[完結]ヤンデレ・メリバは好きですか?

紅月

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攻略対象者達の攻撃

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「今の会話、意味が分からないが、厄介そうだな」

デニスロードが医務室の扉に寄り掛かりながら、室内のもの達を見た。


ちょうど医務室の前で交わされていた会話に自分の名前が上がり、なんとなく聞いていたが、一気に機嫌が悪くなった。

「ナビ子爵令嬢に話を聞きましょう」

同じく会話を聞いていたジークハルトが、さっと退室の礼をし、ミリアと接触をしようと動いた。

「意味がまるで理解出来ませんが、腹立たしさを覚えました」

カサンドラが赤い目を細め、嫌そうに顔を背けた。

「シオンとは、シオンナリス・オランド先生のことかしら?」

リーヴシェランが首を傾げ、シオンと言う人物に該当しそうな教師の名を口にした。

「意味の分からない単語が多かったが、私達を侍らす、など不敬もいいところだ」

デニスロードのサファイアの様な、蒼い目には殺気がこもっている。

「あの女、アホですね」
「まったくだ」

王女であるリーヴシェランの辛辣な言葉にカサンドラはクスクスと笑い出した。
同じ両親から産まれた2人は髪も目も同じだが、性格まで同じだとは思わなかった。

「ナビ子爵令嬢の話を聞けば、どこの誰か分かると思いますが、おそらくセレナ・コール男爵令嬢かと思います」
「ああ。一時社交界で噂になったやつか。そいつならあり得そうだ」

カサンドラとデニスロードが、冷たい笑みを交わす。



数日後、一応、関係者になるかもしれない、と思いシオンナリスやレオアニスとアリアも呼び、デニスロード達は執務室でナビ子爵令嬢を待っていた。

ナビ子爵令嬢はジークハルトと共に執務室に現れ、緊張した顔で彼らを見つめる。

「先日の医務室の前での会話の意味を聞きたい」

前置きも無く、デニスロードが問い掛ければナビ子爵令嬢ははっ、と息を飲み頷いた。

ナビ子爵令嬢は自分には前世の記憶があり、から話を始めゲーム内容を伝えた。
前世で使っていたゲームやヤンデレなどの言葉を説明し、セレナ・コール男爵令嬢が言っていた逆ハーの事を話すと、当然のようにデニスロード達の眉間にシワが寄った。

「説明、ありがとう。腹立たしさが増したが、あの女の目論見が分かった事で対策が取れる」

デニスロードの言葉に、ナビ子爵令嬢が深く頭を下げた。

「それで、対策はどの様にしますか?」

ジークハルトが側近らしい態度でデニスロードを見る。

「フラグ?と言うものをへし折れば問題無い筈だ」

逆ハールート?の15個もあるフラグを全部へし折るのはかなり大変だろうが、デニスロードはチラッとレオアニス達を見る。

望まない未来を確実に消すには、多少の労力は致し方ない。
その方法が多少強引であっても、彼らならどうとでも出来る権力がある。
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