[完結]18禁乙女ゲームのモブに転生したら逆ハーのフラグを折ってくれと頼まれた。了解ですが、溺愛は望んでません。

紅月

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好きの反対は?

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「本当に何もしない?何故だ」
「ウィリアム殿下。好きの反対はなんだと思いますか?」

シルヴィーの質問にウィリアムはジロリ、とシルヴィーを睨む。

「好きの反対は、嫌いだろ」

当然のように答える。

「いいえ。好きの反対は無関心です。欠片も気にしない、存在さえ気にしない事。それが好きの反対なんです」

だからなんなのだ、と言いたげなウィリアムにシルヴィーは冷静に答える。

「語弊があるかもしれませんが、カーボン男爵令嬢は、我々に何もしていません」

ウィリアムが否定しようと、口を開きかけたが

「彼女は魅了魔法のアイテムも服従魔法のアイテムも使えず、ドレスや宝石を強請った訳でもありません」
「イザベルを罵倒したぞ」

シルヴィーの冷静すぎる言葉、にウィリアムが噛み付いた。

「はい、ですから此方も物理的に何かをする必要はない、と申し上げてます」

物理的に……。
シルヴィーの冷ややかな目が、答えを出している。
ウィリアムが、ふぅ、と息を吐きにやり、と笑った。

「存在を無視して、精神的に圧力を、って事か」
「ご理解が早くて助かります」
「今、絶対、シルヴィーを敵に回しちゃ駄目な事は理解した」

ジェフリーが頭を抱え、口を開きかけたルーファスが、本気で怖がっている。

「シルヴィーは理不尽な事はしないわ」
「そうです。あいつが自分で撒いた種、と言うことよ」

イザベルとシンシアは、当然のようにシルヴィーの味方になった。

「ご理解いただけた様なので、今後の予定を話し合いましょう」

シルヴィーのいい笑顔に、生徒会のメンバー達は頷いた。
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