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あなたが赤ずきん?

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「え、普通に名前つけてくれないの?」

「だって赤ずきんは赤い...『レッド』でなんの不都合もないじゃない」

「いやそうじゃなくてさ……もっとこうかっこいいのあるじゃん」

いやね。かわいい女の子に名前を考えてもらえるのは嬉しいよ?
でもさぁ……なんかもうちょっとあるじゃん! こう、ラノベとかでよくあるやつ!
かっこいい感じの名前ほしいんだけどなぁ~……と俺は心の中で不満をもらす。

すると突然頭の中に声がした。

『よかろう……お主の名は今からレッドじゃ』

「えぇ……ちょっと待っ……」

その瞬間、俺の体は光に包まれた。
いやなんか変身っぽいんですけど!
まさかとは思うがこの声の持ち主に名前変えられたんじゃないだろうな? やがて光がおさまると、俺の体には新たな服が着せられていた。
それは赤いフード付きのローブだった。
そして手には杖がある。

「え……なにこれ?」
「あら、なかなか似合うじゃない」

フィリアちゃんが褒めてくれた。
あ……これはこれで悪くないかも。

「あのー……これ、どうやって脱ぐの?」

俺はローブをぺらりとめくって見せる。
するとフィリアちゃんが顔をそむける。
あ、なんかごめん……

「知らないわよ」

「え、だって名前つけたじゃん!」

「私は赤ずきんじゃないもの」

いやそれもう聞いたよ! でもさ……俺、赤ずきんなんでしょ?ならローブくらい脱げてもいいんじゃない?

「じゃあフィリアちゃん、赤ずきんに変身してみてよ」

「嫌よ」

あ、即答!

「なんで?」

「恥ずかしいじゃない……」

「でも今は普通の服だよね?」

「当たり前じゃない。この服が私の普段着だもの。それに私は赤ずきんじゃ……って、あ!」

「え?」

いや今なんか言いかけたよね? するとフィリアちゃんは顔を真っ赤にしている。
あ、これ絶対なんかあるわ。

「あの、さ……」

「な、なにかしら?」

「赤ずきんって……本当はフィリアちゃんなんでしょ?」

「……っ!」

あ、めっちゃ動揺してる!やっぱりこの子が赤ずきんだな?

「ねぇ、そうなんでしょ?」

「そ、それは……」

「俺ね、実は記憶喪失なんだ」

「え……?」

いやそれさっき言ったよね。
まぁいいや。とりあえず押し切ろう。

「だから自分が誰なのかもわからないんだ」

「そ、そうだったのね……」

あ、ちょっと罪悪感あるな……
でもしょうがない。この子が赤ずきんじゃなければ俺はずっとぼっちだ。
それは嫌だもん!だから申し訳ないけど、ちょっとだけ嘘つかせてね。

「それで俺、フィリアちゃんのことを見てたらさ……なんか懐かしい気がしたんだ」

「え?」

あ、食いついたな?ならこのまま畳み掛けよう!

「だからさ……そのー……友達になってくれない?」

「……っ!」

あ、また顔赤くなってる。
かわいいなぁ……っていかんいかん!冷静になれ俺!

「あ、あのー……」

「……わ、わかったわよ」

やったぁ!念願の友達ができたぞぉ~!

「じゃあフィリアちゃん、一緒に行こう?」

「え?どこに?」

「決まってるじゃん。俺の家だよ」

俺は赤ずきんの杖を振ると、目の前にワープゲートが現れた。
……いやこれもう完全にチートだよね?

「さ、入って入って」

俺はフィリアちゃんを招こうとするが、なぜか彼女は動かない。
それどころかため息をついている。
あ、これはマズいパターンだわ……完全に拒絶されてるなこれ。
うん……まぁそりゃそうだよね!初対面の男がいきなり家に来ようなんて言われたら絶対こうなるわ! よし、ここは一旦引いて出直すか……
そう思って杖を振りかけたその時だった。

「……仕方ないわね」

「え?」

「いいわ。一緒に行ってあげる」

いや、なんか立場が逆転してるけど……まぁいいか。

「ありがと!」

俺はそう言ってゲートをくぐった。
フィリアちゃんが少し遅れてついてくる。
そして俺たちは俺の家の前に到着した。
うん、やっぱりここだ。

「ここが俺ん家だよ」

「そう……」

あ、ちょっと警戒されてるなこれ……
でも大丈夫!ちゃんと説明すればきっとわかってくれるはず! 俺は意を決してドアを開けた! するとそこには見知らぬ美少女が立っていた。
いや誰よあんた。
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