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終わらないゲーム
しおりを挟む正直、飽き飽きしていたんだ。
たまに来るヒロインという存在に。
オレはこのゲームという機構に組み込まれた歯車。ひたすらゲームの中でヒロインと出会い時を重ね――時には結ばれる。
ヒロインがオレを望めばそうなる。望まなければ、別の対象と結ばれるだけだ。特に何でもない。
ヒロインが誰かと結ばれ、めでたしめでたしで、ふっと意識は落ちて、気づけば初めに巻き戻っている。
また初めからだ。
初めから、金の髪の少女を微笑み迎える。
同じなのか違うのかわからない、だが同じ姿の少女を――。
これがオレが受けている罰。
いつ終わるのかさえわからない。終わりがあるのかさえわからない。ただ繰り返される物語。終わることのない繰言。
攻略対象者としてスペックは揃っている。自由はあるようでない。ヒロインを満足させて送り出さなければならない。
何度も何度も、ヒロインはやってきて満足してはここを去り、また新たなヒロインがやってきて初めからを繰り返して。
正直本当に飽き飽きしている。
死の間際の夢————
束の間の夢なのだ。
永遠に続く罰の重なり合い。そんな夢。
オレの罪。受けた罰。
いつ終わるのかも知らない、終わることがないかもしれない、ただ迎えては去るヒロインを送り出すだけ。
いつ終わるのだろうか? むしろ終わりがあるのだろうか?
いつまでも終わらないゲーム。微笑みという仮面を被りヒロインを見つめる。
終わらない、終わらないゲーム。罰はまだ足りないというように――
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