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第六章 いでよ!太古の剣!
第二十話 黒い砂
しおりを挟む小屋の中には城下町から帰って来たダマールがおり、扉からダンデリオンと妹のアレオが現れた事に驚いてるようだった。
ダンデリオン:目を開けて良いよ。
アレオが目を開けると数十年間、生き別れていた兄ダマールの姿があった。
ダマール:ダンデリオンありがとう!妹を連れてきてくれて!
ダンデリオンにお礼を言うと同時にアレオがダマールに抱きついた。
アレオ:兄さん・・・もう会えないかと・・・生きててよかった・・・。
ラナ:それでダンデリオンとバレンシアの家族はどうなってたの?
ダンデリオンは無言で首を横に振った。
バレンシア:そうか・・・。
ダンデリオン:とりあえず宮殿に戻ってこれからの事を話し合わないか?
バレンシア:そうだね、ダマールもアレオも積もる話もあるだろうし行こうか。
ダマール:うむ、アレオ行こうか。
アレオは兄に宮殿へ行こうと言われても何がどうなっているのか頭の中はクエスチョンマークが飛び交っている状態だった。
アレオ:う、うん・・・。
ラナ:大丈夫だよ、何も心配しないでアレオちゃん。
ラナがアレオの肩をトンと叩くと顔のシワが段々と無くなり、曲がっていた背も真っ直ぐになり若返っていった。
アレオ:兄さん・・私に何が起きてるの?!
ダマール:アレオ、君は僕が最後に見たそのままの姿に戻っただけさ。
アレオ:どうしてこんな不思議な事が。
ラナ:じゃ、戻ろうか。
ダンデリオン達はアレオを連れて宮殿内へと戻って来た。
その後、ダンデリオン・バレンシア・ダマールで話し合った結果、ダンデリオンとバレンシアは宮殿に住む事になり、ダマールとアレオは二人で暮らす事になった。
ラナ:大体決まったようだね良かった。そういえばダマールには何か力を授けようと思うのだけどこれで良いかい?
ラナはダマールに金貨でも入ってるような袋を一つ渡した。
ダマール:俺達は王なんだから金貨などいらぬ。
ラナ:そう言わずに中身を確認してみてよ。
ダマールがつまらん物を渡しやがってとブツブツ言いながら袋の中を確認してみた。
ダマール:ふざけるな!砂しか入ってないじゃないか!!
ダマールは中身を確認して激昂した。
ラナ:それは君が思うより役に立つ黒い砂だよ。欲しいものを思い浮かべながら砂を手に取って空中にまいてごらん。
ダマールは半信半疑で指先で少しつまんだ砂をアレオの前でまいてみた。
するとアレオが着ていた地味な服がひらひらと蝶が舞う豪華絢爛なドレスに変貌したのであった。
それを見た全員が響めいた。
ダマール:なんて事だ。素晴らしい!!
ラナ:でも一つ注意点がある。物を作る事は可能だけど万能じゃないって事を覚えておいてね。
ダマール:分かった!ありがとう大事に使わせて貰う。
ダマールは砂が入った袋を大事そうに腰のベルトにくくりつけた。
つづく
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