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7th
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(頭を撫でているの
誰だろう…
前にもあったよね?
あなたは……
その優しい手
…好きな
この温もり
……
何で?
やめちゃうの?
……行かないで
待って……)
まどろむ意識の中、一筋の光に手を伸ばす
「………っ…痛…ぁっ
何……頭クラクラ…する
……ここは……?
全身…痛くて…動かないっ……」
部屋を見回そうとするが、思う様に動かない
「どこだろ?
…私………」
ベッドに横になったまま、思考を巡らす
「そう言えば……
誰か居た気がしたのに
あれは…夢?」
深い溜息を漏らし、天井を見つめた
「………」
不意にドアが開き、音の方へと視線を移動させた
「良かったぁ」
安堵の声が聞こえたかと思うと、気付くと身体をギュッ抱き締められていた
「大丈夫?……今、先生呼ぶから待ってて、瑠花」
力を緩め、覗き込みこまれた
優しく微笑むと、枕元のナースコールを押す姿が目に入った
「気持ち悪いとか…ある?
痛いよな?
急に抱きついて…大丈夫だったか瑠花?」
申し訳無さそうに見つめる彼と、視線がぶつかった
「……っ…あ、あの……」
「あぁ…両親には連絡しておいたから留守電聞いたら、直ぐ来るよ
だから安心して」
「えっ?あ、あの?」
「ん?…ほら、前に自宅の番号教えて貰ったろ瑠花……どうした?」
瑠花の額におでこをくっ付ける
「熱は無いみたいだなぁ」
「あっ、あの、ヤメてください!」
蓮の胸板を押し退ける
「……ゴメン、ゴメン」
微笑みながら蓮が瑠花の頭をポンポンと撫でる
「あっ、あの…あなたは、、、誰ですか?」
瑠花が恐る恐る口を開く
蓮の動きが一瞬止まる
「瑠花?…何言って」
「るかって、、、私の事ですか?」
「瑠花…なんか、記憶喪失みたいな事言って…こんな時に冗談はヤメろよ」
ーーーーーー
「…記憶障害」
(お医者さんの話しによると、階段から落ちた時、頭を打ち付けたせいだって)
「個人差があるから、いつ治るかは分からないって…」
「…瑠花、無理に思い出そうとしないで、今は、傷を治すのに専念した方がいい」
ベッドの脇の丸椅子に座る蓮が声を掛ける
「……あの、あなたの名前…聞いていい?」
「あ、あぁ…俺は、高瀬 蓮
瑠花…君と同じ高校に通ってる」
「たかせ…れん…
…思い出せない……ゴメンなさい」
「いいって、そんな事は…無理に思い出そうとしなくても、そのうち急に思い出すって言ってただろ先生」
「で、でも…いつになるかは、分からないって…」
「気にするなって
…それより、何か飲む?
あぁ、身体起こせる?」
ペットボトルが入っているビニール袋を掲げた
「…うん……っ痛」
慌てて蓮が瑠花の身体を支えた
「無理しないで、ほら…」
「ありがと…」
ゆっくりと身体を起こた
「…あの……聞いてもいい?
私が眠っている時って、頭撫でてた?
それは何となく…覚えてるって言うか……」
「……ゴメン……嫌だった?」
「えっ?、、、違う
嫌じゃ無くて……あっ、あの…安心できたって言うか…ホッとしたって言うか…」
「…そっかぁ、なら良かったけど」
「あの、高瀬君…とはクラスメート?」
「あぁ…どう言う関係かって事ね
一言で言うと、恋人」
「恋人!?って…彼氏って事?…ウソ…」
「嘘?…覚えて無いのは分かってるけど
そうだなぁ~、瑠花の胸元に痕ついてる」
「胸元?痕?って…」
「俺のキスした痕…そこ以外にもあるけど、全部言おうか?」
「キス?!…あっ、あの…」
「昨日つけたばかりだから、くっきり残ってるはずだけど」
「………」
「嘘だと思うなら確認してみたら?瑠花」
「そっ、そんな……」
蓮の指先が、瑠花の頬に触れる
「確認するの手伝ってあげようか?」
「なっ、何言って……」
「それとも昨日どんな事したか…今、再現しようか?」
瑠花の顎を持ち上げる
「あっ、あの……高瀬…君!?」
「蓮、だろ?…名前で呼んで、簡単だろ」
「で、でも…」
「…呼ばないなら、このままキスするけど」
「…!?」
「プッ……冗談だよ
いくらなんでも、いつ誰が来るか分かんない所でキスしないよ
でもキスマークは本当だから、ココ」
瑠花の胸元をトントンと指差した
「……」
「あぁ、それにしても遅なぁ瑠花の両親」
蓮は両手を上げて伸びすると、窓際に歩いて外を覗いた
「………そっ、そうだね」
蓮の背中を見つめ、自分の胸元をチラリと覗くと、目を見開いた
(!!…キスマーク、これの事だよね?)
「…………」
「瑠花が嫌じゃ無かったら、君の両親が来るまで、居ていい?」
「えっ!?…あっ…うん」
(恋人?!…じゃなきゃ、あんな事…しないよね?)
「もしかして……疲れた?
ゴメン気づかなくて」
ベッドに横たわる瑠花に側に戻ると、額に手を置いた
「熱は出てないか
…でも、少し眠って休んだ方がいいね」
「…ぁ……っ……蓮…」
(いきなり名前…呼ぶの変?)
「……眠るまで、こうしているから、ね、瑠花」
優しく微笑むと額の手が、瑠花の頭を撫でる
(…やっぱり安心する……のは、やっぱり……そう言う事?
そうだよね?
じゃなきゃ、ああ言うのしないよね?うん…
でも本当かな?
思い出せないし
……信じられないよ
……ん?
この感じ、さっき見た夢?
……)
「あの……寝てる間に居なくならないよね?」
「急に不安になっちゃった?
…行かないよ瑠花、ここにいるよ」
「……あっ、うん…少し休む」
頷くと瑠花が目を閉じた
誰だろう…
前にもあったよね?
あなたは……
その優しい手
…好きな
この温もり
……
何で?
やめちゃうの?
……行かないで
待って……)
まどろむ意識の中、一筋の光に手を伸ばす
「………っ…痛…ぁっ
何……頭クラクラ…する
……ここは……?
全身…痛くて…動かないっ……」
部屋を見回そうとするが、思う様に動かない
「どこだろ?
…私………」
ベッドに横になったまま、思考を巡らす
「そう言えば……
誰か居た気がしたのに
あれは…夢?」
深い溜息を漏らし、天井を見つめた
「………」
不意にドアが開き、音の方へと視線を移動させた
「良かったぁ」
安堵の声が聞こえたかと思うと、気付くと身体をギュッ抱き締められていた
「大丈夫?……今、先生呼ぶから待ってて、瑠花」
力を緩め、覗き込みこまれた
優しく微笑むと、枕元のナースコールを押す姿が目に入った
「気持ち悪いとか…ある?
痛いよな?
急に抱きついて…大丈夫だったか瑠花?」
申し訳無さそうに見つめる彼と、視線がぶつかった
「……っ…あ、あの……」
「あぁ…両親には連絡しておいたから留守電聞いたら、直ぐ来るよ
だから安心して」
「えっ?あ、あの?」
「ん?…ほら、前に自宅の番号教えて貰ったろ瑠花……どうした?」
瑠花の額におでこをくっ付ける
「熱は無いみたいだなぁ」
「あっ、あの、ヤメてください!」
蓮の胸板を押し退ける
「……ゴメン、ゴメン」
微笑みながら蓮が瑠花の頭をポンポンと撫でる
「あっ、あの…あなたは、、、誰ですか?」
瑠花が恐る恐る口を開く
蓮の動きが一瞬止まる
「瑠花?…何言って」
「るかって、、、私の事ですか?」
「瑠花…なんか、記憶喪失みたいな事言って…こんな時に冗談はヤメろよ」
ーーーーーー
「…記憶障害」
(お医者さんの話しによると、階段から落ちた時、頭を打ち付けたせいだって)
「個人差があるから、いつ治るかは分からないって…」
「…瑠花、無理に思い出そうとしないで、今は、傷を治すのに専念した方がいい」
ベッドの脇の丸椅子に座る蓮が声を掛ける
「……あの、あなたの名前…聞いていい?」
「あ、あぁ…俺は、高瀬 蓮
瑠花…君と同じ高校に通ってる」
「たかせ…れん…
…思い出せない……ゴメンなさい」
「いいって、そんな事は…無理に思い出そうとしなくても、そのうち急に思い出すって言ってただろ先生」
「で、でも…いつになるかは、分からないって…」
「気にするなって
…それより、何か飲む?
あぁ、身体起こせる?」
ペットボトルが入っているビニール袋を掲げた
「…うん……っ痛」
慌てて蓮が瑠花の身体を支えた
「無理しないで、ほら…」
「ありがと…」
ゆっくりと身体を起こた
「…あの……聞いてもいい?
私が眠っている時って、頭撫でてた?
それは何となく…覚えてるって言うか……」
「……ゴメン……嫌だった?」
「えっ?、、、違う
嫌じゃ無くて……あっ、あの…安心できたって言うか…ホッとしたって言うか…」
「…そっかぁ、なら良かったけど」
「あの、高瀬君…とはクラスメート?」
「あぁ…どう言う関係かって事ね
一言で言うと、恋人」
「恋人!?って…彼氏って事?…ウソ…」
「嘘?…覚えて無いのは分かってるけど
そうだなぁ~、瑠花の胸元に痕ついてる」
「胸元?痕?って…」
「俺のキスした痕…そこ以外にもあるけど、全部言おうか?」
「キス?!…あっ、あの…」
「昨日つけたばかりだから、くっきり残ってるはずだけど」
「………」
「嘘だと思うなら確認してみたら?瑠花」
「そっ、そんな……」
蓮の指先が、瑠花の頬に触れる
「確認するの手伝ってあげようか?」
「なっ、何言って……」
「それとも昨日どんな事したか…今、再現しようか?」
瑠花の顎を持ち上げる
「あっ、あの……高瀬…君!?」
「蓮、だろ?…名前で呼んで、簡単だろ」
「で、でも…」
「…呼ばないなら、このままキスするけど」
「…!?」
「プッ……冗談だよ
いくらなんでも、いつ誰が来るか分かんない所でキスしないよ
でもキスマークは本当だから、ココ」
瑠花の胸元をトントンと指差した
「……」
「あぁ、それにしても遅なぁ瑠花の両親」
蓮は両手を上げて伸びすると、窓際に歩いて外を覗いた
「………そっ、そうだね」
蓮の背中を見つめ、自分の胸元をチラリと覗くと、目を見開いた
(!!…キスマーク、これの事だよね?)
「…………」
「瑠花が嫌じゃ無かったら、君の両親が来るまで、居ていい?」
「えっ!?…あっ…うん」
(恋人?!…じゃなきゃ、あんな事…しないよね?)
「もしかして……疲れた?
ゴメン気づかなくて」
ベッドに横たわる瑠花に側に戻ると、額に手を置いた
「熱は出てないか
…でも、少し眠って休んだ方がいいね」
「…ぁ……っ……蓮…」
(いきなり名前…呼ぶの変?)
「……眠るまで、こうしているから、ね、瑠花」
優しく微笑むと額の手が、瑠花の頭を撫でる
(…やっぱり安心する……のは、やっぱり……そう言う事?
そうだよね?
じゃなきゃ、ああ言うのしないよね?うん…
でも本当かな?
思い出せないし
……信じられないよ
……ん?
この感じ、さっき見た夢?
……)
「あの……寝てる間に居なくならないよね?」
「急に不安になっちゃった?
…行かないよ瑠花、ここにいるよ」
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