よせあつめ ─詩集─

古部 鈴

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湖面

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湖面は冴えた月を映す
白々と遥か遠い光
手の届くことのない月が水面を見つめる

漆黒の闇の中
静寂の夜のひととき
静かに足を止め
うずくまり
そっと掌を水面に沈める

水の感触広がる波紋
届かない光へと向かう

そっと湖に映える月に
手を伸ばそうとするように
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