天使の涙

八千真冬夜

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一樹の話

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 席に座るように促しても子供や年配者に譲る。

 優しい子。

 目的の場所に着くみたいだ。

 彼女もドアの方を向いた。

 電車を降りてホームから改札へ。

 人が多い中を上手く縫うように歩く。

 図体の大きい僕はよく置いていかれたっけ。

 ようやく彼女を追いついた。

 花屋さんの前で座り込んでいる。

 店員さんに話しかけられゆっくりと頷いた。

 僕の大好きだったひまわり。


「…………」
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