青い月にサヨナラは言わない

Cerezo

文字の大きさ
上 下
326 / 334
EP4 闇に溶ける懺悔5 動き出した世界

初夜2

しおりを挟む
 もう片方も口いっぱいにほおばって、舐めたり噛んだりしつつ、明らかに夏輝は俺の反応を見つつ動いていた。
 さっきまで舐めていた、唾液でてろてろに濡れた乳首も手で刺激することは忘れない。
 指の腹で乳首を押し込まれるたび、腰が勝手に跳ねる。

「っぅぁ、んん”っ……」

 両方からの刺激に、俺は自然と胸を押し付け、腰をくねらせていた。
 恥ずかしいけど、動いちまうんだから仕方ないだろ、と必死に自分自身に言い訳をし続ける。
 そうしている間にも夏輝の愛撫は柔らかく噛んだと思えば時折強くちゅっちゅっと吸ったり、爪先で軽くかりかりと引っ掻いたり、優しく引っ張ってみたりと段々とうまくなっていく。
 凄まじい成長速度に焦る。
 焦っていると、ようやく乳首から名残惜しそうにしつつも口を離した。
 その時にちゅぱ、なんて濡れた音がしたけど、俺はその時にはもう息も絶え絶えで胸を上下させることしかできなかった。
 
「ラテアが呼吸するたびに、乳首が濡れて光ってる……また舐めたくなっちゃうよ」

「そ、そんなこと言うな……っ!っていうか、いつまでも乳首ばっかり責めてるんじゃねえよっ!」

 とんでもないことを夏輝がのたまい、一瞬で我に返る。
 ぐるる、と喉奥で唸り声をあげると、夏輝はやっと乳首から目を逸らした。
 別に怒ってるわけじゃないけどさ。
 ただ、俺には全く余裕がなかった。
 そもそも経験なんて、思い出したくないことしかなかったし。
 好きな相手と繋がることが出来るなんて、思っていなかった。
 俺はこの期に及んで下肢をもぞもぞと擦り合わせつつ、勃起しているちんこを隠そうとしていた。
 しかし、俺の努力は全く意味をなさず、夏輝は俺の下着に手を伸ばす。

「ばっか、今は駄目だっ!」

「無理、待てない。いつならいいのさ」

 俺はそれを阻止しようとしたけれど、夏輝の動きはこんな時に限って凄まじい速さで、下着をさっさと俺の脚から抜き去ってしまった。
 当然、ぷるんっと勢いよくまろびでてくる俺のちんこ。完全に元気になっており、外気に晒されふるりと震える。それだけでなく、勃起どころか先走りが滲んでいて、下着を濡らし糸まで引いている始末だ。

「……うわっ、糸引いてる」

「~~~~ッ」

 感嘆の息を漏らす夏輝は確かめるように、濡れた部分に指を這わせる。わざわざ口で指摘したうえで感触まで確かめるなんて最悪だ。あんまりだ。
 恥ずかしさのあまり憤死しそうになり、声にならない悲鳴を上げる。

「何で言うんだよっ!」

「だってすごくえっちだったから……」

「俺ばっかりずるい!お前も脱げっ!」

 いたたまれなくなって逆切れし、俺は夏輝の服に手をかける。

「ちょっ!?引っ張らないでっ、ごめんごめん!脱ぐから!」

 がるがると喉の奥から唸り声をあげ、毛を逆立てると夏輝は慌てて自分で服を脱ぎ始めた。俺に脱がされるのは嫌らしい。チ、と舌打ちする。
 シャツやパンツを脱いでいき、夏輝の裸体が露わになる。筋肉がつきはじめて、少し男らしくなった夏輝。けれど、まだまだ子供で。

(まだほんの子供なのに、自分が傷つくことをいとわず助けに来てくれた……)

 そのことを考えると、罪悪感を感じると同時にひどく心が高揚した。

「あんまり見ないで、恥ずかしいよ」

 目を伏せつつ、顔を赤らめる夏輝。初心で可愛いと、心臓がざわざわした。

「お前だって俺の身体見てたじゃん」

「そ、そりゃ見ちゃうよっ!好きな子の裸だもん!」

 そこまで口にして、互いに笑いを抑えきれなくなる。抑えられないのは笑いだけじゃなくって、愛しさもだった。
 夏輝がズボンを脱ぎ、下着の前を寛げる。すると、悔しいけど俺よりも大きくて形のいいちんこが顔を出した。
 既にすっかり勃起して、竿には血管が浮き出ていた。




 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

いつも余裕そうな先輩をグズグズに啼かせてみたい

作者
BL
2個上の余裕たっぷりの裾野先輩をぐちゃぐちゃに犯したい山井という雄味たっぷり後輩くんの話です。所構わず喘ぎまくってます。 BLなので注意!! 初投稿なので拙いです

星に牙、魔に祈り

種田遠雷
BL
角と牙のある悪党(攻め)×生真面目エルフ騎士(受け) ちょっと古風なファンタジー物語×エロBL クリッペンヴァルト国の端、境の森にある国境守備の砦には、エルフ国としてはごく珍しく、エルフ以外の種族(主に人間と獣人)が暮らし、守備に務めている。 ごく最近築かれたこの砦を指揮するアギレオは元野盗、これを雇い入れた形で唯一のエルフとして身を置く騎士のハルカレンディアは、かつて敵同士だった。 砦と同じく、心を通わせ始めてからまだ浅い二人は、その立場や考えの違いから噛み合わないこともまだ多く、試行錯誤を繰り返す――。 若干バトルが多めの物語です。 行為のために洗浄が必要な世界観ですので(毎回洗浄の描写があるわけではありません)、苦手でなければぜひどうぞ。 毎週金曜日に更新予定。 前日譚に当たる同シリーズ「この奇妙なる虜」は、陵辱(無理矢理、複数、暴力)などが少なからず出てきますので、苦手でなければこちらもぜひどうぞ。 ※この作品は「ムーンライトノベルズ」「エブリスタ」にも掲載しています

幼馴染カップルが浴室で初中出しえっちするお話

🍑ハンバーグ・ウワテナゲ🍑
BL
攻め→望月レオ(17)    183cm    帰宅部    ハーフ    クールだけどゆうの前だと表情豊か 受け→日下部ゆう(17)    173cm    バレー部    姫ポジ    表情豊か ストーリー性はあまりないです。ただヤッてるだけ。最初からクライマックス。🍑

いつまでも、いつまでも

シエル
BL
平凡な高校生が異世界トリップ!? 気づいたら、緑あふれる森の中これから先どうやって生きていくのか、、

今、私は幸せなの。ほっといて

青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。 卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。 そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。 「今、私は幸せなの。ほっといて」 小説家になろうにも投稿しています。

救い

ken
BL
花森玲はホスト狂いの母親の借金を返すため、性奴隷として毎日男達に陵辱される。絶望的な日々の中で唯一の救いは、元いじめられっ子の転校生、吉田たかしが作る爆弾で、世界を粉々にしてくれる事。 少年たちの真っ直ぐな恋がやがて悲劇を招いて…

突然現れた自称聖女によって、私の人生が狂わされ、婚約破棄され、追放処分されたと思っていましたが、今世だけではなかったようです

珠宮さくら
恋愛
デュドネという国に生まれたフェリシア・アルマニャックは、公爵家の長女であり、かつて世界を救ったとされる異世界から召喚された聖女の直系の子孫だが、彼女の生まれ育った国では、聖女のことをよく思っていない人たちばかりとなっていて、フェリシア自身も誰にそう教わったわけでもないのに聖女を毛嫌いしていた。 だが、彼女の幼なじみは頑なに聖女を信じていて悪く思うことすら、自分の側にいる時はしないでくれと言う子息で、病弱な彼の側にいる時だけは、その約束をフェリシアは守り続けた。 そんな彼が、隣国に行ってしまうことになり、フェリシアの心の拠り所は、婚約者だけとなったのだが、そこに自称聖女が現れたことでおかしなことになっていくとは思いもしなかった。

【BL】キミと交わした桜色の約束

樺純
BL
これはそう遠くない近未来のお話し。 20××年。地球は人間型ロボットであるアンドロイドと人間が共存する世界となった。誰しも成人すれば希望のアンドロイドを作る事ができる世の中。そんな世の中に違和感を覚えていたカイルは成人しているが自身のアンドロイドを持ってはいない。当たり前のように人間の横にはアンドロイドがいて、アンドロイドを大切に扱う人間もいれば奴隷のように扱う人間もいる。そんな世の中が嫌になるとカイルは大好きな桜の木を眺める。そうすれば騒つく胸がすぅっとおさまり、まるで初恋をしたような気持ちになるから。そんなある日、カイルの知人であるジノがカイルに自身のアンドロイドを紹介する。ジノも反アンドロイド派だったが、ついにアンドロイドを購入してしまいアンドロイドの魅力にハマってしまっていた。そんなジノを見てカイルは呆れるがジノから大企業purple社のアンドロイド紹介割引券をもらい、アンドロイドと向き合ったこともないのに反対派でいるのもと考えたカイルはアンドロイド購入に踏む切る。そうして出会ったアンドロイドから不思議なことにどこか懐かしさを感じたカイル。一瞬にしてカイルの心を虜にし、夢中にさせるほど魅力的なアンドロイド。カイルはそのアンドロイドの名前をオンと名づける。アンドロイドとの生活にも慣れはじめたカイルはとあるスーパーで買い物をしていると自身のアンドロイド・オンにそっくりなテオンと出会ってしまう。自分のアンドロイドにそっくりなテオンと出会い驚くカイルと同時にテオンもこの時驚いていた。なぜならばカイルがテオンをオンだと見間違えて呼んだはずのオンという名前はテオンが幼い頃の初恋の相手であるイルから呼ばれていたあだ名だったから。2人は互いに何かを感じるもののその場を後にしてしまう。そして数日後、突然カイルのアンドロイド・オンはpurple社により自主回収され廃棄されてしまう。悲しみのどん底に落ちるカイル。なぜ自分のアンドロイドが回収されたのか?そう思っているとpurple社の社員がカイルを訪れ回収された原因を伝えようとするとpurple社によって埋め込まれたチップによりその社員は毒殺されてしまう。社員の残した言葉が気になるカイル。 日に日にアンドロイド・オンを失ったカイルの心には闇を落とし、始め極端な選択をしようとするが偶然…アンドロイド・オンと同じ顔を持つテオンと再会してしまい、カイルはテオンに惹かれていく。しかし、過去に沢山の心の傷を負ったテオンはカイルにキツく当たり、全く心を開こうとしないものの、カイルは諦めることなくテオンにアプローチし続けるが……?なぜカイルのアンドロイド・オンは回収され廃棄されたのか?テオンの心の傷とは?purple社とは……一体?すれ違いながらも心惹かれていく2人の結末はどうなるのか?

処理中です...