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20 最終回
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神父の発言に、聖堂内はざわめいた。
「……どういうことだ」
「結婚できない?」
来賓者たちは顔を見合わせた。
「神父様、それはどういうことだ」
最前列の国王が、立ち上がり、神父に問いただす。
「王様。フレデリック様は、すでに、神の名の元で結婚をしておられます。この、木製の指輪をお持ちの方が、そのお相手です」
と、新郎の左手を向けるように促した。
フレデリックの指先には、確かに手作りの指輪があり、教会内がさらにざわめく中で、一人の少女が、掌を突き上げて、立ちあがった。
「神の下では、人の力も及ばぬ聖域です。それは、たとえ王様であっても、覆せないものです。さあ、ご令嬢、こちらへ来なさい」
元大司教に促され、アンナは宴席中央の赤絨毯をまっすぐ、祭壇まで向かい、唖然としているミーシャと入れ替わって、新郎と向き合った。
あの山里の小さな教会の神父が、都の教会の元大司教だったなんて。信じられない。
アンナは、穏やかな神父に見守られながら、笑顔のままポロポロと涙をこぼしていた。
「泣かないで……アンナ」
フレデリックも笑顔で彼女の頬の涙を拭いながら、目の端に薄く涙が溢れ出ていた。
「愛してるわ」
「分かってる」
キスをして、ふたりは、いつまでも抱き合っていた。
「……どういうことだ」
「結婚できない?」
来賓者たちは顔を見合わせた。
「神父様、それはどういうことだ」
最前列の国王が、立ち上がり、神父に問いただす。
「王様。フレデリック様は、すでに、神の名の元で結婚をしておられます。この、木製の指輪をお持ちの方が、そのお相手です」
と、新郎の左手を向けるように促した。
フレデリックの指先には、確かに手作りの指輪があり、教会内がさらにざわめく中で、一人の少女が、掌を突き上げて、立ちあがった。
「神の下では、人の力も及ばぬ聖域です。それは、たとえ王様であっても、覆せないものです。さあ、ご令嬢、こちらへ来なさい」
元大司教に促され、アンナは宴席中央の赤絨毯をまっすぐ、祭壇まで向かい、唖然としているミーシャと入れ替わって、新郎と向き合った。
あの山里の小さな教会の神父が、都の教会の元大司教だったなんて。信じられない。
アンナは、穏やかな神父に見守られながら、笑顔のままポロポロと涙をこぼしていた。
「泣かないで……アンナ」
フレデリックも笑顔で彼女の頬の涙を拭いながら、目の端に薄く涙が溢れ出ていた。
「愛してるわ」
「分かってる」
キスをして、ふたりは、いつまでも抱き合っていた。
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