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第22話 練習試合
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最寄り駅に着くタイミングで、むにゃむにゃ言っている楓をなんとか立ち上がらせた。
家までの道のりも半分夢の中だった。
「ほら、楓。風呂入んないとだぞ」
「んー……やだ」
「やだじゃない。かわいく言っても無駄だ」
「じゃあ、ゆうまくんといっしょならはいる……」
「お、おう」
楓は疲労のためか幼児退行してしまっていた。舌足らずだし、敬語も外れている。
はっきり言ってめちゃくちゃ可愛かったし、本当に幼子をお世話しているような気分になった。
一緒に入ろうとせがまれて、断れるはずもなかった。
入浴中も最初はうつらうつらとしていたが、なんとか自分で体を洗わせているうちに意識がはっきりしてきたようだ。
パチパチと瞬きをしたあと、彼女はポッと火が出そうなほど赤くなった。
のぼせた……わけはない。
なんとなく先程までの自分がよみがえってきたんだろう。
「はぅ……!」
そっと顔を覆ってうめく楓が可愛くて、俺はたまらず笑い声をあげてしまった。
キッと睨まれた。
「さ、さっきまでのことは忘れてください……!」
「いや、無理だろ。めっちゃ可愛かったし」
「っ~! も、もうこうなったらっ」
楓が何の前触れもなく、俺のイチモツを握りしめてきた。
「うっ……い、いきなりどうした⁉︎」
「悠真君にも可愛く喘いで恥ずかしい思いをしてもらいます!」
「なっ、ちょ……⁉︎」
それから、楓は彼女が手と口を駆使して怒涛の攻撃を仕掛けてきた。
それに加えて、今回は言葉責めまでしてきた。
悠真君、目を閉じて息が荒くなってますよ。そんなに気持ちいいんですか——。
手で弄ばれながら上目遣いでそんなことを言われ、全身がゾクゾクした。
無言を貫こうとしたが、耐え切るのは無理だった。
ま、それ以上に気持ちよかったからほとんどただのご褒美みたいなもんだったんだけど、楓が満足そうにしていたのでそれは言わなかった。
結局、好き放題攻め立てられたあとは楓が所望したため、そのまま風呂場で体を重ねた。
「疲れました……」
「そりゃそうだろうな」
「なんですか、その適当な返事は」
楓は不満そうな表情を浮かべた。
「いや、練習試合でクタクタになってたのにあれだけ激しくしたらそりゃ疲れるよなって」
「きょ、今日は悠真君のほうが激しかったですもん」
赤面した楓が、瞳を潤ませながら拳を握りしめて抗議してくる。可愛いかよ。
「まあ確かにな」
遠くまで観戦に行って立ちっぱなしだったとはいえ、楓に比べれば体力は残っていた。
久しぶり、というよりほとんど初めて終始主導権を握っていられたので、ついハッスルしてしまった。
「おかげさまで腰が痛いです」
「悪い悪い」
「本当に悪いと思ってます?」
「思ってるぞ」
いわゆるえび反りが想像以上に官能的で、ついついその姿勢をさせすぎた自覚はあった。
「じゃあ……マッサージしてください」
「マッサージ? いいけど」
「やった」
楓は嬉しそうな、それでいて安心したような笑みを浮かべた。
ベッドにうつ伏せになった彼女の上に膝立ちのような状態でまたがり、腰を指圧する。
最近わかってきたことだが、彼女は基本的に自分から甘えることが上手ではない。
俺の行動や言動に対してのリアクションだったり、今回のように俺のやらかしにつけ込むことでしか何かを要求してこないのだ——特に、普通のスキンシップに関しては。
いじめのトラウマもそうだし、これに関しては何より親からほとんどネグレクトのような扱いを受けているのが原因なんだろうな。
アクションにせよリアクションにせよ、まだどこか断られたらどうしようという怯えが垣間見える。
俺が愛情表現を積極的に行なったり、ときにはやりすぎかなと思いつつも揶揄っているのは、彼女が甘えたり何かを要求したりしやすい環境を作り出しているという側面もあるのだ。
決して恥ずかしがる彼女を見たいという本能に従っているだけではないことはここに表明しておこう——比率はまた別の話として。
それにしても、と俺は気持ちよさそうに目を閉じてリラックスしている楓の体を見下ろした。
端的に言って、エロいな。
夏の風呂上がりということもあり、薄い白シャツだった。ブラジャーが少し透けているし、短パンからは細くてすべすべした生足が惜しげもなくさらされている。
腰回りも細いものの女性らしい柔らかさと弾力があって、喋ったり呼吸をするたびに上下左右に動く筋肉の感覚が妙に艶かしかった。
「楓、力加減はどうだ?」
「気持ちいいです……ん……」
楓が鼻から抜けるような色っぽい声を出した。
その時点で先程戦いを終えて休息を取っているはずの愚息が「俺いつでもイケるっすよ!」と声高に存在を主張し始めていたが、無視した。
うつらうつらしている恋人に行為を強いるほど鬼畜じゃないからな。
視覚と触覚に加えて、もわもわとほのかに立ち上ってくるシャンプーだかリンスだかの甘さを含んだ香りも理性をゴリゴリに削ってきたが、楓が完全に寝入るまでなんとか耐え切った。
はっきりと寝息が聞こえてきて、思わず息を吐いてしまった。そこまで長くはないが、過酷な戦いだった。
とはいえこれは俺自身の戦いだ。楓が寝たからといって即終戦というわけではない。
むしろここからが本番だ。
一瞬、先の丸まった槍から遠距離魔法を放ってしまおうかとも考えた。楓の家で、しかも彼女がいる状態で一人でするのは背徳感も相まって素晴らしい時間になるだろう。
しかし、なんとなく失礼な気もした。もしかしたら楓が嫌がる可能性だってあるかもしれない。
「……よしっ、YouTubeでも見てそれでも収まらなかったらにしよう」
慣れた手つきでテレビを操作し、YouTubeを起動する。
楓も好きな芸人さんの動画を見て笑い転げているうちに、構ってもらえなかった愚息はすっかり意気消チンしていた。
家までの道のりも半分夢の中だった。
「ほら、楓。風呂入んないとだぞ」
「んー……やだ」
「やだじゃない。かわいく言っても無駄だ」
「じゃあ、ゆうまくんといっしょならはいる……」
「お、おう」
楓は疲労のためか幼児退行してしまっていた。舌足らずだし、敬語も外れている。
はっきり言ってめちゃくちゃ可愛かったし、本当に幼子をお世話しているような気分になった。
一緒に入ろうとせがまれて、断れるはずもなかった。
入浴中も最初はうつらうつらとしていたが、なんとか自分で体を洗わせているうちに意識がはっきりしてきたようだ。
パチパチと瞬きをしたあと、彼女はポッと火が出そうなほど赤くなった。
のぼせた……わけはない。
なんとなく先程までの自分がよみがえってきたんだろう。
「はぅ……!」
そっと顔を覆ってうめく楓が可愛くて、俺はたまらず笑い声をあげてしまった。
キッと睨まれた。
「さ、さっきまでのことは忘れてください……!」
「いや、無理だろ。めっちゃ可愛かったし」
「っ~! も、もうこうなったらっ」
楓が何の前触れもなく、俺のイチモツを握りしめてきた。
「うっ……い、いきなりどうした⁉︎」
「悠真君にも可愛く喘いで恥ずかしい思いをしてもらいます!」
「なっ、ちょ……⁉︎」
それから、楓は彼女が手と口を駆使して怒涛の攻撃を仕掛けてきた。
それに加えて、今回は言葉責めまでしてきた。
悠真君、目を閉じて息が荒くなってますよ。そんなに気持ちいいんですか——。
手で弄ばれながら上目遣いでそんなことを言われ、全身がゾクゾクした。
無言を貫こうとしたが、耐え切るのは無理だった。
ま、それ以上に気持ちよかったからほとんどただのご褒美みたいなもんだったんだけど、楓が満足そうにしていたのでそれは言わなかった。
結局、好き放題攻め立てられたあとは楓が所望したため、そのまま風呂場で体を重ねた。
「疲れました……」
「そりゃそうだろうな」
「なんですか、その適当な返事は」
楓は不満そうな表情を浮かべた。
「いや、練習試合でクタクタになってたのにあれだけ激しくしたらそりゃ疲れるよなって」
「きょ、今日は悠真君のほうが激しかったですもん」
赤面した楓が、瞳を潤ませながら拳を握りしめて抗議してくる。可愛いかよ。
「まあ確かにな」
遠くまで観戦に行って立ちっぱなしだったとはいえ、楓に比べれば体力は残っていた。
久しぶり、というよりほとんど初めて終始主導権を握っていられたので、ついハッスルしてしまった。
「おかげさまで腰が痛いです」
「悪い悪い」
「本当に悪いと思ってます?」
「思ってるぞ」
いわゆるえび反りが想像以上に官能的で、ついついその姿勢をさせすぎた自覚はあった。
「じゃあ……マッサージしてください」
「マッサージ? いいけど」
「やった」
楓は嬉しそうな、それでいて安心したような笑みを浮かべた。
ベッドにうつ伏せになった彼女の上に膝立ちのような状態でまたがり、腰を指圧する。
最近わかってきたことだが、彼女は基本的に自分から甘えることが上手ではない。
俺の行動や言動に対してのリアクションだったり、今回のように俺のやらかしにつけ込むことでしか何かを要求してこないのだ——特に、普通のスキンシップに関しては。
いじめのトラウマもそうだし、これに関しては何より親からほとんどネグレクトのような扱いを受けているのが原因なんだろうな。
アクションにせよリアクションにせよ、まだどこか断られたらどうしようという怯えが垣間見える。
俺が愛情表現を積極的に行なったり、ときにはやりすぎかなと思いつつも揶揄っているのは、彼女が甘えたり何かを要求したりしやすい環境を作り出しているという側面もあるのだ。
決して恥ずかしがる彼女を見たいという本能に従っているだけではないことはここに表明しておこう——比率はまた別の話として。
それにしても、と俺は気持ちよさそうに目を閉じてリラックスしている楓の体を見下ろした。
端的に言って、エロいな。
夏の風呂上がりということもあり、薄い白シャツだった。ブラジャーが少し透けているし、短パンからは細くてすべすべした生足が惜しげもなくさらされている。
腰回りも細いものの女性らしい柔らかさと弾力があって、喋ったり呼吸をするたびに上下左右に動く筋肉の感覚が妙に艶かしかった。
「楓、力加減はどうだ?」
「気持ちいいです……ん……」
楓が鼻から抜けるような色っぽい声を出した。
その時点で先程戦いを終えて休息を取っているはずの愚息が「俺いつでもイケるっすよ!」と声高に存在を主張し始めていたが、無視した。
うつらうつらしている恋人に行為を強いるほど鬼畜じゃないからな。
視覚と触覚に加えて、もわもわとほのかに立ち上ってくるシャンプーだかリンスだかの甘さを含んだ香りも理性をゴリゴリに削ってきたが、楓が完全に寝入るまでなんとか耐え切った。
はっきりと寝息が聞こえてきて、思わず息を吐いてしまった。そこまで長くはないが、過酷な戦いだった。
とはいえこれは俺自身の戦いだ。楓が寝たからといって即終戦というわけではない。
むしろここからが本番だ。
一瞬、先の丸まった槍から遠距離魔法を放ってしまおうかとも考えた。楓の家で、しかも彼女がいる状態で一人でするのは背徳感も相まって素晴らしい時間になるだろう。
しかし、なんとなく失礼な気もした。もしかしたら楓が嫌がる可能性だってあるかもしれない。
「……よしっ、YouTubeでも見てそれでも収まらなかったらにしよう」
慣れた手つきでテレビを操作し、YouTubeを起動する。
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