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足のある亡霊を引っ張り出します

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マリアーナは黙り込む人々を見ながら更に言葉を繋いだ。

「それに、違法アイテムの効果はおよそ10年。たとえ現物が残っていたとしても既に使えないものとなっております」

誰も違法アイテムの効果の期限を知らないので、ハッタリをかます事は事前の打ち合わせで確認済みである。

「嘘だ。ちゃんと効果はあった」

金切り声で誰かが叫んだ。
声だけを風属性の魔法で飛ばしているからバレないと思っている様だ。

あーあ、自分で自分の首絞めてるよ。

私は内心呆れながら陛下にそっと目を向けた。
陛下の目が言っている。

愚か者を引き摺り出せ、と。

やはりやるしかない様です。

「陛下、お目汚しになりますが、ご容赦を」
「許す」

私は陛下の許可を貰い、御前会議を行なっている広間の中央に立ち、水晶の簪で魔法陣を描き、両手を軽く広げ手のひらを上にし、魔力を高めた。
足下に魔法陣に光が広がり、波紋が広がる様に魔法陣も広がり、白い光が床を覆う。

「解呪」

私の声に反応して魔法陣が一気に光を放った。

これは、精神干渉魔法では無く魔法薬の解除の魔法。どの様な結果が出るか、正直気が重いです。

「ぐわっ」

人があげる悲鳴とは思えない声が聞こえて、人混みが声の主から距離を取った為小さな空間ができ、王宮の広間に集まった方達が声の方を見ている。

「やはりな」

壇上でウィリアム陛下が冷たい目で悲鳴を上げた人物を見た。

あぁ、やはりそうでしたか。

「元魔術学園教師、ロイド。いや、その姿を見ると、お前はジルコニア一族の生き残りか」

人混みから引き摺り出されたロイドと名乗っていたものの薄茶色の髪も水色の目も色次第に変わり、くすんだ灰色になり、顔ものっぺりとした見た事がない顔になった。
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