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 セーリーヌが答えると、殿下は黙ってこちらを見つめていた。

 その表情からは何を考えているのか読み取れない。

 不安に思いながら見つめていると、彼は突然手を伸ばしてきた。

 そして、そのまま抱き寄せるようにして唇を重ねてくる──

 驚いたセーリーヌだったが、拒むことはできなかった。

 彼の舌が唇を割って入ってくる──

 それを受け入れることはできないわ──

(あ……)

 口付けられているうちに頭がボーッとしてくる──

「おやめくださいませ……殿下にはエリザベータ様が……」

「黙れ」

 彼は再び強引に口づけをしてくる。

 そして、そのまま押し倒そうとしてきたため、セーリーヌは慌てて抵抗した。

 だが、彼の力には敵わない。結局、押し倒されてしまった──

 やがて彼の手が胸元へと伸びてくる。

 衣服を脱がされそうになったところで我に返ったセーリーヌは慌てて制止しようとするが、それより先に彼の手が動く方が早かった。

「やめてくださいませ……!」

 必死の思いで訴えるが、彼は聞く耳を持たなかった。

 セーリーヌの胸を揉みしだき始める。

 嫌なはずなのに身体が反応してしまった──

 恥ずかしさのあまり顔を背けるが、そんなことはお構いなしとばかりに執拗に責め立ててくる。

 やがて彼の手が下半身へと伸びていき、下着の中に滑り込んできたところでさすがに我慢できなくなって、彼女は叫んだ。

「いい加減にしてくださいませ!」
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