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第39話

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 正直に言えば、ギャンブルなんてしたくないので、今すぐにでも『やめたいです』と口に出したいところだったが、こういう流れになってしまった以上、さすがに1ゲームもやらずにこの場を去れば、アスラさんの心証を大いに損ねてしまうだろう。……仕方ない、ほんの少しだけお金を賭けて、すぐに勝負を終わらせてしまおう。

 そういうわけで、私とアスラさんの、一対一のポーカーが始まった。

 パティがディーラーを務めることになり、アスラさんの切ったカードをもう一度丁寧にシャッフルすると、パティは私たちに対し、順番にカードを配る。

 ええっと……
 私のところに配られたカードは、『7』が三枚に、あとは『4』と『5』だ。

 わっ、凄い。
『7』が三つそろうって、スリーセブンだから、良い役なんじゃなかったかな。

 ……あれ、でも、ポーカーに『スリーセブン』なんて役、あったっけ?

 どうしよう、思い出せない。でも、勝負の最中にあれこれと尋ねるのは、なんとなくルール違反というか、マナー違反な気がする。

 テーブルの向こうのアスラさんは、自分のカードを見て、余裕の表情を浮かべている。……きっと、強い役ができたに違いない。

 アスラさんはパティに対し、一枚のカードを差し出すと、「チェンジ」と言った。
 パティは頷き、差し出されたカードを回収して、新しいカードを一枚配る。

 チェンジ!?

 そんなことしていいの!?

 ルールは分かっているつもりだったが、やはり、私のポーカーに対する知識は穴だらけのようだ。まあ、実際には一度も遊んだことがないんだから、仕方ないわよね。

 しかし、カードをチェンジしてもいいなら、私ももっと強い役を狙っていこう。ポーカーに『スリーセブン』なんて役があるかは分からないが、こういうのは大体、同じカードがたくさんあると良い役になるはずだ。

 私は三枚の『7』を保持したまま、残りの二枚をパティに差し出し、「二枚チェンジ」と言う。パティは「了解っす」と言い、新しいカードを二枚くれた。

 新しいカードは『7』と『9』だ。

 やった。
 これで『7』が四枚もそろったことになる。
 縁起のいい数字だし、きっと、そこそこは強い役だろう。
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