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 アナリスが、第一王子、第二王子殿下も凛々しくて素敵だし……などと考えながら、ラファエルに目を向けると、彼の美しい瞳がこちらを見つめ返してきた。

 アナリスは思わずドキッとした。

「どうかした?」

 ラファエルが尋ねてくる。

「いえ……何でもないです……」

 アナリスは首を振った。

 ラファエルは優しく微笑むと、再び歩き出した。

 アナリスの心臓は再び高鳴る。

 なんだか落ち着かない気分だったが、同時にとても心地よい気持ちだった。

(ああ……本当にこれからどうなるのかしら……?)
 
 すると目の前に、三階建ての円形状の建物が見えてきた。

 装飾は煌びやかなシャンデリアと黄金色に輝く彫刻、壁にはステンドグラスがあしらわれていて、見る者全てを魅了する美しさがある。

「わあ……すごい建物……」

 アナリスは思わず感嘆の声を漏らした。

「ふふ、そうだろう? ここは王国図書館だからね」

 ラファエル王太子殿下は得意そうに言った。

 彼はアナリスの反応を見て満足そうな表情を浮かべると、入り口に向かって歩き出した。

 アナリスも慌てて彼の後を追いかける。

 入り口では一人の司書長が出迎えてくれた。

「お待ちしておりました、ラファエル殿下」

 司書長はそう言うと、恭しくお辞儀をした。

 それから、アナリスの方に視線を向けてくると、優しく微笑みかけてくれる。

「はじめまして、メイリーン嬢。私は図書館の司書長を務めております、ギルフォードと申します」

 司書長はそう言うと、優雅な動作で一礼した。

 彼の動き一つ一つに気品があり、まるで王宮のダンスパーティに招待されたかのような錯覚を覚える。

「はじめまして、ギルフォード様」

 アナリスも丁寧に挨拶を返すと、お辞儀をした。

「どうぞこちらへ……」

 司書長に促されて、ラファエル王太子殿下は図書館の中に入っていった。

 アナリスもその後に続く。

 中に入ってみると、そこは吹き抜けになっており、高い天井からは豪華なシャンデリアが吊り下げられていた。

 壁沿いには大きな本棚が並び、隙間なく本が並べられている。 

 その一つ一つには本がぎっしりと詰まっており、今にも溢れそうだ。

(うわあ……すごいわ……)
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