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スピンオフ 反撃のダンデリオン
第六話 包囲された部隊
しおりを挟むそして翌日、ダマール側に寝返った裏切り者によりポリノド村からグーナント城に向かう橋がダマール兵により封鎖されているとツバキから報告が入った。
それを聞いたトーマはヴァルキリー特攻隊を派遣する事にした。
メル:了解しました。ユウトとノクトはどこまで来ているか分かりませんが追いかけてみます。
セラ:お願いします。ユウトとノクトにはこちらからメルが向かう旨を伝えるわ。
メル:よろしくお願いします。では。
トーマ:メル、くれぐれも気をつけるんだぞ。
メルはトーマ達へ深くお辞儀をすると、会議室の外にいた副隊長と共にポリノド村へと向かうのであった。
そして数日かけてヴァルキリー特攻隊はポリノド村の手前まで来ていた。
メル:ここでキャンプをする。各自休むように伝えてくれ。
副隊長:かしこまりました。
「・・・今は隊員を休ませねば。私も疲れてるようだな。また起きてから考えるか」
ヴァルキリー特攻隊はユウトとノクトがいると思われる場所まで一気に馬を走らせて来たのもあり、その晩は万事に備え隊と共にメルも体を休める事にした。
少しうとうとし始めた頃だった、テントに誰か入って来る気配に気が付いた。
メルは枕元に仕込んでおいた短剣を相手にバレないように握り締めた。
近づいた相手がかけていた毛布を剥ぎ取ろうとした瞬間にメルは咄嗟に相手の喉元に短剣を突きつけた。
ツバキ:メル、私よ、ツバキよ。
相手の顔をよく見ると諜報隊長のツバキだった。
メル:なんだツバキか・・・驚かせないでくれ。どうした夜更けに。
ツバキ:セラ様に応援を頼まれてこちらに来たところ。
メル:そうだったのか。だが、お前一人だけか?
ツバキ:うん。うちの部隊は基本は単独行動だし。
メル:・・・そういえばそうだったな。
ツバキ:深夜の方が相手は手薄だと情報がある。どうだろ、今から攻めるのは。
メル:お前の情報なら確かかもしれんな。ではこれから進軍するか。ツバキも助太刀を頼む。
ツバキ:ふふ。任せて。
ツバキはニッコリ笑うとサッとテントからいなくなった。
「どうも諜報部隊とは馬が合わん。・・少し用心しとくか」
メルは急いで副隊長の元へ行きこれから進軍の為に支度するように号令をかけるのであった。
深夜にキャンプ地を後にし、グーナント城に向かう橋へと移動するヴァルキリー特攻隊とツバキだった。
そして橋の前まで警戒しながら進んでみたが、辺りは静かで誰かいる様子は全く見受けられなかった。
メル:おかしい・・・ここは通れないと報告があったはずなのにまったく人がいないなんて・・・。
ツバキ:・・・・。
副隊長:橋の向こうも一応は確認して来ます。隊長達は先に戻ってて下さい。
メル:頼んだ。偽情報だったとは・・・。では里に引き返すとするか。
部隊が里へと引き返そうとした時だった、背後からダマール兵達が闇夜から現れた。
メル:くっ。計られたか。
ツバキ:・・。
すると、ダマール兵の中から鎧を着たグーナント城主が現れた。
グーナント城主:メル様、ツバキ殿。よくぞここまで来られました。
メル:一体どういう事だグーナント城主よ。
グーナント城主:ダンデリオン側についても良い事なさそうなのでダマール側につく事にしました。お許し下さい。
グーナント城主は非礼を詫びるように腰をかがめた。
メル:こんな事は許されんぞ。
グーナント城主:申し訳ありませんがメル様、ツバキ殿・・・あなた達はここで死んでもらいます。
ツバキ:・・・。
メル:・・・くっ。
闇夜に紛れたダマール兵達が一気に増え、メル達の部隊は完全に包囲される形になってしまったのであった。
つづく
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