21 / 47
~季節イベント~
ハロウィン仕様~IFルート・アレク×幸希編~
しおりを挟む
※WEB拍手にUPしていたものです。
アレク
「ユキ……、ハロウィンイベント開催期間という事で、IFルート仕様なわけだが……その」
幸希
「はい? どうかしましたか、アレクさん」
アレク
「ユキ、すまないが、俺の横に座って貰えるだろうか? あまり……そこで立って動かれると、……スカートが」
幸希
「え? あっ……す、すみませんっ」
――アレクの座るソファーに大人しく座る幸希。
幸希
「えっと……、二人きりで過ごしてねって……言われましたけど、このお部屋で……、どう過ごしたら良いんでしょうか」
アレク
「パーティーが始まるまでがタイムリミットらしいが、……茶と菓子もある事だし、ゆっくり話でもしよう」
幸希
「そうですね。……アレクさんは、今回海賊の仮装なんですね。いつもはひとつに束ねてある髪を解いていますし、ふ、服も……ちょっと、海賊らしく大胆というか」
アレク
「そういう役どころだから、しっかりとそれらしく着こなしてくれと……、衣装係のメイドに言われてな……」
幸希
「リィーナさん、ですかね……」
アレク
「いや、違うメイドだった。だが、俺よりもユキ。お前の方が、とても可愛らしく……その、良く似合っている」
幸希
「小悪魔の仮装なんだそうです。ふふ、アレクさん、トリックオアトリート!! ですよ。お菓子をくれないと、悪戯させて頂きます!!」
アレク
「……」
幸希
「アレクさん?」
アレク
「生憎と……菓子を持ち合わせていない。となると……、ハロウィンのルールに従う事になるが、ユキ……俺はじっとしているから、お前の好きなように悪戯して貰えるだろうか」
幸希
「は、はい!?」
アレク
「どういう悪戯をされるのかはわからないが、何をされても文句は言わないつもりだ。痛みにも慣れているしな。だから、好きなように……」
幸希
(アレクさん、真面目すぎるでしょう!! 痛い悪戯って何ですか!! そして、何をされてもって、どんな覚悟なの!!)
アレク
「ユキ……?」
幸希
(あぁっ!! アレクさんの純粋で真面目一筋な眼差しが辛いっ。う~ん、でも、悪戯って、何をしたらいいんだろう)
アレク
「……」
幸希
「じゃ、じゃあ……えっと……えいっ」
アレク
「――っ!?」
――覚悟を決めて、アレクの頬にキスをする幸希。
幸希
「こ、これが、私の悪戯、です。うぅっ、は、恥ずかしい……!!」
アレク
「……」
幸希
「あ、アレクさん?」
――暫し、頬に手を当て放心するアレク(笑)
幸希
(反応が……ないんだけど、どうしたんだろう)
アレク
「……ユキ、今のが……悪戯、なのだろうか?」
幸希
「は、はい。一応……。他に何も思い付かなかったので。もしかして不快でしたか?」
アレク
「いや、お前に触れられる事を、俺が不快になど思うわけがない。……理性を崩されそうになるのは、困るが」
幸希
「アレク……さん?」
アレク
「……そうか」
――何やら閃いたように、アレクは隣に座る幸希を見下ろし真顔で口を開く。
アレク
「今度は俺の番だ。……トリック・オア・トリート」
幸希
「あ、はいっ。ちょっと待ってくださいね……。ん? ……あれ? お菓子が……ない?」
アレク
「……持って来ていないのか?」
幸希
「い、いえ、確か用意しておいたはず……あ!!」
アレク
「ユキ?」
幸希
「すみません。三つ子ちゃん達にあげてしまってました」
アレク
「……」
幸希
「ごめんなさい、アレクさん。お菓子がないので、悪戯を受けますね」
――暫し逡巡するアレク。
アレク
「……ユキ、俺がどんな悪戯をするかわからないのに、少し……無防備すぎないか?」
幸希
「え?」
アレク
「お前を傷付けたりする気は毛頭ないが……」
――ギシリとソファーを軋ませ、幸希に顔を近付けるアレク。
幸希
「アレク……さん?」
アレク
「さっきお前が俺にしてくれた悪戯……。肌に触れるのが許される事なら……俺も、お前の肌に悪戯をしたい」
幸希
「え!?」
アレク
「今夜のお前は扇情的すぎて……、騎士として……、いや、男としての平常心を保つのが難しい。その上、お前から受けたキスのせいで、さらに俺を戒める鎖は意味を成さなくなっている。だから……、悪戯という形で、少しだけで良い。俺を……満たしてくれないか」
幸希
「あ、アレクさ、ん!? ちょっと落ち着きましょう!! 目が何だか熱を帯びてますし、か、風邪とかじゃないんでしょうか!? 体温計持ってきますから、離れて……きゃあっ」
アレク
「お前の仮装は、小悪魔だと聞いたが……、俺を堕落させるには十分だ。心も身体も……、愛しいお前に煽られ過ぎて……限界だ」
幸希
(アレクさん、頬にキスしただけで、なんでこんなに暴走しているの!? ……あ!! テーブルの上にワイングラスがっ。まさか、……よ、酔ってるんじゃ!?)
アレク
「丁度、俺の仮装している衣装は、海賊だからな……。略奪を生業とする男に相応しく、……お前を奪わせてほしい」
幸希
(アレクさんが恥ずかしい台詞を次々と~!! これは絶対に酔ってる!! 頬もどことなく赤いし、目も熱で潤んでる!!)
アレク
「ユキ……」
幸希
「あ、アレクさんっ、お、お水!! お水を飲みましょう!! 悪戯はその後にでも……」
アレク
「待てない……。今すぐに、お前の肌に俺の痕を残したい」
幸希
「アレクさん!! それ、悪戯というより、何か行き過ぎた事をするフラグしか感じないんですけど!!」
――その後、誰かが差し入れたお酒のせいで色々と理性の鎖が切れてしまったアレク氏が、小悪魔仮装の王兄姫を多大に困らせてしまった事は、言うまでもない(笑)
IFルート・アレク 完。
アレク
「ユキ……、ハロウィンイベント開催期間という事で、IFルート仕様なわけだが……その」
幸希
「はい? どうかしましたか、アレクさん」
アレク
「ユキ、すまないが、俺の横に座って貰えるだろうか? あまり……そこで立って動かれると、……スカートが」
幸希
「え? あっ……す、すみませんっ」
――アレクの座るソファーに大人しく座る幸希。
幸希
「えっと……、二人きりで過ごしてねって……言われましたけど、このお部屋で……、どう過ごしたら良いんでしょうか」
アレク
「パーティーが始まるまでがタイムリミットらしいが、……茶と菓子もある事だし、ゆっくり話でもしよう」
幸希
「そうですね。……アレクさんは、今回海賊の仮装なんですね。いつもはひとつに束ねてある髪を解いていますし、ふ、服も……ちょっと、海賊らしく大胆というか」
アレク
「そういう役どころだから、しっかりとそれらしく着こなしてくれと……、衣装係のメイドに言われてな……」
幸希
「リィーナさん、ですかね……」
アレク
「いや、違うメイドだった。だが、俺よりもユキ。お前の方が、とても可愛らしく……その、良く似合っている」
幸希
「小悪魔の仮装なんだそうです。ふふ、アレクさん、トリックオアトリート!! ですよ。お菓子をくれないと、悪戯させて頂きます!!」
アレク
「……」
幸希
「アレクさん?」
アレク
「生憎と……菓子を持ち合わせていない。となると……、ハロウィンのルールに従う事になるが、ユキ……俺はじっとしているから、お前の好きなように悪戯して貰えるだろうか」
幸希
「は、はい!?」
アレク
「どういう悪戯をされるのかはわからないが、何をされても文句は言わないつもりだ。痛みにも慣れているしな。だから、好きなように……」
幸希
(アレクさん、真面目すぎるでしょう!! 痛い悪戯って何ですか!! そして、何をされてもって、どんな覚悟なの!!)
アレク
「ユキ……?」
幸希
(あぁっ!! アレクさんの純粋で真面目一筋な眼差しが辛いっ。う~ん、でも、悪戯って、何をしたらいいんだろう)
アレク
「……」
幸希
「じゃ、じゃあ……えっと……えいっ」
アレク
「――っ!?」
――覚悟を決めて、アレクの頬にキスをする幸希。
幸希
「こ、これが、私の悪戯、です。うぅっ、は、恥ずかしい……!!」
アレク
「……」
幸希
「あ、アレクさん?」
――暫し、頬に手を当て放心するアレク(笑)
幸希
(反応が……ないんだけど、どうしたんだろう)
アレク
「……ユキ、今のが……悪戯、なのだろうか?」
幸希
「は、はい。一応……。他に何も思い付かなかったので。もしかして不快でしたか?」
アレク
「いや、お前に触れられる事を、俺が不快になど思うわけがない。……理性を崩されそうになるのは、困るが」
幸希
「アレク……さん?」
アレク
「……そうか」
――何やら閃いたように、アレクは隣に座る幸希を見下ろし真顔で口を開く。
アレク
「今度は俺の番だ。……トリック・オア・トリート」
幸希
「あ、はいっ。ちょっと待ってくださいね……。ん? ……あれ? お菓子が……ない?」
アレク
「……持って来ていないのか?」
幸希
「い、いえ、確か用意しておいたはず……あ!!」
アレク
「ユキ?」
幸希
「すみません。三つ子ちゃん達にあげてしまってました」
アレク
「……」
幸希
「ごめんなさい、アレクさん。お菓子がないので、悪戯を受けますね」
――暫し逡巡するアレク。
アレク
「……ユキ、俺がどんな悪戯をするかわからないのに、少し……無防備すぎないか?」
幸希
「え?」
アレク
「お前を傷付けたりする気は毛頭ないが……」
――ギシリとソファーを軋ませ、幸希に顔を近付けるアレク。
幸希
「アレク……さん?」
アレク
「さっきお前が俺にしてくれた悪戯……。肌に触れるのが許される事なら……俺も、お前の肌に悪戯をしたい」
幸希
「え!?」
アレク
「今夜のお前は扇情的すぎて……、騎士として……、いや、男としての平常心を保つのが難しい。その上、お前から受けたキスのせいで、さらに俺を戒める鎖は意味を成さなくなっている。だから……、悪戯という形で、少しだけで良い。俺を……満たしてくれないか」
幸希
「あ、アレクさ、ん!? ちょっと落ち着きましょう!! 目が何だか熱を帯びてますし、か、風邪とかじゃないんでしょうか!? 体温計持ってきますから、離れて……きゃあっ」
アレク
「お前の仮装は、小悪魔だと聞いたが……、俺を堕落させるには十分だ。心も身体も……、愛しいお前に煽られ過ぎて……限界だ」
幸希
(アレクさん、頬にキスしただけで、なんでこんなに暴走しているの!? ……あ!! テーブルの上にワイングラスがっ。まさか、……よ、酔ってるんじゃ!?)
アレク
「丁度、俺の仮装している衣装は、海賊だからな……。略奪を生業とする男に相応しく、……お前を奪わせてほしい」
幸希
(アレクさんが恥ずかしい台詞を次々と~!! これは絶対に酔ってる!! 頬もどことなく赤いし、目も熱で潤んでる!!)
アレク
「ユキ……」
幸希
「あ、アレクさんっ、お、お水!! お水を飲みましょう!! 悪戯はその後にでも……」
アレク
「待てない……。今すぐに、お前の肌に俺の痕を残したい」
幸希
「アレクさん!! それ、悪戯というより、何か行き過ぎた事をするフラグしか感じないんですけど!!」
――その後、誰かが差し入れたお酒のせいで色々と理性の鎖が切れてしまったアレク氏が、小悪魔仮装の王兄姫を多大に困らせてしまった事は、言うまでもない(笑)
IFルート・アレク 完。
0
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
妻のち愛人。
ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。
「ねーねー、ロナぁー」
甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。
そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる