【完結】それでも猫耳令嬢は生きていく。

(24)

「見て、グスタフ。私は...私はもう大丈夫！」

とフィーネは感動の涙を流した。

グスタフは彼女を抱きしめ、

「フィーネ、きみが人間として戻ってきてくれて、本当に嬉しい」

と喜びを分かち合った。



しかし、その喜びも束の間、国王軍からの伝令があり、「獣人領」で暴動が起きているとの連絡が入った。

緊急の伝令を受け取り、フィーネはワクチンを携えて、グスタフの馬に跨がり、風を切って「獣人領」へと急いだ。

馬は疾風のごとく駆け抜け、フィーネとグスタフは緊張感に包まれながらも、決意を胸に進んでいった。

道中、フィーネはグスタフの背中にしっかりとしがみつき、彼の温かさを感じながら、心の中で祈り続けた。

「どうか、間に合いますように…」

と、フィーネは心の中でつぶやいた。

やがて、獣人領の入り口が見えてきた。

そこは国王軍によって厳重に取り囲まれていた。

グスタフは馬から降り、フィリップ王子に向かって堂々と言った。

「ここは我が領内です。暴動を収めるまで、どうか手出しをしないでください」

フィリップ王子は厳しい表情でグスタフを見つめ、

「領主殿、あなたの言葉を信じよう。しかし、暴動が収まらなければ、我々も動かざるおえない」

と応じた。フィーネはグスタフの手を握り、

「私たちで何とかしなくてはいけないわ」

と力強く言った。