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相談
しおりを挟むハムスターが話すわけがない、疲れて幻聴を聞いたのかと、ぼんやり思った。
「ハムスターに生まれ変わる前、俺は人間だった」バムはつぶらな黒い瞳で僕をじっと見つめて言った。
「は、はぁ?」
ああ、僕は転生物の漫画の読みすぎで頭がいかれたんだ。それか、きっと夢を見ているんだ。
「おい、何ぼーっつとしてるんだよ! 輪廻転生ってやつだよ。バグって人間の記憶が残ったまま生まれ変わっちまたんだよ」
夢の中なら、動物と話すものありだ。
「そういうことってあるんだね。初耳だよ」
「まあ、びっくりするだろうな。まあ、これからもよろしくな」バムのしゃべり方は年上感があり、偉そうな態度がオジサンっぽい。
「僕こそ、よろしく」丁寧にお辞儀した。
「で、母さんの容態はどうなんだ?」
「軽い脳梗塞だから、死ぬことはないだろうって、医者は言ってたけど」
「脳梗塞か。もう無理な働きかたはできないだろうな。母子家庭なのに、ますますきつくなるなぁ」
「もっと貧乏になるかもね。うーん、どうしよう」
僕は人ごとのように考えた。
バムの瞳がきらりと輝き、二本足で立ちあがる。
「俺にいい考えがある! うまくいけば生活費ぐらいは稼げるかもよ」ぴょんぴょんジャンプして興奮した声で叫んだ。
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