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第六章 いでよ!太古の剣!
第二十七話 あの日へ
しおりを挟むギア:運命の糸が複雑に絡んでしまった結果なのねきっと・・・。
ラナ:そうだね。魔女に力を封じられなければもっと平和な世界だったかもしれない。もしくは最初ダンデリオン達に会ったあの日に戻す事も出来た。
ギア:そんな事が出来るの?!
ラナ:うん。それに天体が輝きを取り戻した時に今一度あの日に戻りたいと願うならば太古の剣を呼び出すようにとタカールに伝えてもいた。
トーマ:タカール様は知っておられたんですね・・・こうなる事を。
タカ:そうだ。私は何百年も生まれ変わり何度も子孫を守り続けて来た。それがどれだけ大変だった事か。私の魂はいつ浄化されるのかと苦悩の日々だった。父が亡くなり、最愛のメディアも亡くなり、その息子達も亡くなり本当の自分を知る者は少なく心の拠り所もなく、あるのはこの星を守る為という使命のみだった。
タカールの言葉に頼電は右手を抑えながら涙をこぼすと、横にいたダイナムが肩を優しく撫でた。
ダイナム:頼電様・・。
メガ男:話を聞いてる限りだとタカール様がこの星の王だったのですね・・となると次の継承者は。
メガ男は頼電の方を見た。
頼電:僕が次の王位継承者・・・。
頼電は自分の右手の痣を見つめ呟いた。
タカ:頼電の痣を見た時に私の役目が終わる事を知った。でもこの苦行を頼電に受け継がせて良いのか苦悶する日々だった。
ギア:頼電がこれから何百年も・・・。
頼電にこれから途方もない時間を孤独に生きなければならない運命にあると聞きギア子はどうすれば良いのか分からずにいた。
問題はリセットされた世界で生まれ変わった場合、メガ男と再び会えるのかギア子は疑問に思った。
二人が巡り合わなければ頼電も生まれないのだ。
ギア:もしも最初に祖先の人達が会った時間まで戻ったとして私とメガたんは会える事が出来るのかな・・・。
ラナ:分からない。そもそも君が生まれるのかも運命次第だしね。
サクラ:そんな・・。リセットされた世界では私はトーマさんともう二度と会えないって事が起きるの・・・?
トーマ:大丈夫。生まれ変わっても必ずサクラさんを見つける。
サクラ:本当?トーマさん・・・。
トーマはサクラの肩を軽く抱きしめた。
メガ男:俺も必ずギア子を見つけるよ。それに頼電に何百年もこの星で孤独に生きていく人生なんて送らせたくない。
メガ男はギア子の手を強く握った。
テル:俺だって生まれ変わって晴の事を見つけてやるわ。
晴:何よその言い方!でも・・きっとまたみんなに出会えると私は信じてる!
アキラ:私は弟達ともう一度会いたい。
ニコラ:私はノクトにちゃんと好きだって伝えてない。
ルチカ:ツバキとサツキを仲直りさせないと・・。
その傍であれっくすとメルは静かに見つめ合っていた。
頼電:ダイナム・・・生まれ変わっても僕を見つけてくれる?
頼電は半ベソをかきながらダイナムの服の裾を掴んだ。
ダイナム:勿論です。必ず頼電様をお迎えにあがります。お約束します。
ラナ:みんな覚悟がきまったようだね。よーし、僕はこのまま旅立つよ元気になったしね。
テル:さっき会ったばかりだけどなんだか寂しいな・・・。
ラナ:あははは、そう言って貰えると嬉しいな。あー!それとタカール、君は今までこの星でずっと頑張っててくれた。生まれ変わったら君の人生は普通の人間と同じように送れるようにお願いしとくよ。
タカ:ありがとうございます・・・。
エマ:タカール様、皆さん私もここでお別れです。ラナ様と一緒にミミとマサと旅立ちます。
エマはラナの横で深くお辞儀をし、いつの間にか横にミミとマサも現れ跪いていた。
ギア:エマさん、ミミさんマサさん今までありがとう。
ミミ・マサ:こちらこそ。皆様にお仕えして光栄でした。
ラナ:さあ時間だ。みんな元気でね。心が決まったら目を瞑って。
ラナが手のひらから剣を出すとくるくると周りだし天体も周りだし輝き始めた。
お互い手を強く握り合うと生まれ変わっても出会える事を信じ目を瞑るのであった。
つづく
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