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スピンオフ ダンデリオンの花嫁
第十三話 誰にも届かぬ真実
しおりを挟む父が話し終わるとダイナムは驚きを隠せなかった。
ダイナム:ダマールが動き出してるとは・・エマ様に報告しなければ。父さん、ちゃんと話せば皆さん分かってくれるはずです。
ダイナムの父:その為にお前に話したかったのだ。早くしなければ朝になってしまう。行くぞ。
ダイナム:分かりました。ルーチェの門までお見送りします。
ダイナム急いで支度をして父と一緒にルーチェの間へと向かった。
傷だらけのおおかみが戻って来た事で宮殿内は慌ただしく動き回る人ばかりでダイナム親子に構う人もおらずルーチェの間にすんなりと入れた。
ダイナム:父さん必ず帰ってきて下さい。待ってます。
ダイナムの父:うむ。おおかみ様の事は頼んだぞ。
ダイナムの父がトルキエの弓をを握りしめ門を潜ろうとした時だった。
エマ:トルキエの弓を持って今からどこへ行くつもりですか?
振り返るとエマとピネがルーチェの間の入り口に立っていた。
ダイナムの父:タカール様は地球におられる。早く行かねば復活出来なくなります。エマ様、地球へ行かせてください。
ピネ:トルキエの弓をこっそり持ち出すとは国家反逆罪だぞ!それにおおかみ様に怪我を負わせておいて逃げるつもりか!
エマ:ダイナム、それはなりませぬ。さきほどピネから話は聞きました。逃げようとしても無駄です。
サイズ特攻隊が一斉にルーチェの間に押し寄せ、ダイナムの父はトルキエの弓を取り上げられ宮殿の地下へと投獄されたのであった。
頼電:そんな・・・ダイナムのお父さんは悪くないのに。
ダイナム:エマ様に何度も進言したのですが父から聞いた伝聞では信用は出来ないとの一点張りで聞き入れて貰えませんでした。
頼電:ピネとニヨルドってやつのせいじゃないか!その後どうなったの?ピネって人がおじいちゃんを殺したのになんでそうなるの。ピネって人が死刑になるべきだ!
ダイナム:それがピネはおおかみ様が亡くなった翌日にマントラの森で何者かに殺され、タカール様とニヨルドも行方不明のまま地球で何があったのか証言を出来る者がいなくなり、父は裁判の判決で死刑となり数日後に執行されました・・・。
頼電は顔をくしゃくしゃにして涙をこぼした。
ダイナム:頼電様、私の父の為に泣いて下さりありがとうございます。
頼電:僕・・・ダイナムの話を信じるよ。
ダイナム:・・・頼電様はお優しい方だ。このままグレイが王になれば私の父と同じようにギア子様や、トーマ様達が反逆者になり兼ねません。ルーチェの門を開けれるのは頼電様しかいません。
頼電:うん!僕が必ずみんなをこの星に呼び戻す。そしてグレイをやっつけるんだ!
ダイナム:頼電様は頼もしい・・・あっ!話が長くなりました。そろそろおやすみになって下さい。
頼電:うん、おやすみなさい。
頼電は布団に潜りながら地球にいる父と母を思い眠りについた。
そして翌日から頼電はルーチェの門を開ける為に錬金の間にてダイナムと共に練習を開始するのであった。
つづく
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