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第六章 いでよ!太古の剣!
第二十三話 魔女リリス
しおりを挟むタカ:右手が・・・燃えるように痛い・・・うぐぐぐ。
するとタカールの右手の甲から火花が散り始め紋様が浮かび上がってきた。
数分後に火花が消えると前からそこにあったかのように手の甲に模様が綺麗に描かれていた。
ラナ:タカール、君が次の継承者だ。おめでとう。
メディア:タカールおめでとう。
プラーガト:タカールやったな!おめでとう!
キョトンとした顔をしたタカールをプラーガトが抱きしめた。
タカール:私が次の継承者・・・なんだかピンと来ないよ。
メディア:次の継承者はタカール、貴方しかいないと思ってたわ。
メディアが二人に覆い被さるように抱きついた。
アレオ:(何故息子が選ばれなかったの・・・きっと最初から頭数に入ってなかったんだわ・・・悔しい悔しい悔しい悔しい・・・こうなったら・・)
お祝いムードの中で息子が選ばれなかった事にアレオは激しく憤りを感じていた。
父や母、メディアとプラーガトが祝福してくれた事に嬉しく思っていたタカールだったが背後で不穏な空気を感じ後ろを振り向いてみるとアレオがみんなに聞こえるか聞こえない小声で呪文を唱えていた。
タカ:アレオ様の様子が・・・。
ラナは何か察したのかエマとビーナスに目で合図を送った。
プラーガト:母さん・・?何をしてるの?
アレオは呪文が唱え終わるとニヤリと笑い両手を大きく広げた。
アレオ:我が息子がが王になれないなら、なるようにするまで!さあ出でよリリス!私の体を依代とし我が息子を王にすべくメディアとタカールを討伐せよ!
アレオがそう叫ぶと辺り一面に黒い煙が漂い始め、どこから共なく声が聞こえてきた。
黒い煙:お前の願いはしかと受け取った。我を蘇らせたお礼に受け取るが良い。
すると黒い煙がアレオの周りに集まりだし渦を巻いてアレオの口の中へと吸い込まれていった。
アレオの姿が徐々に変わり漆黒の様相を呈し額には赤い石が光り大きな黒いマントを翻し宙に浮き始めた。
プラーガト:母さん!何を言ってるんだ!元の姿に戻って!
リリス:『もうお前の母はいない。諦めるのだ。』
ダマール:ふざけるな!妹をかえせ!!!妹の体から出て行け!
ダマールがアレオの体を揺さぶりながら黒い砂を何度も投げつけた。
リリス:『そんな砂は私には効かぬ。お前はアレオの兄か・・・ならば私の下僕にしてやろう。』
ダマール:ふざけるな!お前の言いなりになる気はない!!!!
リリスがダマールの頭をガッチリと鷲掴みしながら呪文を唱えるとダマールは力がなくなり床に転がり落ちた。
少しするとダマールが淀んだ目をして起き上がりアレオの前に跪いた。
ダマール:先程は御無礼しましたリリス様。何でも仰せのままに。
プラーガト:叔父さんまで・・。
リリス:『さて・・・メディアとタカールを討伐した暁にはプラーガト、お前は王となり私の言うがままにこの星を統治するが良い。ふはははは。』
アレオの体を乗っ取ったリリスは広間に響くほど高らかに笑っていた。
つづく
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