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メインストーリー

6.ゴブリンでレベリング

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「ふあぁー」

 大きなあくびとともに、勇者様は起きてくる。
 私は昨日の一件で一睡もできていないが、この勇者様の顔を見るだけでやる気が溢れてくる。

「皆さん、今日はゴブリンを狩っていきたいと思います」

「今さらゴブリンなんて俺たちの敵じゃね…」

「とうっ!」

 控えめの十八メートルです。
 騎士さんは私のいうこと、成すことすべて反対してくる。
 理由を聞いても、全く答えてくれないしなんなんでしょうか。

「騎士さぁぁーん! 今回のゴブリンの討伐、私より討伐数が少なかったら私を嫌う理由を教えてくれますか?」

 騎士さんは、学習して受け身を取っていたようだ。
 よし、次はもうちょっと飛ばしていいのか、じゃなくて騎士さんは大声で私に答えた。

「やってやろうじゃねーか!」

 あー、単純すぎて、純情すぎてつらいよ、これが成人前の曇りっけない子なのか。


 朝ご飯を済ませた私達はとりあえず、森まで移動した。

「制限時間は十五分、証明としてツノを一本採取すること、始め!」

 私はとりあえずそこらへんにいたゴブリンを片っ端から狩った。
 ざっと、ツノが50本集まった時、森のヌシ、ジャイアントグリズリーが現れた。
 このモンスターは、初心者でも勝てるタイプのモンスターです。
 前もご紹介したこの本、初心者でも簡単! 魔物の攻略法の第一章に載っている攻略法は、とにかく殴るです。

「混合魔法 風林火山」

 結果、消し炭になりました。
 この魔法は、風、植物、火、大地を合わせた魔法です。
 そんな風に遊んでいると、時間が来てしまいました。

「結果発表です!まずは勇者様」

「僕は23匹だったよ、勉強の成果が出たよ」

 勇者様にそう言ってもらえるとか、死んでもいい。
 まあ、目的成就するまで死ねませんが。

「続いて騎士さん」

「22匹だ」

 ぷっ、ざまあみろ、というストレートな感想を心の中に固く閉まった。

「続いて格闘家さん」

「よしっ、49匹だ」

 この人普通にすげえよ。
 確かに吸収早かったけどここまでとは思わなかったよ。

「私は50匹です。格闘家さん普通にすごくてびっくりしました」

 そして、この結果により私は、今逃げようとしている騎士さんを。

「とうっ!」

 とりあえず、三十メートル吹っ飛ばしました。

「さあ吐いてもらいましょうか!」

 これで、彼には逃げ場がない、どんなににげようと逃がさないけど。

 騎士さんももう逃げる気はさすがにないようだった。

「…て…ん……よ」

「え?」

 声が震えていた。
 全く聞き取れなくて逆にびっくりした。

「似てんだよ! 昔魔物に殺された妹にな!」

 成る程、だから私を毛嫌いするのか。
 わかる気がしますね、確かに私もお父さんを殺された後、自分の顔を鏡で見られない、なんてことがありましたからね。

「なるほど」

 安心せい、峰打ちをかまして私は彼を連れ帰った。
 このままの彼では、何をしでかすかわからないという判断である。

 格闘家さんも、特別メニューを今日は作ってくれたようだ。
 励ましと慰めを込めて、なんだと思う。
 騎士さんは、ご機嫌斜めだったが料理はすべて食べきった。

「皆さん、おやすみなさい」

 今日がまた終わる。
 最近私は思う、悪い魔物という表現はよく使われるが、逆の考えをすれば雑魚モンスターを狩る人間も魔物から見れば悪い人間なのではないだろうかと。
 人と魔物の共存を望んでも溝が深すぎるのではないのかと。

 
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