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世界は二度、崩壊したのだ。

某 ※

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1で産まれて
2で栄えて
3で一回壊れて

4で変わって
5で物語
6でまた壊れるのかな

◇◆◇◆◇


―ピピピピピピ

目覚まし時計が鳴り響いた。

もう朝だ。

…もう朝か…

昨日は学校で体育祭の準備をしていたから、物凄く疲れたのだ。
もう少し寝させてくれてもいいのではないだろうか。

(なんて、無機物に言ったところでどうにもならないのはわかってはいることなのだが。)

ハァ…と、おれは溜め息を吐いた。

簡単な朝食ハムエッグトーストを作り食べ終えたあと、いつもの通り、新聞を読みながらブラックコーヒーを飲む。

あぁ、幸せだ。

まぁ、幸せが長く続く世界では無いんだがな。

―ガッシャアアアン!!!!!

…ほら、今日も建物が崩れる音がした。



―ピンポ-ン

コーヒーを飲み終えたあと、着替えをしていたときにインターホンが鳴った。

―ピンポーンピポピポピーンポーン

「喧しいわ己ェ!!誰じゃ!!」

玄関のドアを開け、連打ーホンしやがった奴と対面する。

「あ、失礼。私はこう言うものです。」

「あ、これはご丁寧にどうも…じゃないわい!久しぶりじゃのぅ、劉斗殿!」

「…キミいつからそんな爺臭くなったの?まだ若いくせに。」

「このキャラの方がいいってミドリに言われてのぉ」

「へぇ、リョクじゃなくミドリにかい?珍しいこともあるもんだね。でもまぁ、うん。確かに似合ってはいるね。キミの素はどこか胡散臭いし、見た目と年齢の割には爺臭いから、キミ。」

喧しいわ!

「…まぁそんなことは置いておいて、じゃ。ソレガシになんのようじゃ、不死鳥学園高等部の校長殿?」

「…わかって言ってるでしょ、キミ。迎えに来たんだよ、世にも珍しい転入生。」

「…わざわざ迎えに来なくともいいだろうに。」

「キミ、極度の方向音痴な自覚まだないの?」

「…すみません」

一年ほど前に普通に家に向かって歩いていた筈なのに知らない土地に出た時に、漸く気づけました。

「…はぁ、まあいいや。乗って、行くよ。」

「すまんのぉ」

「本当にね」

ぐはっ



「着いたよ」

「…随分とまぁ、でかい建物じゃのう…」

「"崩れさせる"訳にはいかないからね。」

「まぁ、確かにな。」

「…キミそのキャラ飽きてきたでしょ。」

「バレたか。」

「…ハァ。まぁあれだね。
―ようこそ、不死鳥学園高等部へ。
歓迎するよ、不知火 揺シラヌイ ユラリ

「こちらこそ、じゃ。"世界を壊した大罪人"花咲 劉斗校長先生?」

「…素の方が案外マシかもね、キミって。胡散臭さが隠れたかと思いきや、倍増しているじゃないか。…ああ、そうか。だから少し気に入ってたんだね、そのキャラ。」

「まぁな」

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