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第一章

12話僕の護衛様?

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僕はアロンツォと言う人の手を取り、言った。

「護衛…騎士…?」

「はい、私がチーロ様の護衛にと言い渡されました。ですから、チーロ様のお側につかせて下さい」

とスカーフを被った男の子は言う。

そして、ハーヴィーがヒョコンと立ち上がり、ティモシー達に声をかけた。

「もう、今日の遊びは終わりだ。俺たちはもう帰ろうな」

とハーヴィーはティモシーの肩に手を置いて、言った。

ティモシーは何か言いたそうに眉を下げてコクッと頷いた。

僕もまだ遊び足りない気持ちになりながらもまたねと別れを告げた。

僕の護衛騎士と名乗るアロンツォと言う男の子と家に帰った。

門が開き、ドアが開く。そして、いつものようにアンジェロがにこにこと開けるけれど、今日は違った。アンジェロはハッと驚いた顔をして、ペコッと勢いよく頭を下げ、言った。

「アロンツォ様ではありませんか。この度はオーウェン様もわたくし共々、とても有り難き恩恵の気持ちで封書を拝見致しました」

と言い、アンジェロは眉尻を下げ、続けた。

「わたくしは良いと思いになりましたが、オーウェン様はまだ気持ちが定まっていないで居られますが…」

「顔を上げて下さい。私の方が頭を下げなくてはなりませんから。それに私も言い渡された時は、チーロ様のこの年齢で護衛騎士につくことになったことに驚いておりました」

とアロンツォは言った。アンジェロはペコッとして、手でどうぞと言って、入れさせた。

「では、アロンツォ様はオーウェン様の元でお話しをお願いします」

とアンジェロは言った。

•*¨*•.¸¸☆*・゚

「失礼致します。私はチーロ様の護衛騎士となりました。アロンツォと言います」

アロンツォはオーウェンに目を合わせ、お辞儀をする。

「君か。よく来たな。あの時、君に会った時はもっと小さかった。まさか、君がチーロの護衛騎士になると封書が来たことはびっくりしている。君もチーロの護衛になることに驚いたらしいがな。

チーロがあの一覧に書かれているってことはもう確定と言うことなんだな」

オーウェンはロココ調の椅子に両手を起き座り静かに冷静な声で言った。

「はい、そうです。それと、チーロ様の今後を見積もり、その次第、勉学を教える者も決まります」

「チーロの家庭教師か。…もしかしてなんだが。あの子かな…」

「オーウェン様はお分かりで?」

「まぁな~。君も確信しているのだろう」

その言葉にアロンツォは小首を傾げ、ふいふいと顔を横に振る。その様子はまだ11歳と言うまだ子供のままの姿だった。剣術はとても優れているようだが、子供な彼だ。オーウェンはそんなアロンツォを見抜いており、頭で考え込みながらアロンツォを見つめる。

アロンツォは緊張な趣#おもむき#でオーウェンに言った。

「私は知りません」

「そうか、君は知らないのか。なるほどな~」

とオーウェンは言って、顎を触る。

一時、静かな間が起きた。そして、オーウェンはそっと声に出した。

「わかった。君にチーロを守ってもらう事を許可しよう。あの御方からの恩恵#おんけい#だ。こちらも断ることは出来ないからね」

「はい、誠心誠意で私はチーロ様をお守り致します」

とアロンツォは言って、オーウェンにスっとお辞儀をした。

•*¨*•.¸¸☆*・゚

「どうでしたか。オーウェン様のお言葉は?」

とアンジェロがアロンツォに心配そうに声を掛けていた様子を僕は廊下の角からひょっこと顔を覗かして見た。

「了承を得ました」

とアロンツォが言う。

「そうですか。それは良かったです!これからよろしくお願いします。ロラ様にアロンツォ様が来られ、オーウェン様に挨拶をなさっていますと伝えているので、ロラ様にも顔を合わせてくださいね」

とアンジェロが優しく、アロンツォに言っている。

「分かりました。ロラ様に挨拶して来ます」

とアロンツォは言って、こっちに来た。すると、アロンツォは僕に気付いて、ニコッと笑んだ。

僕はキュッとときめいた。僕の心はとても容易ようい#い。僕の護衛騎士の子なんだよね。


•*¨*•.¸¸☆*・゚


夜のこと。


ーコンコンッ

とドアが叩かれ、ドアを開くととても綺麗な紺色の髪に紫色のキラキラと輝く11歳と思しき男の子が僕の前に現れた。

「チーロ様、アロンツォです。本格的に貴方様の護衛騎士となりました。チーロ様の身を守ります。改めて、よろしくお願いします」

とお辞儀をされ、僕は『はい!』と返事をした。

アロンツォは11歳。僕の中身の年齢は17歳。僕から見てもアロンツォは年下の男の子。だから、僕ははにかみながら言った。

「そんなに固くならないで、僕と話しましょ。だから、敬語じゃなくてもいいよ」

と言った。アロンツォは驚いた顔をした。スカーフで見えなかった顔立ちはまだ、可愛らしさのある男の子で、無理して大人の繕いをしているようだった。だから、僕はそんなアロンツォの重みを下ろしたかったんだ。

すると、アロンツォは肩を柔らかくして言った。

「チーロくん。いいの。敬語じゃなくて…?」

「いいよ。その方が僕はうれしい」

と言って、可愛い会話をした。

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