青い月にサヨナラは言わない

Cerezo

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EP2 卵に潜む悪意11 それぞれの夜に

リベンジ初夜2(性描写あり)

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「っぉ”……ぐ」

 腰が砕け、上半身を、頭をベッドに擦りつける羽目になる。
 びゅく、と軽く射精し全身からぶわりと汗が噴き出る。

「射精した、やはり気持ちがいいのだな。よかった」

 恐ろしすぎてトツカの顔を見れない。振り返らず枕に顔を埋める。
 甘い余韻に息が整わない。それと同時に情けなさが溢れてくる。握られただけで射精するなんて。
 男のプライドなんて合ってないようなものだったが、それでも情けないとは感じるわけで。
 
「っぁ、ぐ……ん”んっ……!お前、また……!?」

 これで終わったと思いきや、まだまだトツカはアナルを舌で解すつもりらしい。

「っは、ひ……んぅ、ぉ”……しつこ、いっ!」

 ちゅぷ、ぐちゅ、ちゅぶ。
 アナルの中に唾液を送り込み、今度は狙って前立腺を舐られる。
 卑猥な音を立てながらアナルをかき混ぜられ、すぐに瑞雪のちんこは再び大きく育っていた。

「はぐ……ん”-っ……ふーっ、ふーっ……」

 手で口を押えるだけではもう声を殺すことはできず、瑞雪は自らの腕に噛みつく。
 口の中では絶え間なく唾液が生成され、紺色のスウェットに濃い染みを作っていく。
 気持ちいい。キモチイイ、気持ちいい、きもちいい。頭の中が快楽でいっぱいになり、埋め尽くされていく。
 理性が削がれていく。

「……アナルを舐めながらではキスが出来ないな。少し体勢を変えるか」
「いや、舐めた口でキスするな……んぅむ、はぐ……!?」

 アナルから口が離れたと思いきや、ごろんと横に倒され枕や腕を顔から引きはがされる。
 トツカの言葉にアナルを舐めた口でキスをされてたまるかと抗おうとするが、射精直後の甘い快楽に酔った身体は全く動いてくれない。
 覆いかぶさってきたトツカはアナルに指を突き入れつつ瑞雪の唇を奪う。

「瑞雪……はむ、甘いな、何故だ?れろ、じゅっ」 
「あぐ、れろ……じゅ、おま、ほんとしつこ……っあむ、んん”っ」

 甘いわけないだろうが、錯覚だ!そう言いたいのにキスで口を塞がれているせいで反論できない。
 先程散々舌で解されたからか、トツカの武骨で長い指を一気に三本挿れられても瑞雪のアナルはすんなりと受け入れた。
 
「んん”-っ……ぁぇ、ぉ”……れろ、んむ、ぐ……っちゅ、ぢゅるっ」

 上からも下からも卑猥な水音が絶え間なく響く。
 指でしこりをひっかいたり摘まんだり。憎らしいことにトツカは的確に瑞雪の弱いところを虐め倒してくる。
 キスをしながらひたすら解され続け、何度か身体をびくつかせ甘イキする。
 前回とは比べ物にならないほどぐずぐずになった瑞雪は震える手でトツカの髪の毛を掴み、引っ張る。
 最も、本人は乱暴にしたつもりが軽く撫でるくらいの力になってしまったのだけれど。

「すごいぞ瑞雪、ナカがうねって絡みついてくる」

 それはそれは嬉しそうにトツカが宣う。

「し、死ね……っ!ぁ、う”……んぉ”……っ」

 思わず口から非常に原始的な罵りが反射的に漏れた。

「?死なないが。お前も、俺も」

 トツカはやっぱり心底不思議そうな顔をした。トボけているわけではなく本気でわかっていないからやはりタチが悪い。
 瑞雪自身わかっている。ナカがうねってうまそうにトツカの指をしゃぶっていることくらい。
 前への刺激よりも後ろでの快楽をよく知っている身体はいつだって瑞雪の意志に反するのだ。

「っぉ”……ぁ、ぅ”ー----ッ」
「ほら、また。痙攣している。イったのか?気持ちいいんだな、嬉しい。だが指を噛むのはよくない」

 トツカのちんこと瑞雪のちんこが互いに擦れ、前立腺を思いっきり引っ張られ、視界がバチバチとスパークする。
 痛みの方がよっぽど耐えられる。だがこれは駄目だ。
 
「ふーっ……ふぅっ……も、いいから……さっさと、挿れろ……っ!」

 後ろがきゅんきゅん疼いて仕方がない。
 恥ずかしさや情けなさ、それと相反する強烈すぎる快感に頭がかき混ぜられて茹る。
 足りない、もっと欲しい。違う、いらない。気持ちよくなりたくない。怖い。怖くない、だってあいつらとは違うから。
 様々な考えが纏まらず、かろうじてさっさと終わらせなければと瑞雪の脳みそが判断する。

「んぉ”っ……!?」
「ふむ、確かに解れているな」

 解れているかを確認するため、トツカは無遠慮に四本の指を瑞雪のアナルの中でバラバラに動かす。
 思わず口から濁った喘ぎ声が漏れ、がちりと思いっきり指を噛む。皮膚を食い破り血が出るが知ったことか。
 理性を失ったほうが楽なのは重々承知だが、瑞雪はそれを拒んだ。
 
「だから、ダメだと言っているだろう」
「っは、はふ……っぁ、ぁ”……ぉ”、ぐ……!こえ”っ、こえ”出るから、嫌だっ、きたな」

 汚い声が出るから。何とかトツカに訴えるが聞き入れてもらえない。手を掴まれ、血の出た箇所を舐め取られる。
 こんな低い男の、それも汚い喘ぎ声なんて聞いて誰が得するのか。自分の声が聞きたくなくて、もう片手で首元を抑えようとする。
 息なんてできなくていい、声が止まりさえすれば。

「汚くなんてないだろう。普段より余裕がなくて、掠れている。低めのいい声だ。もっと聞きたい」

 両手を取り、シーツへと縫い留める。
 トツカの血のような瞳が瑞雪を真っすぐ見下ろす。

「……あまり、見るな。聞くな。変わり者だ、お前は。そんなことを言うのはお前位だ」

 目を合わせられず、伏せる。

(ここ最近は、変な気分だ。居心地が……悪いのか、いいのか)

 ラテア達と出会ってからこんな気分によくなる。
 今までずっと否定ばかりを受けてきたけれど、トツカやラテア達は瑞雪を否定しない。祖父の影を瑞雪に見ない。
 常に全てを敵だとばかりに跳ねっかえりだった自分をいい加減顧みて、ほんの少しでも協調性というものを持つべきなのかもしれない。

「断る。もっと見たいし聞きたい」
「……前からじゃなくて後ろからがいい。見られたく、ない」

 口から出たのはあまりにも弱弱しい声だった。自分のこんな声も、姿も、聞いたり想像すると酷くいたたまれなくなるのだ。
 結局のところ、瑞雪には自信がない。自己肯定感も、プライドも、普段は必死に取り繕っているだけで本当は地の底よりなお低いのだ。
 成人したとき、酒も煙草も試してみた。でも結局酒に溺れることも煙草に依存することも出来なかった。
 他人への頼り方も、心の開き方もわからない。逃げ方のわからない、正面からぶつかるしかできない大きな子供でしかなかった。
 自分でしか自分を救えないなんて嘘っぱちだ。でも、誰かに救ってもらえるとも思えない。だって自分には価値がないから。
 諦めているだけだ。救われ方も救い方もわからない。
 こんな自分が教師を志すなど笑止千万だと、祖父や兄の幻影が嘲笑っている。
 苦しい。ずっと苦しいからそれが普通になった。だから平気だった。でも、最近はその苦しさがほんの少しだけ和らいでいる気がした。

「わかった。今回は妥協しよう。だが、今度は見せてくれ」
「……まだヤるつもりなのか?」
「そうだが。瑞雪もキモチイイのだからいいだろう」

 気持ちいい、という点においては瑞雪は否定できない。適当に嘘をついてごまかそうにもこんな姿を見られている時点で嘘だとバレてしまう。
 重たい身体を何とか起こし、後ろを向く。尻を自ら突き出すのは屈辱的だったが、自分が言い出した以上それくらいの協力はしなければならない。

「ほら、さっさと済ませー---ッぁ”」

 どちゅんっ!尻を突き出しさっさと終わらせようと口を開いたところで腰を掴まれアナルにちんこを叩き込まれる。
 トツカもずっと据え膳状態で我慢していたのだろう。
 衝撃に備えていなかった瑞雪は目を見開き舌を突き出す。

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