55 / 85
第54話 ラストダンス その3
しおりを挟む
「星が綺麗ですね。あの星ってどうなっているんだろう? 行ってみたいな~」
「何もないぞ、この星のように生き物はいない。ただの真っ暗な岩山だった」
「えっ? 行ったことがあるのですか?」
思わず振り返って、聞いてしまう。
ゼムドは魔道板から顔を上げて話を始める。
「何百年か前だったか、ケリドが星に行けば強い奴がいるかもしれないとかどうとか言い出して、アザドムドが何故か妙に乗り気になって結果的に七人で一緒に行くことになった。
二つほど星を回ってみたが何もない。加えて、宇宙も、その星達にも魔素は無かった。俺たちでも魔素が無ければやがて死ぬ。ある程度で帰るしかなかった。
ただ、この人の地に来て学んだことからすると、熱量を所持してうまく光を出す星と別の星の距離がバランスした場合、俺たちのような生き物が存在した星があるかもしれない」
ゼムドの表情が変わり始めた。
「今、人の知識を得たことで、他の星にいる生命体を探すことに価値が出てきたかもしれん。龍族の協力も得られれば何かしら面白い結果に繋がるかもしれない」
……。
凄い話を聞くことができた。
誰かに自慢したい。
ゼムドは魔道板をテーブルに置いて、椅子に姿勢を正す。
さらに、前かがみの体勢で顎に手を当てて真剣に考え始めている。
これまでのゼムドのからすると、とんでもないことが出来てしまうかもしれない。
ちょっと期待してしまう。
しばらくゼムドは考え込んでいた。
********************
ずいぶん時間が経った。
ゼムドは再び魔道板に手を伸ばそうとする。
すかさず質問する。
「龍族の土地へ行って、一段落したら、こちらへはいつ頃戻ってくるのですか?」
「そうだな。300~500年程度は龍族のところに住んでみてもいいか。あそこは人の地よりは長い歴史もあるだろう。世界全体の均衡を変えながら、そこにある知識でも読ませてもらおうか」
キエティは〝えっ?〟と思った。
キエティはエルフであり、人族の中では寿命が長い。
ただ、それでも魔族に比べればはるかに命が短い。
その期間では下手するとキエティはもう死んでいるかもしれない……。
このままもう二度と会うことはないのだろうか?
ゼムドがキエティの表情の変化に気づいたようだ。
「どうした? 何か問題でもあるのか?」
「あ、あの、私はエルフなのですが、エルフの寿命は長くても500年程度なんです。その期間こちらへゼムド様が帰って来ないならもう会うことが出来ないので、最期の別れになってしまうのですが……」
ゼムドは顎に手を当てて返答してきた。
「――そうか。では小まめに此方と彼方を移動してみようか。」
ゼムドはそう答えて少し笑った。
そして、質問をしてきた。
「お前は生後どれくらいだ?」
「私はちょうど今年で85年目になります。ちょうど結婚適齢期ですね」
「そういえば、俺がお前と結婚しているとかどうとか何人も言っていたが、俺はお前とは結婚していないぞ」
「ええ、私も結婚したつもりはありません」
お前には魅力がない、と言われたように思い、ムカッ!! と思って言い返す。
「ゼムド様は何歳なのですか?」
「分からない。俺たちは生まれてから、しばらくして急激に成長する。そして生きるために戦い続けるようになる。俺は自分の母の腹の中にいる時には既に意識があったが、ある時、目の前が急に明るくなった。生まれたのだ。
その時に母親の顔は一度だけ見たが、俺にゼムドという名を囁いてから、すぐに母親はその場を離れた。これはお前たちからすれば理解しづらいのだろうが、俺たちからすれば当然だ。俺は母親の腹にいた時から何かに対して殺意があり、殺して食べたいと思っていた。
その場に母がいたら襲っていただろう。そしておそらく十秒後には、体が成長し始めていた。俺の場合は、多分、一時間程度である程度戦える体には成長した。この時点で魔族の下位種の上位には位置していたと思う。
すぐに近くにいる魔族の下位種を襲いに出かけていた。母はおそらく生後、俺が腹を空かせるのを、また、初めての戦闘でも勝てるような相手がいるだろう場所に、おれを産み落としたのだろう」
キエティはその話を聞いていて、少し、怖くなってきた。
自分たちとは全く違う種であり、全く合い入れない価値観だ。
ゼムドも、またゼムドを追いかけてきた魔族達も他人には欠片も興味が無いようだったが、当然だ。
あるはずがない。
自分以外は全て餌なのだ。
ただ、ここで、少し思い直す。
考えてみれば、トカゲやカエルもケースによっては自分の同族を食べたりするものがいる。
ネズミの一部にも、育児中にストレスを受けると、子を食い殺す親もいたりする。
生き物は種全体が維持されるように機能するが、一つ一つの個体を見て、そしてある時点だけを切り取って、他種がそれを観測すれば、その個体の行為がとても残酷に見てしまうかもしれないが、当該個体にとっては生きるのに必死なだけだ。ゼムドは他の種の尊厳について守ろうとしているが、ここでゼムド達魔族を怖いと思って避けてしまうのは自分達が魔族たちの尊厳を認めていないことになってしまうのではないか、そんな考えがふと頭をよぎる。
ゼムドが続ける。
「だから、俺たちは自分が何年生きているとかどうとかはほとんど気にしない。というか気にしている暇はない。くだらないことを考えていると死ぬ。
アザドムドはグリフォンに対して、自分が何万年ぶりに話しかけたとかどうとか言っていたが、あいつがそもそも一万年生きているかどうかすら分からない。逆に何十万年も生きているかもしれない。それに、あいつは下位種に話しかけたことなど覚えているわけがない。あいつは、そういう点に関しては適当だ」
ここで、ゼムドは少し考え込む。
「……だが、それにしても……あの時のアザドムドは、おかしかった。
俺たちは魔力の放出量を上げると、若干だが知能が上昇する。戦う時に相手の思考や、戦術を読み切るのは重要になる。力だけでなく、思考速度も加速するように種としてそう進化したのだろう。
それを加味すると、あいつがあの状況の把握をしようとしたとしても、あのグリフォンへの挑発の仕方は少しおかしい。
何故、奴はあのような挑発の仕方をしたのだ? あいつはたかが獣に関心など持つはずがない。直後に龍からの言葉を受けて、一気にそれまでの魔力の限界値を急に超えたが、あれは何か理由があるのだろうか? 奴があの魔力の上昇した状態で、俺が大地を守りながら、龍も含めて戦っていればそれなりに大変になっていたかもしれん」
「何もないぞ、この星のように生き物はいない。ただの真っ暗な岩山だった」
「えっ? 行ったことがあるのですか?」
思わず振り返って、聞いてしまう。
ゼムドは魔道板から顔を上げて話を始める。
「何百年か前だったか、ケリドが星に行けば強い奴がいるかもしれないとかどうとか言い出して、アザドムドが何故か妙に乗り気になって結果的に七人で一緒に行くことになった。
二つほど星を回ってみたが何もない。加えて、宇宙も、その星達にも魔素は無かった。俺たちでも魔素が無ければやがて死ぬ。ある程度で帰るしかなかった。
ただ、この人の地に来て学んだことからすると、熱量を所持してうまく光を出す星と別の星の距離がバランスした場合、俺たちのような生き物が存在した星があるかもしれない」
ゼムドの表情が変わり始めた。
「今、人の知識を得たことで、他の星にいる生命体を探すことに価値が出てきたかもしれん。龍族の協力も得られれば何かしら面白い結果に繋がるかもしれない」
……。
凄い話を聞くことができた。
誰かに自慢したい。
ゼムドは魔道板をテーブルに置いて、椅子に姿勢を正す。
さらに、前かがみの体勢で顎に手を当てて真剣に考え始めている。
これまでのゼムドのからすると、とんでもないことが出来てしまうかもしれない。
ちょっと期待してしまう。
しばらくゼムドは考え込んでいた。
********************
ずいぶん時間が経った。
ゼムドは再び魔道板に手を伸ばそうとする。
すかさず質問する。
「龍族の土地へ行って、一段落したら、こちらへはいつ頃戻ってくるのですか?」
「そうだな。300~500年程度は龍族のところに住んでみてもいいか。あそこは人の地よりは長い歴史もあるだろう。世界全体の均衡を変えながら、そこにある知識でも読ませてもらおうか」
キエティは〝えっ?〟と思った。
キエティはエルフであり、人族の中では寿命が長い。
ただ、それでも魔族に比べればはるかに命が短い。
その期間では下手するとキエティはもう死んでいるかもしれない……。
このままもう二度と会うことはないのだろうか?
ゼムドがキエティの表情の変化に気づいたようだ。
「どうした? 何か問題でもあるのか?」
「あ、あの、私はエルフなのですが、エルフの寿命は長くても500年程度なんです。その期間こちらへゼムド様が帰って来ないならもう会うことが出来ないので、最期の別れになってしまうのですが……」
ゼムドは顎に手を当てて返答してきた。
「――そうか。では小まめに此方と彼方を移動してみようか。」
ゼムドはそう答えて少し笑った。
そして、質問をしてきた。
「お前は生後どれくらいだ?」
「私はちょうど今年で85年目になります。ちょうど結婚適齢期ですね」
「そういえば、俺がお前と結婚しているとかどうとか何人も言っていたが、俺はお前とは結婚していないぞ」
「ええ、私も結婚したつもりはありません」
お前には魅力がない、と言われたように思い、ムカッ!! と思って言い返す。
「ゼムド様は何歳なのですか?」
「分からない。俺たちは生まれてから、しばらくして急激に成長する。そして生きるために戦い続けるようになる。俺は自分の母の腹の中にいる時には既に意識があったが、ある時、目の前が急に明るくなった。生まれたのだ。
その時に母親の顔は一度だけ見たが、俺にゼムドという名を囁いてから、すぐに母親はその場を離れた。これはお前たちからすれば理解しづらいのだろうが、俺たちからすれば当然だ。俺は母親の腹にいた時から何かに対して殺意があり、殺して食べたいと思っていた。
その場に母がいたら襲っていただろう。そしておそらく十秒後には、体が成長し始めていた。俺の場合は、多分、一時間程度である程度戦える体には成長した。この時点で魔族の下位種の上位には位置していたと思う。
すぐに近くにいる魔族の下位種を襲いに出かけていた。母はおそらく生後、俺が腹を空かせるのを、また、初めての戦闘でも勝てるような相手がいるだろう場所に、おれを産み落としたのだろう」
キエティはその話を聞いていて、少し、怖くなってきた。
自分たちとは全く違う種であり、全く合い入れない価値観だ。
ゼムドも、またゼムドを追いかけてきた魔族達も他人には欠片も興味が無いようだったが、当然だ。
あるはずがない。
自分以外は全て餌なのだ。
ただ、ここで、少し思い直す。
考えてみれば、トカゲやカエルもケースによっては自分の同族を食べたりするものがいる。
ネズミの一部にも、育児中にストレスを受けると、子を食い殺す親もいたりする。
生き物は種全体が維持されるように機能するが、一つ一つの個体を見て、そしてある時点だけを切り取って、他種がそれを観測すれば、その個体の行為がとても残酷に見てしまうかもしれないが、当該個体にとっては生きるのに必死なだけだ。ゼムドは他の種の尊厳について守ろうとしているが、ここでゼムド達魔族を怖いと思って避けてしまうのは自分達が魔族たちの尊厳を認めていないことになってしまうのではないか、そんな考えがふと頭をよぎる。
ゼムドが続ける。
「だから、俺たちは自分が何年生きているとかどうとかはほとんど気にしない。というか気にしている暇はない。くだらないことを考えていると死ぬ。
アザドムドはグリフォンに対して、自分が何万年ぶりに話しかけたとかどうとか言っていたが、あいつがそもそも一万年生きているかどうかすら分からない。逆に何十万年も生きているかもしれない。それに、あいつは下位種に話しかけたことなど覚えているわけがない。あいつは、そういう点に関しては適当だ」
ここで、ゼムドは少し考え込む。
「……だが、それにしても……あの時のアザドムドは、おかしかった。
俺たちは魔力の放出量を上げると、若干だが知能が上昇する。戦う時に相手の思考や、戦術を読み切るのは重要になる。力だけでなく、思考速度も加速するように種としてそう進化したのだろう。
それを加味すると、あいつがあの状況の把握をしようとしたとしても、あのグリフォンへの挑発の仕方は少しおかしい。
何故、奴はあのような挑発の仕方をしたのだ? あいつはたかが獣に関心など持つはずがない。直後に龍からの言葉を受けて、一気にそれまでの魔力の限界値を急に超えたが、あれは何か理由があるのだろうか? 奴があの魔力の上昇した状態で、俺が大地を守りながら、龍も含めて戦っていればそれなりに大変になっていたかもしれん」
0
お気に入りに追加
278
あなたにおすすめの小説
裏庭が裏ダンジョンでした@完結
まっど↑きみはる
ファンタジー
結界で隔離されたど田舎に住んでいる『ムツヤ』。彼は裏庭の塔が裏ダンジョンだと知らずに子供の頃から遊び場にしていた。
裏ダンジョンで鍛えた力とチート級のアイテムと、アホのムツヤは夢を見て外の世界へと飛び立つが、早速オークに捕らえれてしまう。
そこで知る憧れの世界の厳しく、残酷な現実とは……?
挿絵結構あります
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
俺の召喚魔術が特殊な件〜留年3年目から始まる、いずれ最強の召喚術士の成り上がり〜
あおぞら
ファンタジー
2050年、地球にのちにダンジョンと呼ばれる次元の裂け目が開いた。
そこから大量のモンスターが溢れ出し、人類は1度滅亡の危機に立たされた。
しかし人類は、ダンジョンが発生したことによって誕生した、空気中の物質、《マナ》を発見し、《魔導バングル》と言う物を発明し、そのバングルに《マナ》を通すことによって、この世界の伝承や神話から召喚獣を呼び出せる様になり、その力を使ってモンスターに対抗できる様になった。
時は流れて2250年。
地球では魔術と化学の共存が当たり前になった時代。
そんな中、主人公である八条降魔は国立召喚術士育成学園都市に入学した。
この学園の生徒はまず、精霊や妖精などのスピリットや、鬼、狼、竜などの神話や伝承の生き物を召喚し契約する。
他の生徒が続々と成功させていく中で、降魔だけは、何も召喚することができなかった。
そのせいで何年も留年を繰り返してしまう。
しかしそれにはある理由があって———
これは学園を3年留年してから始まる、いずれ最強になる召喚術士の物語。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる