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第28話 魔族と一緒に街を歩く その3
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ウェディングドレスの販売店を出て二人で街をブラブラ歩いて行く。
すると、キエティはお腹が減ってきた。これまでの二日間は、ゼムドの目を盗んで持っていたパンを食べて空腹を凌いでいた。ただ、今日は歩いているからだろうか、お腹が減る。
ただ、ゼムドに自分だけご飯を食べたいとは言えない。ゼムドの機嫌を損ねたら大変だ。そう言えば、ゼムドは全く食事を取っていないらしい。どうしてお腹が減らないのだろう?
不思議に思っていると、自分のお腹が〝ぐぅ~〟と鳴った。ゼムドがこちらを見る。
「腹が減ったのか?」
「あ、いえ、大丈夫です」
「何か食べてこい。お前に調子を崩されたら面倒だ」
怒られるかと思ったが、そんなことはなかった。
何を食べようかと思っているが、あまりお堅い店に入るわけにはいかない。
軽食で済む物にしなければ。
周りを見渡すと、ハンバーガーショップがあった。
「ゼムド様、少々お待ちください。あそこでハンバーガーを買って戻ってきますので」
「いや、俺も行く。食べはしないが、お前達がどう行動するか見たい」
そう言って、ゼムドはキエティに付いてきた。
キエティはハンバーガーとポテトにコーヒーを頼んだ。ハンバーガーは肉ではなくフィッシュにした。肉よりは魚を食べるようにしている。
二人で席に向かい合って座ってみた。気になることがあるので、聞いてみることにする。
「ゼムド様は何も食べません。どうしてお腹が減らないのですか?」
ゼムドは特に表情を変えることもなく、足を組んだまま、こちらを見て話し始めた。
「俺たち魔族は、体の中心に魔核というものがある。これに魔力を溜めておいて、基本的にはこの魔力を出し入れすることで生命活動を維持している。魔法を使えば、当然魔力を使うから腹は減る。だから、何かしらでこの不足した魔力を補う必要がある。具体的には、魔族や獣族の〝魔核〟、自然界に発生する〝魔石〟、あるいは大気中の〝魔素〟で空腹を満たそうとする。魔族の下位種ならば、魔核だけでなく、魔族や獣族の〝肉〟に含まれる魔素からでも栄養を取ることができるが、魔石や大気中の魔素は吸収できない。一方、中位種以上になると、主に大気中の魔素で不足分を補えるようにはなる。
しかし、魔素濃度は地域によってかなり異なる。中位・上位種の魔族というものは縄張りを持っていて、そこから動こうとはしない。それはこれが理由だ。要は強い魔素濃度のある地域を自ら戦って、勝ち取ることができるかが、生きていく上で重要になるわけだ」
キエティはここで気づいた。エルフの資料には魔族が他種を襲わないとあったが、要は意味が無いのだ。襲って食べるよりは魔素自体を吸引した方が良いだけの話だったのだ。
「ではゼムド様は今も魔素を吸い続けているのですか?」
「今も吸ってはいるが、ここは魔素濃度が低い。俺でも長期に渡って滞在すれば、いずれ空腹で死ぬだろう。ただ数万年、あるいは十万年後とかになる話だろうが。
お前たち人族は、この地域のように魔素濃度が低い場所でも生活できるが、俺達のいた場所では一瞬で溶けてなくなるだろうな。それくらい俺達のいる場所は魔素濃度が高い。また、それがあるから俺たちは生きていける。
おそらくだが、魔族が全滅すると、世界中の魔素濃度が上がるから、現在の生態系は壊れるだろう。そういう意味で魔族は世界に必要とされているのかもしれない。魔素を吸って、魔法を使って互いに殺し合う。それで大気中の魔素濃度を下げる役割を果たす、というわけだ。
俺が読んだお前たちの知識の中にも、似たような話はある。例えば、過去にある大国で、穀物の食害を防ぐために、スズメを全て駆除したら害虫が増えてしまい、結果的に収穫量が減った、という話。あるいは蚊もそうか。お前たちは駆除したいようだが、スズメの話の様にそれを行うことで、他の面でどのような悪影響が生じるか想定できない」
「じゃあ、ゼムド様は魔族を殺して食べていないということですか?」
「この数千年は殺して食べたことはないな。俺達はお前達の様に、日数を細かく数えないから正確な年月は分からないが、おそらく五千年くらいは魔族を殺していない。過去においては、魔族を食べる気がなくても、闘った後に殺しておかないと報復で殺される可能性があったから、殺さざるを得ない面もあったが、現在、俺に闘いを挑む者はほとんどいない。それに、俺と戦おうとする魔族は、俺と戦う前に俺の知り合いが倒してしまう……」
「え? ゼムド様、お仲間がいるのですか?」
「仲間かどうかは分からないが、俺以外に六人の魔族と一緒に住んでいる」
なんというか、凄い話だ。ゼムドがまさか他人と一緒に生活しているとは……。
それに魔族の上位種は他者と関わらないというのが定説であったが、それを覆すことになる。生物学の学会で発表してみたい。優越感に浸りたい。
そんな話をしていると、女子高生が二人近づいて来てこちらに話しかけてきた。
「すいません。もしかして今話題の魔族の方ですか?」
キティは、これは良くないと思った。マスコミに近づくなとは言えたが、民間人に近づくなとは言えなかった。だが、これは良くない。ゼムドが怒るかと思って、本人を見てみる。
「俺の事か? そうだ、俺は魔族だ。人の生活に興味があってここにいる」
意外にもゼムドは怒らず、また、女子高生はその話を聞いてキャッキャと喜んでいる。何が面白いのだろう?
「せっかくだから、写真撮りたいんですけど、ちょっと立ってもらえませんか?」
〝コラ! 余計なことするな!! ゼムドが怒ったら街が消えちゃうでしょ!!〟と思うが、口に出せない。するとゼムドはサッと立ち上がった。何というか、立ち上がり方に品がある。
「これでいいのか?」
「ありがとうございます。じゃあ、一緒に撮りましょう!」
そう言って、女子高生はゼムドの腕にしがみついた。
キエティはその様子を見て、ちょっと〝イラッ〟とした。
この女子高生は十回近く角度を変えて撮影して、最後には自撮り棒で撮影していた。そこまでネットに上げたいのか…、と思ってしまう。それが終わるともう一人の女子高生も同じように撮影していく。しかも最後にはゼムドに抱きかかえられた姿まで撮影していた。
はあ、と思わずため息が出る。
二人は最後にお礼を言って離れていったが、気づくと他にも沢山の人が周囲にいた。
ゼムドがどうするかと思ったが、一人一人の撮影に応じていた。子連れの親子などには子供を肩車させてやっていた。これだけ見るとまるで芸能人のファンサービスのようだ。人がどんどん増えてやがて行列になっていく。
流石にこれはマズイと思った瞬間だった。ゼムドがキエティを抱きかかえた。
キエティは思わず声を出してしまった。
「え?」
周りにいた人々も同じように驚いた顔をしている。そして、次の瞬間、違う場所にいた。ゼムドが高速移動したようだ。ゼムドに地面に下してもらってから話し掛けた。
「すみません。人族からすると魔族は珍しいのです。彼らに悪意はありません。許してやってください」
「別にいい。気にしていない。それよりも次の施設へ行くぞ」
そう言って、ゼムドは歩いていく。
なんだか思ったよりゼムドは怖くない気がする。人族が好きというわけではなさそうが、それでも観察したいという欲求が強いのだろうと思う。
しばらく歩いていると、ゲームセンター施設が見えて来た。ゼムドが興味深そうに見ている。
「あれは何だ?」
「あれはアミューズメント施設ですね。娯楽を楽しむ場所になります」
「あれに入る」
そう言って、ゼムドは先に歩いて行ってしまう。
すると、キエティはお腹が減ってきた。これまでの二日間は、ゼムドの目を盗んで持っていたパンを食べて空腹を凌いでいた。ただ、今日は歩いているからだろうか、お腹が減る。
ただ、ゼムドに自分だけご飯を食べたいとは言えない。ゼムドの機嫌を損ねたら大変だ。そう言えば、ゼムドは全く食事を取っていないらしい。どうしてお腹が減らないのだろう?
不思議に思っていると、自分のお腹が〝ぐぅ~〟と鳴った。ゼムドがこちらを見る。
「腹が減ったのか?」
「あ、いえ、大丈夫です」
「何か食べてこい。お前に調子を崩されたら面倒だ」
怒られるかと思ったが、そんなことはなかった。
何を食べようかと思っているが、あまりお堅い店に入るわけにはいかない。
軽食で済む物にしなければ。
周りを見渡すと、ハンバーガーショップがあった。
「ゼムド様、少々お待ちください。あそこでハンバーガーを買って戻ってきますので」
「いや、俺も行く。食べはしないが、お前達がどう行動するか見たい」
そう言って、ゼムドはキエティに付いてきた。
キエティはハンバーガーとポテトにコーヒーを頼んだ。ハンバーガーは肉ではなくフィッシュにした。肉よりは魚を食べるようにしている。
二人で席に向かい合って座ってみた。気になることがあるので、聞いてみることにする。
「ゼムド様は何も食べません。どうしてお腹が減らないのですか?」
ゼムドは特に表情を変えることもなく、足を組んだまま、こちらを見て話し始めた。
「俺たち魔族は、体の中心に魔核というものがある。これに魔力を溜めておいて、基本的にはこの魔力を出し入れすることで生命活動を維持している。魔法を使えば、当然魔力を使うから腹は減る。だから、何かしらでこの不足した魔力を補う必要がある。具体的には、魔族や獣族の〝魔核〟、自然界に発生する〝魔石〟、あるいは大気中の〝魔素〟で空腹を満たそうとする。魔族の下位種ならば、魔核だけでなく、魔族や獣族の〝肉〟に含まれる魔素からでも栄養を取ることができるが、魔石や大気中の魔素は吸収できない。一方、中位種以上になると、主に大気中の魔素で不足分を補えるようにはなる。
しかし、魔素濃度は地域によってかなり異なる。中位・上位種の魔族というものは縄張りを持っていて、そこから動こうとはしない。それはこれが理由だ。要は強い魔素濃度のある地域を自ら戦って、勝ち取ることができるかが、生きていく上で重要になるわけだ」
キエティはここで気づいた。エルフの資料には魔族が他種を襲わないとあったが、要は意味が無いのだ。襲って食べるよりは魔素自体を吸引した方が良いだけの話だったのだ。
「ではゼムド様は今も魔素を吸い続けているのですか?」
「今も吸ってはいるが、ここは魔素濃度が低い。俺でも長期に渡って滞在すれば、いずれ空腹で死ぬだろう。ただ数万年、あるいは十万年後とかになる話だろうが。
お前たち人族は、この地域のように魔素濃度が低い場所でも生活できるが、俺達のいた場所では一瞬で溶けてなくなるだろうな。それくらい俺達のいる場所は魔素濃度が高い。また、それがあるから俺たちは生きていける。
おそらくだが、魔族が全滅すると、世界中の魔素濃度が上がるから、現在の生態系は壊れるだろう。そういう意味で魔族は世界に必要とされているのかもしれない。魔素を吸って、魔法を使って互いに殺し合う。それで大気中の魔素濃度を下げる役割を果たす、というわけだ。
俺が読んだお前たちの知識の中にも、似たような話はある。例えば、過去にある大国で、穀物の食害を防ぐために、スズメを全て駆除したら害虫が増えてしまい、結果的に収穫量が減った、という話。あるいは蚊もそうか。お前たちは駆除したいようだが、スズメの話の様にそれを行うことで、他の面でどのような悪影響が生じるか想定できない」
「じゃあ、ゼムド様は魔族を殺して食べていないということですか?」
「この数千年は殺して食べたことはないな。俺達はお前達の様に、日数を細かく数えないから正確な年月は分からないが、おそらく五千年くらいは魔族を殺していない。過去においては、魔族を食べる気がなくても、闘った後に殺しておかないと報復で殺される可能性があったから、殺さざるを得ない面もあったが、現在、俺に闘いを挑む者はほとんどいない。それに、俺と戦おうとする魔族は、俺と戦う前に俺の知り合いが倒してしまう……」
「え? ゼムド様、お仲間がいるのですか?」
「仲間かどうかは分からないが、俺以外に六人の魔族と一緒に住んでいる」
なんというか、凄い話だ。ゼムドがまさか他人と一緒に生活しているとは……。
それに魔族の上位種は他者と関わらないというのが定説であったが、それを覆すことになる。生物学の学会で発表してみたい。優越感に浸りたい。
そんな話をしていると、女子高生が二人近づいて来てこちらに話しかけてきた。
「すいません。もしかして今話題の魔族の方ですか?」
キティは、これは良くないと思った。マスコミに近づくなとは言えたが、民間人に近づくなとは言えなかった。だが、これは良くない。ゼムドが怒るかと思って、本人を見てみる。
「俺の事か? そうだ、俺は魔族だ。人の生活に興味があってここにいる」
意外にもゼムドは怒らず、また、女子高生はその話を聞いてキャッキャと喜んでいる。何が面白いのだろう?
「せっかくだから、写真撮りたいんですけど、ちょっと立ってもらえませんか?」
〝コラ! 余計なことするな!! ゼムドが怒ったら街が消えちゃうでしょ!!〟と思うが、口に出せない。するとゼムドはサッと立ち上がった。何というか、立ち上がり方に品がある。
「これでいいのか?」
「ありがとうございます。じゃあ、一緒に撮りましょう!」
そう言って、女子高生はゼムドの腕にしがみついた。
キエティはその様子を見て、ちょっと〝イラッ〟とした。
この女子高生は十回近く角度を変えて撮影して、最後には自撮り棒で撮影していた。そこまでネットに上げたいのか…、と思ってしまう。それが終わるともう一人の女子高生も同じように撮影していく。しかも最後にはゼムドに抱きかかえられた姿まで撮影していた。
はあ、と思わずため息が出る。
二人は最後にお礼を言って離れていったが、気づくと他にも沢山の人が周囲にいた。
ゼムドがどうするかと思ったが、一人一人の撮影に応じていた。子連れの親子などには子供を肩車させてやっていた。これだけ見るとまるで芸能人のファンサービスのようだ。人がどんどん増えてやがて行列になっていく。
流石にこれはマズイと思った瞬間だった。ゼムドがキエティを抱きかかえた。
キエティは思わず声を出してしまった。
「え?」
周りにいた人々も同じように驚いた顔をしている。そして、次の瞬間、違う場所にいた。ゼムドが高速移動したようだ。ゼムドに地面に下してもらってから話し掛けた。
「すみません。人族からすると魔族は珍しいのです。彼らに悪意はありません。許してやってください」
「別にいい。気にしていない。それよりも次の施設へ行くぞ」
そう言って、ゼムドは歩いていく。
なんだか思ったよりゼムドは怖くない気がする。人族が好きというわけではなさそうが、それでも観察したいという欲求が強いのだろうと思う。
しばらく歩いていると、ゲームセンター施設が見えて来た。ゼムドが興味深そうに見ている。
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