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第六章 いでよ!太古の剣!
第十八話 幼馴染シンク
しおりを挟むしばらくするとシンクではなく若い娘が戻って来た。
若い娘:すみませんが歩くのが困難なので部屋まで来て欲しいとの事です。
ダンデリオン:分かりました。では、お邪魔します。
若い娘の後をついて家の中へと入って行くとシンクがいるであろう部屋の前に案内された。
若い娘:ここです。
若い娘がそう言うと部屋の扉を開けてくれた。
ダンデリオン:シンク元気か?
ダンデリオンは声をかけながら部屋に入るとそこには年老いたシンクがベッドの上で寝ていた。
シンク:おおおおお・・ダンデリオンじゃないか・・・。
シンクの姿を見てダンデリオンは思い出した。
ラナが星を形成する際に地球の年月が数十年くらいは流れていると。
半信半疑だったが年老いたシンクの姿を見て確信したのであった。
シンク:ダンデリオン。お前は歳を取ってないように見えるが・・・今までお前はどこにいたんだ、みんなで探したんだ。でもこうやって会いに来てくれて嬉しいよ・・。
シンクは横にいるダンデリオンの腕を掴んで涙ぐんでいた。
ダンデリオン:やはり探してくれていたのか・・それで俺たちの家族はどこにいるか知ってるか?
その言葉にシンクは窓の外を見ながら思い出すように語り出すとダンデリオンはそれを静かに聞き始めた。
シンク:君たちは騎士団に入って活躍してるのを知っていたし、内戦を終わらせたいと常々言ってたね。君たちが消えた時は終戦させる為に隠密に動いたのではないかと噂されていたよ。
ダンデリオン:・・・。
シンク:でも内戦が終わっても君たちは姿を現さなかった。死んだのかそれともどこかに三人で旅に出たんじゃないかと色々と憶測が飛び交ってたよ。
ダンデリオン:そうだったのか。
シンク:ああ、君たち家族はひたすら待っていたよ・・・ダンデリオンが現れる日を。でも十年くらい前に君の両親はこの世を去ったよ。
ダンデリオン:シンク・・バレンシアとダマールの家族の事は分かるか?
シンク:確か・・バレンシアの家族は内戦が終わった後に引っ越してその後の事は分からない、すまん。でも確か・・・ダマールの妹のアレオが町の外れに住んでいて今でも兄の帰りを待っているよ・・・。
ダンデリオン:そうだったのか・・・。シンク教えてくれてありがとう。ダマールの妹に会いたいのだが場所を教えてくれないか?
シンク:私の孫娘がたまに会いに行ってるらしいから案内してくれるだろう。ダンデリオン、君に会えて嬉しかったよ。
シンクは薄ら涙を浮かべながらダンデリオンに手をやると、ダンデリオンは優しく握り返した。
ダンデリオン:・・・俺もだ。
シンク:君に最後に会えて良かった。
シンクの部屋を出ると出迎えてくれた若い娘が立っていた。
若い娘:あなたがお爺ちゃんが探してた方なんですね。
ダンデリオン:・・聞いていたのか。
若い娘:はい。お爺ちゃんはもう長くないんです。最後に貴方に会えて良かったです。
ダンデリオン:俺も嬉しかったよ。君はシンクの孫だったのか。ダマールの妹のところまで連れてってくれるかい?
若い娘:はい。では、ついて来て下さい。
ダンデリオンはシンクの家を後にするとシンクの孫娘が町はずれのダマールの妹の家に連れて行ってくれた。
つづく
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