よせあつめ ─詩集─

古部 鈴

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終わらないゲーム

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 正直、飽き飽きしていたんだ。
 たまに来るヒロインという存在に。

 オレはこのゲームという機構に組み込まれた歯車。ひたすらゲームの中でヒロインと出会い時を重ね――時には結ばれる。
 ヒロインがオレを望めばそうなる。望まなければ、別の対象と結ばれるだけだ。特に何でもない。




 ヒロインが誰かと結ばれ、めでたしめでたしで、ふっと意識は落ちて、気づけば初めに巻き戻っている。

 また初めからだ。

 初めから、金の髪の少女を微笑み迎える。
 同じなのか違うのかわからない、だが同じ姿の少女を――。



 これがオレが受けている罰。

 いつ終わるのかさえわからない。終わりがあるのかさえわからない。ただ繰り返される物語。終わることのない繰言。


 攻略対象者としてスペックは揃っている。自由はあるようでない。ヒロインを満足させて送り出さなければならない。

 何度も何度も、ヒロインはやってきて満足してはここを去り、また新たなヒロインがやってきて初めからを繰り返して。

 正直本当に飽き飽きしている。




 死の間際の夢————

 束の間の夢なのだ。

 永遠に続く罰の重なり合い。そんな夢。



 オレの罪。受けた罰。

 いつ終わるのかも知らない、終わることがないかもしれない、ただ迎えては去るヒロインを送り出すだけ。


 いつ終わるのだろうか? むしろ終わりがあるのだろうか? 

 いつまでも終わらないゲーム。微笑みという仮面を被りヒロインを見つめる。

 終わらない、終わらないゲーム。罰はまだ足りないというように――
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