20 / 39
マナーを何処に捨てたんでしょうね?
しおりを挟む
「えっ?ダスト伯爵とタガー子爵に謀反の疑いが?」
やっとルーティンとなっていた呼び出しからの、が終わった途端、意外な方達への阿呆みたいな疑いに頭がついて来ません。
今日はジルコン宰相閣下の執務室で皆さんが集まっているけど、宰相閣下は激務、と聞いた事があるのですが大丈夫でしょうか?
「匿名で投げ文があった」
それって信憑性あります?
「ふーん。その投げ文、貸していただけますか?」
ルシルお兄様、宰相閣下に何お願いしているんですか。
「良いですよ。此方も信憑性を疑ってますので、そちらで調べてくれると手間が省けます」
時々お兄様が分からなくなります。
外交補佐ってどんな仕事なんです?
「マリに送られた手紙も貸して」
送り主がバラバラなのに、何の役に立つのでしょう?
「私が持っているのは、ロイド先生とタガー子爵令息からので、ハモンドさんのはジルコン公爵令息がお持ちです」
一応、公の場、みたいなのでジルコン公爵令息と呼んだらまた無愛想な顔になってます。
「ユリアス、感情が顔に出過ぎだ」
ユーリ様?ユリアス様の今の顔は無表情ですが?
「この前から縦ロールの伯爵令嬢に言い寄られて腹が立つのは分かるが、感情は抑えろ」
あの令嬢の事、皆さん縦ロールの伯爵令嬢と呼んでいるんですね。
名乗りあう挨拶もしてませんから、知らない人になりますが若干失礼にあたるのでは?と思います。
「あんな無礼な令嬢を許せと仰るのですか?」
ますますユリアス様が無表情になっていきますが、怒ってますね。
「ユリアス様、どうなさいました?珍しく感情が乱れてますけど」
問い掛ければユリアス様はハーッと大きな息を吐き話してくれました。
ユリアス曰く
縦ロールの令嬢が突然、ジルコン家に押し掛け
「わたくしに釣り合う殿方はジルコン公爵令息くらいですから、婚約して差し上げても良くってよ」
と、暴言を吐きまくったそうだ。
令嬢、マナーを何処に捨てて来たのですか?すぐに拾いに行きなさい。
「君の所もか、頭痛くなった」
ラファエルお兄様が本当に額に手を当てて、俯いてしまった。
公爵家に突撃するなんて、不敬で捕まってもおかしくないですよ。
本当にあの方は何がしたいのでしょう。
「縦ロールが何をしようと関係ないが」
ミカリスお兄様。とうとう令嬢の文字すら口にしなくなりましたね。
まぁ、令嬢らしがらぬ態度ですから。
「そうそう。縦ロールはユリアスに任せるけど、アイツは如何する?」
アイツ?どなたでしょう?
「アイツはルシルが対処している筈だ」
「ええ、此方で既に。全く不快な事しか口にしないので、少々手荒になったようですが、ね」
ルシルお兄様の言葉でなんとなく理解しました。あの方はお兄様達に何を言ったのでしょう?ここ迄露骨に不愉快な顔をされるお兄様達を初めて見ました。
「では、各方面の事は各自に任せるが、今回の事はマリアーナ嬢。貴女も関わってもらう」
ユーリ様が宰相としての顔で、真っ直ぐ私を見ます。
「力の及ぶ限り努力します」
いわれなき冤罪での処罰なんて許せる事ではありませんから。
やっとルーティンとなっていた呼び出しからの、が終わった途端、意外な方達への阿呆みたいな疑いに頭がついて来ません。
今日はジルコン宰相閣下の執務室で皆さんが集まっているけど、宰相閣下は激務、と聞いた事があるのですが大丈夫でしょうか?
「匿名で投げ文があった」
それって信憑性あります?
「ふーん。その投げ文、貸していただけますか?」
ルシルお兄様、宰相閣下に何お願いしているんですか。
「良いですよ。此方も信憑性を疑ってますので、そちらで調べてくれると手間が省けます」
時々お兄様が分からなくなります。
外交補佐ってどんな仕事なんです?
「マリに送られた手紙も貸して」
送り主がバラバラなのに、何の役に立つのでしょう?
「私が持っているのは、ロイド先生とタガー子爵令息からので、ハモンドさんのはジルコン公爵令息がお持ちです」
一応、公の場、みたいなのでジルコン公爵令息と呼んだらまた無愛想な顔になってます。
「ユリアス、感情が顔に出過ぎだ」
ユーリ様?ユリアス様の今の顔は無表情ですが?
「この前から縦ロールの伯爵令嬢に言い寄られて腹が立つのは分かるが、感情は抑えろ」
あの令嬢の事、皆さん縦ロールの伯爵令嬢と呼んでいるんですね。
名乗りあう挨拶もしてませんから、知らない人になりますが若干失礼にあたるのでは?と思います。
「あんな無礼な令嬢を許せと仰るのですか?」
ますますユリアス様が無表情になっていきますが、怒ってますね。
「ユリアス様、どうなさいました?珍しく感情が乱れてますけど」
問い掛ければユリアス様はハーッと大きな息を吐き話してくれました。
ユリアス曰く
縦ロールの令嬢が突然、ジルコン家に押し掛け
「わたくしに釣り合う殿方はジルコン公爵令息くらいですから、婚約して差し上げても良くってよ」
と、暴言を吐きまくったそうだ。
令嬢、マナーを何処に捨てて来たのですか?すぐに拾いに行きなさい。
「君の所もか、頭痛くなった」
ラファエルお兄様が本当に額に手を当てて、俯いてしまった。
公爵家に突撃するなんて、不敬で捕まってもおかしくないですよ。
本当にあの方は何がしたいのでしょう。
「縦ロールが何をしようと関係ないが」
ミカリスお兄様。とうとう令嬢の文字すら口にしなくなりましたね。
まぁ、令嬢らしがらぬ態度ですから。
「そうそう。縦ロールはユリアスに任せるけど、アイツは如何する?」
アイツ?どなたでしょう?
「アイツはルシルが対処している筈だ」
「ええ、此方で既に。全く不快な事しか口にしないので、少々手荒になったようですが、ね」
ルシルお兄様の言葉でなんとなく理解しました。あの方はお兄様達に何を言ったのでしょう?ここ迄露骨に不愉快な顔をされるお兄様達を初めて見ました。
「では、各方面の事は各自に任せるが、今回の事はマリアーナ嬢。貴女も関わってもらう」
ユーリ様が宰相としての顔で、真っ直ぐ私を見ます。
「力の及ぶ限り努力します」
いわれなき冤罪での処罰なんて許せる事ではありませんから。
510
お気に入りに追加
1,294
あなたにおすすめの小説
念願の婚約破棄を受けました!
新野乃花(大舟)
恋愛
オレフィス第二王子はある日、一方的に婚約者エレーナに対して婚約破棄を告げた。その瞬間エレーナは飛び上がって喜んだが、オレフィスはそれを見て彼女は壊れてしまったのだと勘違いをし、なぜ彼女が喜んだのかを考えもしなかった…。
※カクヨムにも投稿しています!
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
私は王妃になりません! ~王子に婚約解消された公爵令嬢、街外れの魔道具店に就職する~
瑠美るみ子
恋愛
サリクスは王妃になるため幼少期から虐待紛いな教育をされ、過剰な躾に心を殺された少女だった。
だが彼女が十八歳になったとき、婚約者である第一王子から婚約解消を言い渡されてしまう。サリクスの代わりに妹のヘレナが結婚すると告げられた上、両親から「これからは自由に生きて欲しい」と勝手なことを言われる始末。
今までの人生はなんだったのかとサリクスは思わず自殺してしまうが、精霊達が精霊王に頼んだせいで生き返ってしまう。
好きに死ぬこともできないなんてと嘆くサリクスに、流石の精霊王も酷なことをしたと反省し、「弟子であるユーカリの様子を見にいってほしい」と彼女に仕事を与えた。
王国で有数の魔法使いであるユーカリの下で働いているうちに、サリクスは殺してきた己の心を取り戻していく。
一方で、サリクスが突然いなくなった公爵家では、両親が悲しみに暮れ、何としてでも見つけ出すとサリクスを探し始め……
*小説家になろう様にても掲載しています。*タイトル少し変えました
政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
結城芙由奈
恋愛
浮気ですか?どうぞご自由にして下さい。私はここを去りますので
結婚式の前日、政略結婚相手は言った。「お前に永遠の愛は誓わない。何故ならそこに愛など存在しないのだから。」そして迎えた驚くべき結婚式と驚愕の事実。いいでしょう、それほど不本意な結婚ならば離婚してあげましょう。その代わり・・後で後悔しても知りませんよ?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います
りまり
恋愛
私の名前はアリスと言います。
伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。
母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。
その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。
でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。
毎日見る夢に出てくる方だったのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる