、今から来て欲しいんだと」
「は...今からですか?」
「そうだ、だから準備してきてくれるか?イズ。」
「分かりました。では失礼します。」
バタンッ
「んーっ!急すぎる!」
自室に戻りベッドにダイブする。
「オブシディアンは悪魔界での正装なんてあるの?」
「勿論だ。持っている。」
「じゃあそれに着替えてね」
「何故人間の王如きにこの私が正装を?」
「何事も見た目から!」
「まあ、お前がそう言うのならそうしよう。」
パチンッ
オブシディアンが指を鳴らした途端彼を闇が包みあっという間に洋服が変わる
「か、かっこいいー!!!」
男前な美形が更に男前に...!
「む、そうか?そうだろう、私は何を着ても似合うからな。なんならお前の服も私が用意してやろう」
パチンッ
今度は俺を闇が包むとあっという間に着替えが終わっていた。黒地に金の刺繍が入っている上質な洋服だ。見て分かる。
「それは私が子供の頃に来ていた物だ。」
「へぇ、俺いつも大体白しか着ないから新鮮だよー!ダークな俺かっこいい?」
「いや、中性的だな、どちらかと言えば美しい」
「ガーン、ま、まあいい。お父様のところに急ごう!」
「お父様!どうですかこの服!オブシディアンの小さい頃に着ていた服らしいです!俺もダークな男になりましたー!」
「黒...いいかいイズ、黒い服というのは喪服であったり余程の事情がない限り黒い服というのは着ないのだよ。オブシディアン殿には悪いが着替えてきなさい、ね?」
「人間は面倒だな、これでいいだろう」
パチンッ
オブシディアンが指を鳴らすと俺の服が一瞬にして白色になった
これには俺もお父様もセバスもビックリ
「これは幻覚魔法ださっさと行くぞ」
「あ、まってよオブシディアン!」
「何でもありだな」
「さようでございますな。」
ー王宮 国王執務室ー
「フリーデンス、来たぞ」
「おぉ、来てくれたかアリム!おや、君がアリムの話ていた天使のイズリルだね?」
「はっ、バードナー公爵家、アリム・バードナー公爵家が息子のイズリル・バードナーと申します。」
そう言って貴族の礼をとる。
「うむ、して、貴殿がアリムが言っていた悪魔公爵、オブシディアン殿か」
「ああ。」
「そうか、では皆そこの椅子に座ってくれ」
そうして椅子に座る。
勿論俺の隣はオブシディアンが陣取った。
お父様が少し悔しそうだ。
「イズリル、今回は君に俺たち家族は救われた、感謝する、ありがとう。」
そう言って俺に頭を下げる王様。
「頭を上げてください、俺は、私は自分のしたい様にしただけです。その後、メイルはどう過ごしていますか?」
「それはもう楽しそうにしている。だが、何か大切な事を忘れている気がすると言ってもいたよ。」
「そうですか、俺が記憶を刺激しない様に会いに行かなければまぁ大丈夫でしょう。」
「それなんだが、君にはメイルの側近候補としてそばにいて欲しいんだ」
「何を言っているのだフリーデンス!もうイズを危険な目には合わせたくない、そう話したはずだが!?」
いやほんと、何言い出したかと思えば
「私には務まりません」
「アリムから聞いてるよ、君の付与魔法の事や魔法のこと、剣のことはまだ聞いたことはないけれど、相当優秀らしいね。」
「イズを利用する気なら許さんぞ」
「そう怒らないでくれアリム、こっちも真剣なんだ」
「メイルに何かあったんですか?」
「呪いが解けた事で第一王子と第二王子の派閥が復活した。特に第二王子派の過激派がメイルを暗殺する計画を立てているとも聞く。頼む、イズリル、君にしか頼めない。」
「私は、お父様とお母様にもう危ないことはしないと誓いました。なので本当に危ない時だけはメイルを助けましょう。それ以外は名ばかりの側近候補、でいかがですか?」
「イズ!」
「感謝する」
そう言って頭を下げる王様。
「いけすかないやつだな、イズリルの優しさにつけ込むか。」
「オブシディアン殿のいう通りだ。暫く俺は仕事を定時で切り上げさせてもらうぞ、暫くお前の仕事は手伝わん。」
「そんなぁー!アリム考え直してくれ!」
「えぇいやめんか!」
さっきまでの真面目な雰囲気台無しじゃん。
そんな事を思いながらふと思ったことがある。
「そう言えばオブシディアン、変装してないのに良く誰も何もここに来るまで言われなかったね」
「相手に好感が持てる様な姿に見える様術をかけてある」
「何それ凄い、俺も使える?」
「使えるのではないか?」
「なんだ、じゃあこの眼帯要らないじゃん」
「ダメだ、つけろ」
「え、なんで?」
「俺があげたやつは身につけていろ」
「なんだそりゃ」
相変わらず意味不明なオブシディアンであった。
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