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第56話 その後の世界へ その1
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ゼムドは、六人の魔族たちが待っているアジトの場所へ向かっていた。
空を飛びながら考える。
そういえば、数日前にキエティとホテルで長話をしたが、最後にキエティは何故か大声を上げて、地面にへばりついていた。
ただ、観察した感じでは何か外傷があったわけではない。
放っておいてもいいだろう。
あの女は喜怒哀楽が大きい。
ちょっと何かあると、怒ったり笑ったりする。
自分にとって、そのような感情は戦闘においては邪魔になるので必要ないと思っているが、まぁ、あれが人族の良さなのだろう。
そんなことよりも六人をどうするかが問題だ。
今後自分は、龍種の住まう場所へ向かう必要がある。
ファルデザートにあの場で自ら龍の地へ赴く、と告げたが、その前にあの六人を何とかしなければいけない。
そんなことを考えつつ、六人のいる場所へ向かっていく。
六人がいる場所が見えてくる。
気配を辿って飛んでみたが、いつもアジトがある場所に六人はいたが、アジトの〝建物〟が無くなっていた。
六人は円を囲むようにして座っており、六人の円の中央には何か石が積まれていた。
着地してから、六人に話しかける?
「建物を壊したのか?」
これに、アザドムドが即答した。
「おめーのせいで壊れたんだよ」
意味が分からない。
ケリドが説明し始める。
「闘神様が魔力を放出した際に、建物の中に六人ともいたのですが、魔力放出に合わせてそちらへ急行したために、私たちの魔力で建物を壊してしまいました。申し訳ありません」
ケリドは話し終えて頭を下げた。
「……別にいい」
ゼムドは、そう返事をして、それより気になっていることを尋ねる。
「お前たちが囲んでいるその石はなんだ? アザドムドは食べているようだが、旨いのか?」
「これはアザドムドさんが拾ってきた毒の魔石になります。私とミホさんとガルドロストさんは好きではないのですが、他の三人は好んで時々食べているようです。闘神様も一つどうですか?」
そう言ってケリドが魔石をピッと、指で弾いて放り投げてくる。
魔石を弾いた速度は時速二〇〇キロを超えているだろう。
ゼムドはそれを指二本でキャッチして、食べてみることにする。
「旨くないな。何がいいんだ?」
「けっ、おめーにはそれの良さも分からねーのか。お前も堕ちたもんだな」
アザドムドは機嫌が悪そうだ。
そういえば、こいつはキエティに少し似ている気もする。
怒りっぽい。
「お前たちに話がある。よく聞いて欲しい」
そう言って、全員の注意をこちらに向ける。
アザドムドだけはこちらを見ずに、毒の魔石を口に放り込んでいる。
「お前たちにも人族の文化を学んでもらいたい。ただ、お前たちが人族の街へ近づけば、人が死ぬ。人を殺さないような訓練をしばらくしてもらいたい」
「私はゼムド様がそうしろと仰るならその通りにしますよ」
エスカがそう言う。エスカの意見を聞いたケリドが話し出す。
「私も構いません。むしろ、闘神様が人族に興味を持たれたというのがとても興味深いので、是非とも自ら、人族の街を訪れてみたいと思っていました」
「拙者も同様でござる。ゼムド殿があれほど魔力を放出して、人を守ったことに興味が湧いたでござる。是非出かけてみたい」
ケリドとワダマルは興味ありそうだ。
「私は興味ないわー。なんか強いのがいるなら行ってもいいけど、興味ないわー」
「俺も興味ねぇ。弱い奴は嫌いだ」
ミホとアザドムドは人族に興味がないらしい。
ガルドロストに聞く。
「おまえはどうだガルドロスト、人族に興味はあるか?」
ガシャンガシャンと頷いている。人族に興味があるらしい。
「ケリド、お前はこの六人の中では一番問題を起こさないだろう。おまえは今すぐ連れていきたいが、その前にやってもらいたいことがある。
残りの五人が人族の国へ行って、問題を起こさないように教育してほしい。おまえは獣族に定期的に会いに行っているだろう? それができるようなレベルにこの五人を教育してほしい」
「分かりました。私が人族に連れて行っても問題ないような魔力レベルを五人にお教え致します」
それでは、二人を説得するか、と思う。
「ミホ、お前の言う通り強い奴は確かにいない。しかし、人の文化には多様性がある。俺も当初何も興味がなかったが、それでも今は人の国へ行って良かったと思っている。
お前は強い奴にしか興味がないようだが、もしかするとそれより面白いことが人の国にあるかもしれない。一緒に来る気はないか?」
「う~ん、そんなことよりゼムド今闘ってよ。なんかこの前のゼムド見てたら、なんとなく闘いたくなってきたんだけど」
ミホはやはり興味が無いか、そう思う。
アザドムドはこちらを見ずに、また、毒の魔石を口へ放り込んでいる。
〝仕方ない。少し手荒な真似をしてみるか〟
次の瞬間だった。
座っていたミホに一気に重力の魔法を掛けた。
ミホの首を折るつもりで重力を掛けると、一瞬ミホの目から光が無くなり気絶したように見えた。
が、次の瞬間、ミホの瞳孔が開いたまま赤くなりこちらを見返してくる。
かなり強い重力を掛けているが、今の一瞬で首を折ることができなかった。
ミホに重力魔法を掛けた瞬間に、残りの五人は一気に魔力を放出して、今まで座っていた場所からから距離を取っている。
残り五人も完全に戦闘態勢だ。
ミホは力が強い。何の種族か分からないが、下手に近づくと手に負えない。
距離を取って、重力を掛けていく。耐えているようだが、ミホの皮膚が変色し始める。
毛細血管が破裂しているのだろう。力をさらに加えると、口からも血が流れてきた。
この段階で、さらに強く首に向かって重力を掛け、そのままミホの首をへし折った。
この時、動いた者が一人いた。
ワダマルだった。
瞬間的にゼムドの懐に入って鞘からの一線を放ってきた。
ゼムドは重力を使った移動で、一気にワダマルの真後ろへ移動する。
そしてワダマルの首を右手で締め上げ、左手をワダマルの口の中へ突っ込む。
同時にワダマルの咥内で指先に力を入れて、そこから重力魔法を送り込む。
簡単にワダマルの首は折れた。
そして、次の瞬間、ワダマルを遠くへ蹴り飛ばす。
ミホにも近づいて、同じようにミホも遠くへ蹴り飛ばした。
残り〝4〟
体と右拳に重力魔法を纏い、ケリドの近くへ瞬間移動する。
そしてケリドの治りきっていない右腕、骨が見えているところめがけて強めに殴り飛ばす。
ケリドの目から光が消える。
この感触なら脊髄と首の骨まで折れたはずだ。
残りは〝3〟
エスカのところへ重力魔法で高速で移動する。
顔を殴って地面に叩きつける。
鼻が折れ、歯も折れていく。
ただ、エスカは笑っていた。
そして、こちらへ目を潰そうと手を槍にして、突いてきた。
サッと避け、重力魔法で首を折る。
そして、思いっきり腹を蹴って、また遠くへ飛ばす。
残りは〝2〟
ガルドロストは硬い。
あの鎧は魔力で編んだものだが、俺の今の魔力放出で壊せるようなものではない。
ただ、あの鎧には隙間がある。
そこから魔力を通して、中に重力魔法を一気に掛けていく。
ボキ、ボキ、と二回音がした。
腕と足それぞれ二本を折った。
中の人物は見たことが無いが、ガルドロストの内部は比較的脆い。
だから鎧の能力にしたのだろう。ただ、外部から魔力を流し込まれて中で魔法を使われると弱い。
簡単に重力魔法で首が折れる。
そして、重力魔法で他の五人と同じように遠くへ飛ばす。
残りは〝1〟
アザドムドが魔力を限界まで高めている。
龍族に会った時に見せた魔力量だ。
凄いと思う。
これほどアザドムドが化けるとは思わなかった。
ただ――〝まだ足りない、もっと強くなれ〟――そう思う。
瞬間的にアザドムド横へ重力魔法を使いながら移動し、目を潰そうとする。
が、アザドムドはギリギリでかわして、こちらを殴ってきた。
ワダマルでの動きを見て、学習したか――。
殴ってきた腕を掴んで、人の地で見た柔道の技を利用して腕を折った。
一瞬動きが止まったアザドムドをワダマルと同じように、重力魔法で首を折って、遠くへアザドムドを蹴り飛ばした。
その場に残ったのはゼムドだけだ。
〝さて、龍族に会いに行くか〟
そう思って、その場から飛び去った。
*********************************
作者からになります。
本当はこの話は最初に書いたものと違う部分があります。ややグロを含むかと思って、上の文章では若干、表現を柔らかくしました。
下記に元の文章を置いておきます。
注:ややグロを含みます。嫌な人は見ないでください。
この時、動いた者が一人いた。
ワダマルだった。
瞬間的にゼムドの懐に入って鞘からの一線を放ってきた。
ゼムドは重力を使った移動で、一気にワダマルの真横へ移動する。
そして人差し指と中指をワダマルの目に突っ込んで、眼球を二つ破壊した。
同時にワダマルの眼球内で指先に力を入れて、そこから重力魔法を送り込む。
簡単にワダマルの首は折れた。
そして、次の瞬間、ワダマルを遠くへ蹴り飛ばす。
ミホにも近づいて、同じようにミホも遠くへ蹴り飛ばした。
残り4。
体と右拳に重力魔法を纏い、ケリドの近くへ瞬間移動する。
そしてケリドの治りきっていない右腕、骨が見えているところめがけて強めに殴り飛ばす。
ケリドの目から光が消える。
この感触なら脊髄と首の骨まで折れたはずだ。
残りは3。
エスカのところへ重力魔法で高速で移動する。
顔を殴って地面に叩きつける。
数回顔を殴ると鼻が折れ、歯も折れていく。
ただ、エスカは笑っていた。
そして、こちらへ目を潰そうと手を槍にして、突いてきた。
サッと避け、重力魔法で首を折る。
女性だからか、眼球を潰さなくても簡単に首は折れた
そして、子宮が破裂するように腹を思いっきり蹴って、また遠くへ飛ばす。
残りは2。
ガルドロストは硬い。
あの鎧は魔力で編んだものだが、俺の今の魔力放出で壊せるようなものではない。
ただ、あの鎧には隙間がある。
そこから魔力を通して、中に重力魔法を一気に掛けていく。
ボキ、ボキ、と二回音がした。
腕と足それぞれ二本を折った。
中の人物は見たことが無いが、ガルドロストの内部は比較的脆い。
だから鎧の能力にしたのだろう。ただ、外部から魔力を流し込まれて中で魔法を使われると弱い。
簡単に重力魔法で首が折れる。
そして、重力魔法で他の5人と同じように遠くへ飛ばす。
残りは1。
アザドムドが魔力を限界まで高めている。
龍族に会った時に見せた魔力量だ。
凄いと思う。
これほどアザドムドが化けるとは思わなかった。
ただ――〝まだ足りない、もっと強くなれ〟――そう思う。
瞬間的にアザドムド横へ重力魔法を使いながら移動し、目を潰そうとする。
が、アザドムドはギリギリでかわして、こちらを殴ってきた。
ワダマルでの動きを見て、学習したか――。
殴ってきた腕を掴んで、人の地で見た柔道の技を利用して腕を折った。
骨が飛び出る。
一瞬動きが止まったアザドムドの目をワダマルにやったようにして潰し、重力魔法で首を折って、遠くへアザドムドを蹴り飛ばした。
その場に残ったのはゼムドだけだ。
〝さて、龍族に会いに行くか〟
そう思って、その場から飛び去った。
空を飛びながら考える。
そういえば、数日前にキエティとホテルで長話をしたが、最後にキエティは何故か大声を上げて、地面にへばりついていた。
ただ、観察した感じでは何か外傷があったわけではない。
放っておいてもいいだろう。
あの女は喜怒哀楽が大きい。
ちょっと何かあると、怒ったり笑ったりする。
自分にとって、そのような感情は戦闘においては邪魔になるので必要ないと思っているが、まぁ、あれが人族の良さなのだろう。
そんなことよりも六人をどうするかが問題だ。
今後自分は、龍種の住まう場所へ向かう必要がある。
ファルデザートにあの場で自ら龍の地へ赴く、と告げたが、その前にあの六人を何とかしなければいけない。
そんなことを考えつつ、六人のいる場所へ向かっていく。
六人がいる場所が見えてくる。
気配を辿って飛んでみたが、いつもアジトがある場所に六人はいたが、アジトの〝建物〟が無くなっていた。
六人は円を囲むようにして座っており、六人の円の中央には何か石が積まれていた。
着地してから、六人に話しかける?
「建物を壊したのか?」
これに、アザドムドが即答した。
「おめーのせいで壊れたんだよ」
意味が分からない。
ケリドが説明し始める。
「闘神様が魔力を放出した際に、建物の中に六人ともいたのですが、魔力放出に合わせてそちらへ急行したために、私たちの魔力で建物を壊してしまいました。申し訳ありません」
ケリドは話し終えて頭を下げた。
「……別にいい」
ゼムドは、そう返事をして、それより気になっていることを尋ねる。
「お前たちが囲んでいるその石はなんだ? アザドムドは食べているようだが、旨いのか?」
「これはアザドムドさんが拾ってきた毒の魔石になります。私とミホさんとガルドロストさんは好きではないのですが、他の三人は好んで時々食べているようです。闘神様も一つどうですか?」
そう言ってケリドが魔石をピッと、指で弾いて放り投げてくる。
魔石を弾いた速度は時速二〇〇キロを超えているだろう。
ゼムドはそれを指二本でキャッチして、食べてみることにする。
「旨くないな。何がいいんだ?」
「けっ、おめーにはそれの良さも分からねーのか。お前も堕ちたもんだな」
アザドムドは機嫌が悪そうだ。
そういえば、こいつはキエティに少し似ている気もする。
怒りっぽい。
「お前たちに話がある。よく聞いて欲しい」
そう言って、全員の注意をこちらに向ける。
アザドムドだけはこちらを見ずに、毒の魔石を口に放り込んでいる。
「お前たちにも人族の文化を学んでもらいたい。ただ、お前たちが人族の街へ近づけば、人が死ぬ。人を殺さないような訓練をしばらくしてもらいたい」
「私はゼムド様がそうしろと仰るならその通りにしますよ」
エスカがそう言う。エスカの意見を聞いたケリドが話し出す。
「私も構いません。むしろ、闘神様が人族に興味を持たれたというのがとても興味深いので、是非とも自ら、人族の街を訪れてみたいと思っていました」
「拙者も同様でござる。ゼムド殿があれほど魔力を放出して、人を守ったことに興味が湧いたでござる。是非出かけてみたい」
ケリドとワダマルは興味ありそうだ。
「私は興味ないわー。なんか強いのがいるなら行ってもいいけど、興味ないわー」
「俺も興味ねぇ。弱い奴は嫌いだ」
ミホとアザドムドは人族に興味がないらしい。
ガルドロストに聞く。
「おまえはどうだガルドロスト、人族に興味はあるか?」
ガシャンガシャンと頷いている。人族に興味があるらしい。
「ケリド、お前はこの六人の中では一番問題を起こさないだろう。おまえは今すぐ連れていきたいが、その前にやってもらいたいことがある。
残りの五人が人族の国へ行って、問題を起こさないように教育してほしい。おまえは獣族に定期的に会いに行っているだろう? それができるようなレベルにこの五人を教育してほしい」
「分かりました。私が人族に連れて行っても問題ないような魔力レベルを五人にお教え致します」
それでは、二人を説得するか、と思う。
「ミホ、お前の言う通り強い奴は確かにいない。しかし、人の文化には多様性がある。俺も当初何も興味がなかったが、それでも今は人の国へ行って良かったと思っている。
お前は強い奴にしか興味がないようだが、もしかするとそれより面白いことが人の国にあるかもしれない。一緒に来る気はないか?」
「う~ん、そんなことよりゼムド今闘ってよ。なんかこの前のゼムド見てたら、なんとなく闘いたくなってきたんだけど」
ミホはやはり興味が無いか、そう思う。
アザドムドはこちらを見ずに、また、毒の魔石を口へ放り込んでいる。
〝仕方ない。少し手荒な真似をしてみるか〟
次の瞬間だった。
座っていたミホに一気に重力の魔法を掛けた。
ミホの首を折るつもりで重力を掛けると、一瞬ミホの目から光が無くなり気絶したように見えた。
が、次の瞬間、ミホの瞳孔が開いたまま赤くなりこちらを見返してくる。
かなり強い重力を掛けているが、今の一瞬で首を折ることができなかった。
ミホに重力魔法を掛けた瞬間に、残りの五人は一気に魔力を放出して、今まで座っていた場所からから距離を取っている。
残り五人も完全に戦闘態勢だ。
ミホは力が強い。何の種族か分からないが、下手に近づくと手に負えない。
距離を取って、重力を掛けていく。耐えているようだが、ミホの皮膚が変色し始める。
毛細血管が破裂しているのだろう。力をさらに加えると、口からも血が流れてきた。
この段階で、さらに強く首に向かって重力を掛け、そのままミホの首をへし折った。
この時、動いた者が一人いた。
ワダマルだった。
瞬間的にゼムドの懐に入って鞘からの一線を放ってきた。
ゼムドは重力を使った移動で、一気にワダマルの真後ろへ移動する。
そしてワダマルの首を右手で締め上げ、左手をワダマルの口の中へ突っ込む。
同時にワダマルの咥内で指先に力を入れて、そこから重力魔法を送り込む。
簡単にワダマルの首は折れた。
そして、次の瞬間、ワダマルを遠くへ蹴り飛ばす。
ミホにも近づいて、同じようにミホも遠くへ蹴り飛ばした。
残り〝4〟
体と右拳に重力魔法を纏い、ケリドの近くへ瞬間移動する。
そしてケリドの治りきっていない右腕、骨が見えているところめがけて強めに殴り飛ばす。
ケリドの目から光が消える。
この感触なら脊髄と首の骨まで折れたはずだ。
残りは〝3〟
エスカのところへ重力魔法で高速で移動する。
顔を殴って地面に叩きつける。
鼻が折れ、歯も折れていく。
ただ、エスカは笑っていた。
そして、こちらへ目を潰そうと手を槍にして、突いてきた。
サッと避け、重力魔法で首を折る。
そして、思いっきり腹を蹴って、また遠くへ飛ばす。
残りは〝2〟
ガルドロストは硬い。
あの鎧は魔力で編んだものだが、俺の今の魔力放出で壊せるようなものではない。
ただ、あの鎧には隙間がある。
そこから魔力を通して、中に重力魔法を一気に掛けていく。
ボキ、ボキ、と二回音がした。
腕と足それぞれ二本を折った。
中の人物は見たことが無いが、ガルドロストの内部は比較的脆い。
だから鎧の能力にしたのだろう。ただ、外部から魔力を流し込まれて中で魔法を使われると弱い。
簡単に重力魔法で首が折れる。
そして、重力魔法で他の五人と同じように遠くへ飛ばす。
残りは〝1〟
アザドムドが魔力を限界まで高めている。
龍族に会った時に見せた魔力量だ。
凄いと思う。
これほどアザドムドが化けるとは思わなかった。
ただ――〝まだ足りない、もっと強くなれ〟――そう思う。
瞬間的にアザドムド横へ重力魔法を使いながら移動し、目を潰そうとする。
が、アザドムドはギリギリでかわして、こちらを殴ってきた。
ワダマルでの動きを見て、学習したか――。
殴ってきた腕を掴んで、人の地で見た柔道の技を利用して腕を折った。
一瞬動きが止まったアザドムドをワダマルと同じように、重力魔法で首を折って、遠くへアザドムドを蹴り飛ばした。
その場に残ったのはゼムドだけだ。
〝さて、龍族に会いに行くか〟
そう思って、その場から飛び去った。
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作者からになります。
本当はこの話は最初に書いたものと違う部分があります。ややグロを含むかと思って、上の文章では若干、表現を柔らかくしました。
下記に元の文章を置いておきます。
注:ややグロを含みます。嫌な人は見ないでください。
この時、動いた者が一人いた。
ワダマルだった。
瞬間的にゼムドの懐に入って鞘からの一線を放ってきた。
ゼムドは重力を使った移動で、一気にワダマルの真横へ移動する。
そして人差し指と中指をワダマルの目に突っ込んで、眼球を二つ破壊した。
同時にワダマルの眼球内で指先に力を入れて、そこから重力魔法を送り込む。
簡単にワダマルの首は折れた。
そして、次の瞬間、ワダマルを遠くへ蹴り飛ばす。
ミホにも近づいて、同じようにミホも遠くへ蹴り飛ばした。
残り4。
体と右拳に重力魔法を纏い、ケリドの近くへ瞬間移動する。
そしてケリドの治りきっていない右腕、骨が見えているところめがけて強めに殴り飛ばす。
ケリドの目から光が消える。
この感触なら脊髄と首の骨まで折れたはずだ。
残りは3。
エスカのところへ重力魔法で高速で移動する。
顔を殴って地面に叩きつける。
数回顔を殴ると鼻が折れ、歯も折れていく。
ただ、エスカは笑っていた。
そして、こちらへ目を潰そうと手を槍にして、突いてきた。
サッと避け、重力魔法で首を折る。
女性だからか、眼球を潰さなくても簡単に首は折れた
そして、子宮が破裂するように腹を思いっきり蹴って、また遠くへ飛ばす。
残りは2。
ガルドロストは硬い。
あの鎧は魔力で編んだものだが、俺の今の魔力放出で壊せるようなものではない。
ただ、あの鎧には隙間がある。
そこから魔力を通して、中に重力魔法を一気に掛けていく。
ボキ、ボキ、と二回音がした。
腕と足それぞれ二本を折った。
中の人物は見たことが無いが、ガルドロストの内部は比較的脆い。
だから鎧の能力にしたのだろう。ただ、外部から魔力を流し込まれて中で魔法を使われると弱い。
簡単に重力魔法で首が折れる。
そして、重力魔法で他の5人と同じように遠くへ飛ばす。
残りは1。
アザドムドが魔力を限界まで高めている。
龍族に会った時に見せた魔力量だ。
凄いと思う。
これほどアザドムドが化けるとは思わなかった。
ただ――〝まだ足りない、もっと強くなれ〟――そう思う。
瞬間的にアザドムド横へ重力魔法を使いながら移動し、目を潰そうとする。
が、アザドムドはギリギリでかわして、こちらを殴ってきた。
ワダマルでの動きを見て、学習したか――。
殴ってきた腕を掴んで、人の地で見た柔道の技を利用して腕を折った。
骨が飛び出る。
一瞬動きが止まったアザドムドの目をワダマルにやったようにして潰し、重力魔法で首を折って、遠くへアザドムドを蹴り飛ばした。
その場に残ったのはゼムドだけだ。
〝さて、龍族に会いに行くか〟
そう思って、その場から飛び去った。
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