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何故此処にいるのでしょうか?

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「だが、あのアイテムは当時、安価だが買い戻され、法で持つ事も禁じられアイテム自体は他のアイテムに再利用された筈だが。手元に残すメリットは無いぞ」

ミカリスお兄様の言い分はもっともです。

「アレキサンド王国の出来事を知らず、情報が入らない所に隠れていたら持っていてもおかしく無い」

確かにそうですが、事を起こしそうなジルコニア一族は全てなんらかの処分を受け、生き残っている数人は存在を把握されている筈です。

「あり得るが、ジルコニア一族はほぼ死ぬか幽閉されてるぞ」

ルシルお兄様、何気に怖い事をサラッと言うんですね。

「当時から盲点になっている方っていらしたのでしょうか?」
「盲点?例えば?」
「一族に知られていない庶子とか、処罰が下る前に一族から追放された方とか?」

思い付く辺りを口にしてみましたが、どれも決定打にはなりませんね。

「認識されていない庶子か。やはりマリは目の付け所が違う。探らせよう」

ルシルお兄様が俄然、やる気になってますがそう言う方って居るのでしょうか?

「兎に角、各自の采配で証拠を固め、ダスト伯爵とタガー子爵に掛けられた嫌疑を晴らす事が最優先ですね」

ユリアス様の言葉で今日はお開きになりましたので、仕事に戻ります。



王宮での私の仕事は、簡単に言えば便利屋です。
所属は内務省の1人なのですが、外務省所属の伯父様の仕事を手伝ったりもしてますので、所属が曖昧です。

今日は内務省の仕事の手伝いをしていますが、配属されたばかりの新人に重要書類を渡すのは止めていただきたい。

「この案件は……」

陛下にお渡しする物を渡さないで欲しいですが、仕事ですので割り切りましょう。

「ガーネット子爵令嬢」

名前を呼ばれ振り返ると、其処にはいる筈のない方が立っています。

「ロイド先生」
「久しぶりですね」

にこやかに此方に歩いて来ますが、如何して此処に?

「学園のお仕事ですか?」
「いえ、私も王宮の官僚になりましたので、これからは同僚ですね」

意外ですが、無い事はないですね。

「ロイド先生なら魔術院に行くと思いました」
「魔術院に空きがなかったので、教育省で空くのを待つつもりです」

万年人手不足の魔術院の筈ですが、今回は有望な人材が入った様です。

「希望が叶うと良いですね」

それだけを伝え、陛下の元に向かった。
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