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004 幼馴染の公爵令嬢

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 そしてアンジェラには厄介なことが他にもあった。アンジェラには幼馴染の友人がいた。同じ公爵家で同じ年の女の子。
 幼い時は、二人で仲良く遊んでいた記憶がある。今考えると、アンジェラに婚約者ができてから少しずつ、関係性が変わってしまったように思う。

 幼馴染のエイミーは、アンジェラの婚約を羨ましく思っていた。国の第二王子で格好良く、いつも笑顔を絶やさない憧れの的だったから。
 アンジェラは、エイミーに会う度にそんなに良いものではないのよと説明していたが信じてくれなかった。できることなら、代わって貰いたいと何度言ったかわからない。

 でも、実際は王とアンジェラの父の間で決まったこと。子供たちの言い分で王子の婚約者を変更するなんてことができる訳もなかった。
 エイミーにしてみたら、そんなアンジェラの態度も面白くなかったのだろう。年を取るごとに、アンジェラへの風当たりが強くなる。
 学園に入学する頃には、アンジェラはエイミーに完全に嫌われていた。

 その頃には、アンジェラはエイミーの誤解を解こうとする気持ちが無くなっていた。そんなことを考える心の余裕なんてなかった。
 むしろ学園に通い出してからエイミーが、アレックスに近寄っていたのも知っていた。だから、そのまま上手く行ってくれないかと祈るほどだった。
 
 だってアンジェラは、毎日が必死だった。学園に行くようになってからは、アレックスに見られているのではないかと言う、強迫観念が強くいつもビクビクしていたから。

 でも一つだけ学園に入学して良かったと思う出来事もあった。担任の先生が、とても良い先生だったから。同じ年の女の子たちは、全く担任に興味を示していなかったが、アンジェラは何故だかとても魅力的だと思っていた。
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