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閑話 とある伯爵令嬢視点

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とある伯爵令嬢の独白

あの男爵令嬢、本当に役立たずなんだから。

「ウィリアムもジェフリーもルーファスもみんな、アタシにベタ惚れする」

なんて大口叩いて、このザマ。
お父様もあんな女の口車に乗って。

そりゃ、最初は平民達がコロコロ引っ掛かるから少しくらいは信じてあげたけど、これじゃ計画が丸潰れよ。

ウィリアム達をあのバカが使い物にならない様にして、イザベルを断罪するついでに、トルマリン侯爵家も没落させ、あたしがパトリックの婚約者になって、ゆくゆくは王太子妃から王妃になれるはずだったのに。

側妃も役立たずだわ。
パトリックや陛下に、あたしとの婚約を薦めるはずだったのに、何やってんのよ。
陛下の寵愛を一身に受けている、なんて豪語してたけど、春の舞踏会に出席してなかったし。

パトリックはバロスの女と婚約間近、なんて言われてるじゃない。

お父様の愛人の1人だったみたいだけど、女として魅力無さすぎよ。

あたしみたいに、可愛くて綺麗で魅力的じゃないから、男達が言いなりにならないのよ。
あんな、バロスの女なんか、死んじゃえばいいのに。

……そうよ、その手があったじゃない。
やだ、あたしって可愛くて綺麗で魅力的だけじゃ無くて頭も良いなんて、完璧じゃない。

お父様にお願いして、そうして貰わなきゃ。
あたしの幸せの為にも、みんな、犠牲になって貰わないと、ね。

綺麗だけど、あたしを馬鹿にした目で見るウィリアムは要らない。

ジェフリーも、ルーファスも、あたしの事大切にしないから要らない。

あたしは、あたしの言いなりになる、王太子になるパトリックがいいの。

魅了魔法や服従魔法のアイテムがあれば、全部あたしの思い通りになるんだから。
お姉様みたいなヘマなんてしないわ。
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