47 / 85
第46話 キエティの絶体絶命 その1
しおりを挟む
キエティは鉄格子に入れられたまま、グリフォンに運ばれていた。
てっきりグリフォンの本拠地カルサーンまで、すぐに移送されるのかと思ったが、何故かグリフォン達はキウェーン街から少し移動した後、そこで一夜を明かし、翌早朝になってから、カルサーンまで移送された。
グリフォンの様子を見ていると、何かに対して警戒しているようにも見える。
カルサーンにまで運ばれて、グリフォンの本拠地を初めて見たが、人族の建物に比べれば建造物がとても大きい。グリフォンの背丈は人より遥かに巨躯だから当然ではあるのだが。
それに自分の立場を考えれば、不謹慎・場違いになるのだろうが、グリフォン達が飛んでいる壮観があまりにも見事に思えた。
数百万年という時を経て造り上げられた白い大理石の都市は、とても綺麗にして雄大だ。
警戒態勢のグリフォンの兵士百体以上がその都市の上空付近を飛んでいる。優雅なグリフォンがこれだけ上空にたむろしているだけで、名画の一風景であるように見える。
そして、都市周辺部を見下ろすと、様々な中位種・下位種の獣族も街付近に配置されているのが見えた。キエティもエルフの古書でしかみたことないような種族がゴロゴロしている。
キエティは驚いた。
グリフォンの都市とはこれほどまでに警護が厳しいものなのだろうか?
グリフォンに敵うような種族は、両手の指の本数よりは少ない。
しかも龍種の調停で大半の種は戦いを禁止されている。
何故これほどに警護をしているのか不思議だ。
グリフォンは何から身を護ろうとしているのだろう?
そんなことを考えていると、グリフォンの都市の入口辺りが見えてきた。
そこには、グリフォンの中でもとりわけ屈強な戦士だろうと思われる兵士が五十体ほど立っていた。
キエティを入れた鉄格子ごと、キエティを運んできた部隊はそこへ降りていく。
そしてキエティを運んできた部隊が着地すると、グリフォンの都市入口にいたグリフォン軍の一番大きいグリフォンがしゃべり始めた。
「おい、シェルドミル。どういうことだ? 話が違うぞ。貴様の考えでは移送隊がここまで来る間に、グリフォンの都市が敵襲を受けるというはずではなかったのか? 何故、敵は仕掛けてこない?」
シェルドミルと呼ばれたグリフォンが答える。
「おかしいですね。敵が仕掛けてくるとしたら、このタイミングで仕掛けるのが最も効果的なはずだったのですが。あれほどの挑発行為を行っておいて、かつ魔族が人族街に住み着いて婚姻をしたという情報まで流す。人の国の方へ我々グリフォンの意識を向け、戦力の分断を狙っていると思ったので、あえてカルサーンの上空に飛ぶ兵士の数を数を減らして、警戒を緩めたフリまでして敵を誘ってみたのですが、ここで敵が動かない理由が分かりません」
キエティはびっくりした。
キエティからすると、運ばれてくる途中、上空でみたグリフォンの都市は異様に警戒しているように見えたが、グリフォンにとっては軽い警護等のレベルだというのだ。
それに敵とは誰の事だろう?
都市部入口にいた一番大きいグリフォンがキエティの入った鉄格子に近づいて、キエティを鉄格子から解放した。
キエティとそのグリフォンが対峙する。
「おい、貴様。何を隠している正直に答えろ」
キエティは何も隠しているわけではない、何かグリフォンが誤解しているのは分かるが。
正直に答える。
「グリフォン様、私たち人族は、何一つ嘘は申し上げておりません。事実についてだけご説明申し上げております。私が魔族と婚姻関係にあり、魔族と人族が結託してグリフォン様達に反旗を翻したというのは間違いであります。たしかに人の都市部に魔族が住み着いているのは事実ですが、それは脅されてそうなっているのに過ぎないのです。どうか、人族に対して寛大なご処置をお願い致します」
「寛大な処置だと? では貴様はどうして欲しいのか答えろ」
「人族は今後もグリフォン国に対して、永世隷属することを再確認いたします。また、今後できる範囲で金銭的賠償にも応じるつもりでもあります。加えて、私があの魔族の妻であるというのは誤解ですが、ただ、そのような誤解からグリフォン様の怒りを買ったのは事実でありますから、私の命をもって今回の人族への嫌疑を払っていただけないでしょうか?」
次の瞬間、目の前で質問してきたグリフォンが大声で叫び返してきた。
「ふざけるなよ! グリフォンが今回何体死んでいると思っている!! たかが人如きのカス種が隷属だと? おまえらなど龍種に命じられているから生かしているだけで、お前らの存在価値など我らグリフォンにあるわけないだろう!! しかも貴様一人の命でグリフォン八体の命と釣り合うと思っているのか!! お前ら全種全員の命など、グリフォンの羽一枚の価値も無いわ!!」
物凄い怒号だった。
大気が揺れている。
あまりの凄みにキエティはその場にへたり込んでしまった。
それに、キエティは今まで生きてきて、これほどに他人から強い憎しみをぶつけられたことは無かった。
自分より遥かに大きい者から、憤りを持って罵倒されるのが、これほどにも怖いものだとは思わなかった。
座り込んでしまって、体の震えが止まらなくなっていた。
「おい、シェルドミル。どうするつもりだ?」
ガルマハザードから質問されたが、返答せずにシェルドミルは目を瞑って考え続けている。
シェルドミルはさっきからずっと信号を使って、すべての下位・中位種にまで何か敵の気配があるかどうか探索させ続けている。
しかし反応はない。
――これは、少し警戒しすぎたか?――
その考えが脳裏をよぎる。
敵はグリフォンがもっと弱いものと思っていたのかもしれない。
八体殺した後、都市部の警備が強化されたことで、敵は思ったよりグリフォンは強敵だと認識した。
グリフォンが八体殺されて、その後も人の街に魔族が滞在しつづけ、かつ、婚姻したという情報を流す。これは、人族の街を餌にしてグリフォン軍を向かわせたいことを意味している。これ以外には考えられない。
そう考えると、今この目の前で喋っていた人族の発言もやはり敵の誘導が見て取れる。
ガルマハザードはこのエルフの発言で激怒した。おそらく他のグリフォンも同じように怒るだろう。
このエルフは人族の存命を願っているようだが、それをグリフォンの裁判所で喋らせてグリフォンへの挑発材料としてさらに人族へ怒りを向ける――。
怒りを向けたグリフォンは大軍で人の街を侵攻しようとする――。
すると、グリフォン都市の警備は手薄になる……。
シェルドミルは考え続ける。
やはり〝王〟としか思えない。
グリフォンの歴史上、他種族への蹂躙は多い。
その恨みを晴らそうとする連中と、何かしらの魔族の利害が一致したとみるべきか。
獣族の上位種でもグリフォンを相手に魔力を使わず勝てることはない。
とすると、人の街に滞在している魔族と相まって特殊な魔族個体達が関わっているとみるべきか。
グリフォン軍にもかなり被害がでるかもしれない。
しかし、支配地域の獣の下位種・中位種まで総動員している現在、他種族に対する体裁もある。
ここで何もせずに引くということは対外的にできないし、まして、国民感情を考えれば何かしらの軍事的な行動は起こさざるを得ないか……。
シェルドミルは結論付ける。
――人族を滅ぼすしかない――
てっきりグリフォンの本拠地カルサーンまで、すぐに移送されるのかと思ったが、何故かグリフォン達はキウェーン街から少し移動した後、そこで一夜を明かし、翌早朝になってから、カルサーンまで移送された。
グリフォンの様子を見ていると、何かに対して警戒しているようにも見える。
カルサーンにまで運ばれて、グリフォンの本拠地を初めて見たが、人族の建物に比べれば建造物がとても大きい。グリフォンの背丈は人より遥かに巨躯だから当然ではあるのだが。
それに自分の立場を考えれば、不謹慎・場違いになるのだろうが、グリフォン達が飛んでいる壮観があまりにも見事に思えた。
数百万年という時を経て造り上げられた白い大理石の都市は、とても綺麗にして雄大だ。
警戒態勢のグリフォンの兵士百体以上がその都市の上空付近を飛んでいる。優雅なグリフォンがこれだけ上空にたむろしているだけで、名画の一風景であるように見える。
そして、都市周辺部を見下ろすと、様々な中位種・下位種の獣族も街付近に配置されているのが見えた。キエティもエルフの古書でしかみたことないような種族がゴロゴロしている。
キエティは驚いた。
グリフォンの都市とはこれほどまでに警護が厳しいものなのだろうか?
グリフォンに敵うような種族は、両手の指の本数よりは少ない。
しかも龍種の調停で大半の種は戦いを禁止されている。
何故これほどに警護をしているのか不思議だ。
グリフォンは何から身を護ろうとしているのだろう?
そんなことを考えていると、グリフォンの都市の入口辺りが見えてきた。
そこには、グリフォンの中でもとりわけ屈強な戦士だろうと思われる兵士が五十体ほど立っていた。
キエティを入れた鉄格子ごと、キエティを運んできた部隊はそこへ降りていく。
そしてキエティを運んできた部隊が着地すると、グリフォンの都市入口にいたグリフォン軍の一番大きいグリフォンがしゃべり始めた。
「おい、シェルドミル。どういうことだ? 話が違うぞ。貴様の考えでは移送隊がここまで来る間に、グリフォンの都市が敵襲を受けるというはずではなかったのか? 何故、敵は仕掛けてこない?」
シェルドミルと呼ばれたグリフォンが答える。
「おかしいですね。敵が仕掛けてくるとしたら、このタイミングで仕掛けるのが最も効果的なはずだったのですが。あれほどの挑発行為を行っておいて、かつ魔族が人族街に住み着いて婚姻をしたという情報まで流す。人の国の方へ我々グリフォンの意識を向け、戦力の分断を狙っていると思ったので、あえてカルサーンの上空に飛ぶ兵士の数を数を減らして、警戒を緩めたフリまでして敵を誘ってみたのですが、ここで敵が動かない理由が分かりません」
キエティはびっくりした。
キエティからすると、運ばれてくる途中、上空でみたグリフォンの都市は異様に警戒しているように見えたが、グリフォンにとっては軽い警護等のレベルだというのだ。
それに敵とは誰の事だろう?
都市部入口にいた一番大きいグリフォンがキエティの入った鉄格子に近づいて、キエティを鉄格子から解放した。
キエティとそのグリフォンが対峙する。
「おい、貴様。何を隠している正直に答えろ」
キエティは何も隠しているわけではない、何かグリフォンが誤解しているのは分かるが。
正直に答える。
「グリフォン様、私たち人族は、何一つ嘘は申し上げておりません。事実についてだけご説明申し上げております。私が魔族と婚姻関係にあり、魔族と人族が結託してグリフォン様達に反旗を翻したというのは間違いであります。たしかに人の都市部に魔族が住み着いているのは事実ですが、それは脅されてそうなっているのに過ぎないのです。どうか、人族に対して寛大なご処置をお願い致します」
「寛大な処置だと? では貴様はどうして欲しいのか答えろ」
「人族は今後もグリフォン国に対して、永世隷属することを再確認いたします。また、今後できる範囲で金銭的賠償にも応じるつもりでもあります。加えて、私があの魔族の妻であるというのは誤解ですが、ただ、そのような誤解からグリフォン様の怒りを買ったのは事実でありますから、私の命をもって今回の人族への嫌疑を払っていただけないでしょうか?」
次の瞬間、目の前で質問してきたグリフォンが大声で叫び返してきた。
「ふざけるなよ! グリフォンが今回何体死んでいると思っている!! たかが人如きのカス種が隷属だと? おまえらなど龍種に命じられているから生かしているだけで、お前らの存在価値など我らグリフォンにあるわけないだろう!! しかも貴様一人の命でグリフォン八体の命と釣り合うと思っているのか!! お前ら全種全員の命など、グリフォンの羽一枚の価値も無いわ!!」
物凄い怒号だった。
大気が揺れている。
あまりの凄みにキエティはその場にへたり込んでしまった。
それに、キエティは今まで生きてきて、これほどに他人から強い憎しみをぶつけられたことは無かった。
自分より遥かに大きい者から、憤りを持って罵倒されるのが、これほどにも怖いものだとは思わなかった。
座り込んでしまって、体の震えが止まらなくなっていた。
「おい、シェルドミル。どうするつもりだ?」
ガルマハザードから質問されたが、返答せずにシェルドミルは目を瞑って考え続けている。
シェルドミルはさっきからずっと信号を使って、すべての下位・中位種にまで何か敵の気配があるかどうか探索させ続けている。
しかし反応はない。
――これは、少し警戒しすぎたか?――
その考えが脳裏をよぎる。
敵はグリフォンがもっと弱いものと思っていたのかもしれない。
八体殺した後、都市部の警備が強化されたことで、敵は思ったよりグリフォンは強敵だと認識した。
グリフォンが八体殺されて、その後も人の街に魔族が滞在しつづけ、かつ、婚姻したという情報を流す。これは、人族の街を餌にしてグリフォン軍を向かわせたいことを意味している。これ以外には考えられない。
そう考えると、今この目の前で喋っていた人族の発言もやはり敵の誘導が見て取れる。
ガルマハザードはこのエルフの発言で激怒した。おそらく他のグリフォンも同じように怒るだろう。
このエルフは人族の存命を願っているようだが、それをグリフォンの裁判所で喋らせてグリフォンへの挑発材料としてさらに人族へ怒りを向ける――。
怒りを向けたグリフォンは大軍で人の街を侵攻しようとする――。
すると、グリフォン都市の警備は手薄になる……。
シェルドミルは考え続ける。
やはり〝王〟としか思えない。
グリフォンの歴史上、他種族への蹂躙は多い。
その恨みを晴らそうとする連中と、何かしらの魔族の利害が一致したとみるべきか。
獣族の上位種でもグリフォンを相手に魔力を使わず勝てることはない。
とすると、人の街に滞在している魔族と相まって特殊な魔族個体達が関わっているとみるべきか。
グリフォン軍にもかなり被害がでるかもしれない。
しかし、支配地域の獣の下位種・中位種まで総動員している現在、他種族に対する体裁もある。
ここで何もせずに引くということは対外的にできないし、まして、国民感情を考えれば何かしらの軍事的な行動は起こさざるを得ないか……。
シェルドミルは結論付ける。
――人族を滅ぼすしかない――
0
お気に入りに追加
278
あなたにおすすめの小説
裏庭が裏ダンジョンでした@完結
まっど↑きみはる
ファンタジー
結界で隔離されたど田舎に住んでいる『ムツヤ』。彼は裏庭の塔が裏ダンジョンだと知らずに子供の頃から遊び場にしていた。
裏ダンジョンで鍛えた力とチート級のアイテムと、アホのムツヤは夢を見て外の世界へと飛び立つが、早速オークに捕らえれてしまう。
そこで知る憧れの世界の厳しく、残酷な現実とは……?
挿絵結構あります
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
俺の召喚魔術が特殊な件〜留年3年目から始まる、いずれ最強の召喚術士の成り上がり〜
あおぞら
ファンタジー
2050年、地球にのちにダンジョンと呼ばれる次元の裂け目が開いた。
そこから大量のモンスターが溢れ出し、人類は1度滅亡の危機に立たされた。
しかし人類は、ダンジョンが発生したことによって誕生した、空気中の物質、《マナ》を発見し、《魔導バングル》と言う物を発明し、そのバングルに《マナ》を通すことによって、この世界の伝承や神話から召喚獣を呼び出せる様になり、その力を使ってモンスターに対抗できる様になった。
時は流れて2250年。
地球では魔術と化学の共存が当たり前になった時代。
そんな中、主人公である八条降魔は国立召喚術士育成学園都市に入学した。
この学園の生徒はまず、精霊や妖精などのスピリットや、鬼、狼、竜などの神話や伝承の生き物を召喚し契約する。
他の生徒が続々と成功させていく中で、降魔だけは、何も召喚することができなかった。
そのせいで何年も留年を繰り返してしまう。
しかしそれにはある理由があって———
これは学園を3年留年してから始まる、いずれ最強になる召喚術士の物語。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる