【完結】６人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

(6)

　その時、エリーナと公爵の会話を聞いていたザネリが歩み寄ってきました。

「エリーナ様、どうぞ公爵様のお誘いを受けてください」

　ザネリはエリーナに言いました。

「でも、ザネリ……私は……大丈夫かな？　私が公爵様と一緒に行っても」

「もちろんです。お帰りが遅くなることは伯爵様に、私からお伝えしておきますから」

　ザネリは言いました。

「ザネリ……ありがとう……」

　エリーナから笑みがこぼれました。

「私……やってみる」

　エリーナはヴィクトールの方を向きました。

「公爵様……私……一緒に行きます……」

　ヴィクトールは晴れやかな笑顔を浮かべました。

　エリーナを連れて、劇場前に停まっていた馬車に乗せました。

　馬車は豪華で快適で、窓からは都の景色が見えました。馬車には美味しい料理や飲み物も用意されていました。

　馬車夫と護衛が乗っており、馬車には4頭の馬が引いていました。

　馬車はベルンシュタイン公爵の邸宅に到着しました。

　邸宅は、都市の中心部にある広大な敷地に建てられた豪華な建物でした。邸宅は白い大理石でできており、高い柱やアーチ、バルコニーなどが美しい装飾を見せていました。

　邸宅の正面には、大きな噴水があり、水しぶきが虹色に輝いていました。邸宅の周りには、色とりどりの花や木々が植えられた庭園が広がっており、小さな池や橋、ベンチなどが点在していました。

　邸宅の中は、さらに豪華で華麗でした。床や壁や天井は、金や銀や真珠などの貴金属や宝石で飾られており、光を反射してキラキラと輝いていました。

　絵画や彫刻や陶器などの芸術品が所狭しと並べられており、高級な家具やカーテンや絨毯などが調和していました。

　邸宅には、多くの部屋がありました。客間や寝室や書斎や図書館などのほかに、劇場や美術館や音楽室などの文化施設もありました。

　ヴィクトールにエスコートされて、エリーナは馬車から降りて、邸宅のエントランスに向かいました。

　エントランスは大きく開かれており、中から明るい光が差し込んでいました。両側には、一列に使用人たちが並んでいました。彼らは到着を待っていたのです。

　エントランスに入った途端、使用人たちは一斉に一礼して出迎えてくれました。

「お帰りなさいませ、公爵様。そしてお嬢様、ようこそいらっしゃいました」