死ぬ命

双葉紫明

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お出掛けだ 余計な物は 後回し

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 繰り返す。思い出す。いつからか、ずっとこうだった。やっぱり。落胆。それでも、安堵。
これで良い。もーいーよ。顔も見たくないんだ。オラあちこちの女たちに鼻の下伸ばしてケツを追う。せいせいしたぜ。きみもせいせいしたろう?もう嘘を吐かなくて良いんだ。which?不一致。最初から。毎日好きと言えときみ。言わないでもわかるでしょと僕。それは逆転した。20年。真ん中の10年くらいから。ふたりきりじゃなくなったら、僕は邪魔者だった。僕が嘘吐いちゃった。そう思って必死に耐えた。責め苦、嘲り。「幸せにする」僕は言った。嘘だと思ってた。ずっと。

 それでもきみは「不幸だと思った事はない」「幸せだった」と言い、今もきっと幸せだ。気付かなかった。生き甲斐となる子を4人も与えた。都合良く、味わって逃げるのを許した。僕ひとり、生き地獄を背負い込んで。

 きみが僕を避ける為に吐いた帳尻合わせのちいさな嘘。わかってるさ、性格なんだね。けれどもみんなのん気に暮らしてられる様に僕が傷を負うのはもうやめだ。くたびれた。酒を飲むなと言う当人が酔わせてくれない。僕はゲロでもブスでも酔いたいんだ。受け止め切れないくらいの愛に。それを持たないきみには相応しい相手が居るだろう。そして僕にだって、きっと。

逃げるな 探せ この夜の何処かに ひとりくらいは居る

 どこまで行っても変わらないよ。だって僕はきみよりギリギリだ。きみはけしてそれを認めない。体力も精神力も、僕のがキャパ大きくて、そいつがギリギリだと言っている。

 それには知らぬ顔で、わたしは忙しい。忙しく、ない。

 もう全然ダメだ。

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