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王宮図書館(1)(サンジュリアン視点)

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「あったか?」
俺はヒューリスティに小さい声で問いかけた。

「ないですね。アルストロメリア帝国の魔法書を見てもないとなると…」

俺らは王宮図書館の隅の方で、目立たないように調べていた。
が、隅にいたことが災いし、誰かが来ても立って逃げることができなかった。

「何を調べてるんだ?」
声をかけてきたのは、第二王子、俺が仕えているレオンハルト殿下だった。

「殿下、どうしてこちらに?」

ちらっと俺たちの席に置かれている資料を見るや否や
「どうしてと言われても、私も調べ物があったからな。それに、お前たちがいるのに声をかけないのもおかしいだろ」

確かに俺たちはいつも一緒にいたのに今日に限っていないのだから気になったのだろう。

レオンハルトはさらに続けた。
「兄上にその紋様のことを調べていると気づかれるなよ?」

「え?」

俺は近づいてくるレオンハルトから見えないように隠していたつもりの魔法陣のことを言われ固まってしまった。

「それに、何故、前王妃の扉の紋様をお前たちが調べてるんだ?」

俺たちはさらに驚愕した。
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