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第六章 いでよ!太古の剣!
第九話 決闘
しおりを挟むサクラは頼電の方に走り出しそうになったがトーマが腕を掴み引き戻された。
トーマ:サクラさんダメだ。もしも何かあったらサクラさんもギア子達と地球に戻るんだ。
サクラ:でも・・・頼電を置いていけない。
タカ:これから何が起きるか分からない。サクラもそうだがみんなも覚悟してくれ。
メル:承知しました。ダンデリオン騎士団に恥じる事なく責務を全うさせて頂きます。
ニコラ:承知!ツバキの仇を討たなくちゃ。
ルチカ:うん・・。
テル:うーし、腕が鳴るぜ!今度こそグレイをやっつけてやる!
晴:人数では勝ってるけど・・・。
あれっくす:といっても、僕たちそんなに戦力にならないと思うけど。
グレイがそれを聞いて高らかに笑い出した。
ダンデリオン騎士団員はルーチェの間をぐるりと囲うように勢揃いしていたが、宮殿側にいるグレイにはダマール兵が何人かいるだけだった。
テル:何がおかしい!お前一人で俺らに勝てると思ってんのか!
グレイ:どうやら君達には聞こえないようだね。
テル:何も聞こえないけど?
トーマ:・・・嫌な予感がする。
すると遠くからざっざっと足音が聞こえ始めた。
足音はどんどん大きくなりグレイの背後からダマール兵達が次々と現れ、ダンデリオン騎士団を逆に囲う形になった。
グレイ:さて。これでどっちが不利か分かったかな。テルとタカールのルーチェの証を渡して貰おうか。
テル:ちっ・・。お、お前卑怯だぞ!多勢に無勢じゃないか!!
晴:さっき余裕って息巻いてた癖に・・。
トーマ:私に考えがある。二人の証を渡してくれ。
タカ:本気で言ってるのか?
トーマ:賭けですか・・・。
サクラはトーマが何をする気なのか不安で仕方がなかった。
タカ:良いだろう。テルお前の証を私に渡すんだ。
テルは渋々服の下に忍ばせておいたルーチェの証をタカールに手渡した。
タカールがグレイの方に向けて証を投げるとダマール兵が拾い上げグレイに差し出した。
グレイ:随分と聞き分けが良いじゃないか。あとは太古の剣を呼び出すだけだ。くくくく。
グレイは二つのルーチェの証を受け取り胸元へと仕舞い込んだ。
そこへダマール兵達をかき分けてアキラがバレンタインを担いで走って来た。
アキラ:間に合った・・ハァハァ。
バレンタイン:アキラご苦労じゃった。
タカ:バレンタイン様、よくぞいらっしゃいました。
サクラはバレンタインを見て母が言っていた名前を思い出した。
サクラ:もしかして私のお爺様なのですか?
バレンタイン:お前がフローラの娘か・・会えて嬉しいぞ。
サクラは膝をついてバレンタインに抱きついた。
サクラ:私もです・・。
グレイ:おやおや、バレンタイン様まで来るとは。サクラと私の婚儀をそんなに見たいですかな。
トーマ:サクラさんは私の花嫁となる方だ。お前には渡さない。
グレイ:どうやって?
トーマ:ルーチェの証はお前にやる。だがこの星、いやこの世界はお前にやる訳にはいかない。王は一人で充分だ。ダンデリオンの名にかけてお前に決闘を申し込む。
グレイ:そうだな。どちらが本当の王なのか決着をつける必要がありそうだ。無論一対一でだ。
サクラ:トーマさん本気なの?
トーマ:本気だ。あいつを倒さない限り王にはなれない。
グレイ:その言葉そっくりお返しするよ。さあ始めようじゃないか!
グレイの合図でダマール兵達が円陣を組み始め徐々に丸く広がり決闘場になった。
バレンタイン:孫の為じゃ、私が力を貸そう。
バレンタインがトーマの体を触るとスッとトーマと同化した。
トーマ:バレンタイン様!?こ、これは!どんどん力が漲って来る・・これならグレイに勝てるかもしれない。
グレイ:ふん、どんな力を得ようとも私は負ける気はしない。さあ、真ん中に来るんだ。
トーマとグレイはゆっくりとお互い睨みつけながら円陣の中へと入っていった。
サクラと頼電はそれを見て不安そうな面持ちだった。
ダイナム:大丈夫。トーマ様ならきっとグレイを倒してくれます。
頼電は見てられないとばかりにダイナムに抱きついた。
テル:もしもの時は俺が・・・。
それを聞いた晴が縁起でもないと小声で言ってテルの頭をパーンと小気味良く叩くのであった。
つづく
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