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(嘘ね……きっと何か理由があるんだわ……)

そう思ったもののそれ以上追及することはできなかった。

そして馬車は街の聖堂に到着したのである。

「ここで式を挙げないか?僕と君の……」

突然そんなことを言い出した彼にフェリネットは驚いたが、同時に嬉しさが込み上げてきた。

(ああ……ついにこの時が来たんだわ)

そう思うと涙が溢れてきた。

「でも……わたし、あなたにふさわしくないと思う……だって、お姉さまのように女神じゃないし……胸も小さいから……」

フェリネットの言葉にマルクルは首を横に振った。

「そんなこと関係ないよ。僕は君を愛しているんだ」

その言葉を聞いた瞬間、涙が溢れ出てきた。

そして彼に抱きつくとその胸に顔を埋めた。

(ああ……幸せだわ)

そう思った時、フェリネットは慌てて首を振ると言った。

「やっぱりだめ……あなたはわたしでなく、姉を重ねているだけ……」

(そう……わたしたちは一緒になっちゃダメなんだ……)

「僕は君を一番大事に思っているよ!」

マルクルはそう言うとフェリネットを強く抱きしめた。

その瞬間、彼女は幸せを感じた。

だが、それと同時に胸が締め付けられるような感覚に襲われたのである。

(だめ……これ以上この人に愛されたら……本当に離れられなくなってしまうわ……)

そう思ったフェリネットは彼から離れようとした。

しかし彼は離そうとはしなかった。

そしてそのまま唇を重ねてきた。

(ああ……キスしちゃった……)

そう思った瞬間、フェリネットの中で何かが弾けたような気がした。

そして彼の首に腕を回すと自分から舌を絡めていった。

彼もそれに応えるように激しく求めてきた。

お互いの唾液を交換し合い、舌を絡め合う濃厚なキスだった。

しばらくしてから唇を離すと唾液の糸を引いたまま見つめ合っていた。

「マルクル様……やっぱり、わたし、あなたの事が好き」

フェリネットはそう言うと再び口づけをした。

今度は彼から求めてくることはなかったが、彼女のしたいようにさせてくれた。

フェリネットは彼の首に手を回すと、そのまま自分から積極的に求めた。

(ああ……幸せだわ)

こうして二人は再び結ばれた。
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