【完結】６人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

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　エリーナ様は16歳になりました。

　彼女は茶髪のロングヘアで、肌は白くて頬にはほんのりと赤みがさします。身長は平均より少し低く、痩せていました。

　伯爵家の娘として、上品で清楚なドレスで、淡いピンク色で、レースやリボンで飾られています。

　けれど、ずっとダメ出しを言われ続け、自分に自信がなくて、猫背になってしまいました。まだ両親からも兄姉から構ってもらえず、容姿も才能もほかの兄姉と比べると特別なところがないと言われ続けていました。

　たしかに兄姉はみな、何かしら目立つところがありました。

　長男のアルベルトは、優秀な外交官として国王近くに仕えていましたし、　長女のクララは、美しい絵画を描く才能に恵まれていました。

　次男のエドワードは、勇敢な騎士として名声を得ていて、次女のフローラは、華麗な舞踊を披露することができました。

　三男のグレゴリーは、天才的な発明家として知られていました。

　彼らはみな、両親から誇りに思われていました。

　しかし、エリーナにはそんな才能はなく　両親から期待されることもなく、兄姉から仲間に入れられることもなくて、広い屋敷の片隅に暮らしていました。

　エリーナは、２週間後に両親が主催するパーティーのことを知りましたが、誘いの話はありませんでした。

　彼女はパーティーに参加したいと思っていましたが、自分にはその資格がないと感じていました。

　すると、エリーナの専属のメイドであるザネリがパーティーに参加するように勧めました。

「エリーナ様、パーティーに参加されませんか？」

　ザネリは優しく言いました。

「出会いのチャンスがあるのです。ダンスが苦手でしたら、フローラお姉様に指導していただけば」

「でも、フローラ姉様は私を嫌っているし…」

　エリーナは伏し目がちに言いました。

「私にダンスを教えてくれるはずがないわよ」

「そんなことはありませんよ」

　ザネリは言いました。

「一度お願いしてみたらいかがです？」

　エリーナはザネリの言葉に少し勇気づけられました。