満月に吼える狼

パピコ吉田

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スピンオフ ダンデリオンの花嫁

第七話 繋がった通信機

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 立ち上がったダイナムの顔を見てスライドはニヤリと笑った。

ダイナム:二人を守る為ならば仕方あるまい・・。だが、グレイ様に協力するのは一回だけだ。

スライド:良いだろう。
 
ダイナム:それでグレイ様からの連絡のやり取りはどうすれば良いのだ。

スライド:グレイ様から何かしらの方法で連絡がいずれ来るだろう。約束を破ればセラ様と頼電様は・・・分かるな?

ダイナム:・・・分かった。

スライド:うむ・・・ダイナム元気でいろよ。お前と一緒に宮殿に仕える事が出来た事は忘れない。じゃあな。

 スライドはそう言うと少し口の端をあげる程度に笑みを浮かべ部屋から出て行ってしまった。

 そこで映像は消え魔法書が閉じた。

セラ:私と頼電を守る為に・・・ダイナム・・。

 セラは自分の命を守る為にダイナムがグレイに協力した事を知り困惑していた。

エマ:ダイナム・・・一言相談してくれれば良かったのに・・。

サクラ:ダイナムさんがこの映像を見せたって事はまた連絡があるんじゃないでしょうか。エマ様どう思いますか。

エマ:そうですね、現状様子を見つつ連絡を待ってみましょう。後は地球にいるトーマ様達に連絡がつけば良いのですが・・・。

 エマはビーナスとの連絡のやり取りの為にタカールが作ったイヤリング型の通信機のイヤリングをぎゅっと握りしめいた。

セラ:それはビーナスに持たせた通信用のイヤリングですか?
 
エマ:はい。ですが、石化した人々が増えてからビーナスからの連絡が途切れてます。
 
サクラ:こちらから連絡すれば誰か応答ないですかね?
 
エマ:試してみます。こちらアリュバス星のエマです。聞こえますか?
 
 エマがイヤリングに向けて何度か話しかけてみたが地球側からは応答はなかった。
 
サクラ:もう一度お願いします。
 
エマ:分かりました。ビーナス聞こえる?誰かいませんか?
 
 すると越褌の大きな声が聞こえて来た。
 
越褌:[聞こえてるぞ。メガ男くんとゆきさんもおるぞ。]
 
エマ:皆様お久しぶりです。やっと繋がった。トーマ様とタカール様が晴様とあれっくす様とテルという青年と地球に行ってる筈です。合流は出来ましたか?
 
越褌:[なんだって?!そりゃ大変だ!今すぐ一兄くんに連絡しないと!!]
 
 越褌は一兄に連絡するのにどこか行ったようでメガ男が話し出した。
 
メガ男:[いえ、まだ合流出来てません。トーマさん達はどこにいるんですか?ギア子は無事なんですか?]
 
エマ:ギア子様を助けに行ったはずですので連絡があると思います。そういえば久しくビーナスから連絡がないのですがどうしてますか?
 
メガ男:[・・・ビーナスは石化した人々を元に戻す為に。]
 
エマ:そうでしたか・・ビーナスは皆さんのお役に立てて幸せだったと思います。ですが、トーマ様達がそちらに行ってからこちらも色んな事が起きてまして・・。
 
サクラ:メガ男さんサクラです!トーマさんに急ぎで話さないといけない事があるの。メガ男さんトーマさんに会ったら伝えて!
 
メガ男:「分かった。]
 
 するとその時にドアを叩く音が聞こえた。
 
エマ:私からもお願いします。また明日の夜にご連絡します・・誰か来たわ。
 
 エマはイヤリングを慌てて懐に隠した。
 
セラ:私が出るわ。
 
 セラがドアを開けるとそこにはダマール兵はが立っていた。
 
セラ:何のご用事でしょう?
 
ダマール兵:おやすみ前に失礼致します。グレイ様とサクラ様の婚儀の日取りが決まりましたのでご連絡致します。
 
セラ:え?
 
ダマール兵:次の満月の夜になりますのでよろしくお願いします。では、失礼致します。
 
 ダマール兵は無表情で伝えてると扉の前から消えて行った。
  
サクラ:次の満月の夜・・。
 
 サクラ達は窓の外を見ると月の形は上弦の月だった。
 
エマ:残り二週間後・・。
 
セラ:それまでに兄さん達が戻って来ないと・・。
 
サクラ:トーマさん達はこちらに帰って来るにはどうしたら。
 
エマ:頼電様がルーチェの門を開くしか・・。
 
セラ:私がダイナムに協力してくれるように話してみます。
 
サクラ:お願いします。
 
セラ:分かった、任せて。
 
 するとセラはダイナムに連絡する方法を考え始めた。
 
つづく
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