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第五章 衝撃!母との再会
第八話 ギア子の決断
しおりを挟むグレイの合図で空からキラキラと光る粉が舞い降りてきた。
一兄:まずい!また石化の粉だ!みんな鼻と口を塞げ!
ギア子達は上着や袖を使い咄嗟に鼻と口を塞いでいた。
粉の正体を知らない落宮と警官達はそのまま粉を吸い込むと、動きが緩慢になると少しするとピタッと止まり石化してしまった。
落宮:何故だ・・・協力したじゃ・・ないか・・。
グレイの肩を掴みながら落宮は完全に石化してしまった。
グレイ:ふん。役に立たたずめ。
グレイは不機嫌そうに肩を掴んでいた落宮の腕を砕いた。
石化した落宮はその衝撃で全身ヒビが入り粉々になってしまった。
冷酷なグレイの一面を見たギア子達は背筋にぞくっと冷たいモノが走った。
グレイ:どうやら君達は石化しないようだな。
ギア:もしかしてエマ様から頂いたケーキのおかげなのかもしれない。
ぺん:ホントだ。何ともないだす。
グレイに言われて気がついたがギア子達は粉を吸い込んでいたにも関わらず体には全く異変はなかった。
グレイ:さすがエマ様だ。この事を予測していたようだな。
グレイは少し思案するように顎に手をやった。
一兄:やはりお前の仕業だった訳か。ギア子さんは渡さない。
朱美:あなた一人ではどうにも出来ないでしょう。さあ、私達と来て下さい。
朱美はポケットから手錠を出した。
グレイ:こうなると力ずくでやるしかなさそうですね。
面倒臭そうにグレイがまた手を挙げると石化した警官の陰からダガーを持った兵士達が現れた。
それ見た朱美が腰から警棒取り出し、兄の秘書は護衛も兼ねていたのかスーツの脇から拳銃を抜き構えた。
だが、どう見ても多勢に無勢の状況であった。
グレイ:形成逆転ですね。二人で守りきれないでしょさすがに。いい加減観念して貰えませんかね。
秘書:私は防衛大臣お守りする為にいます。そちらが攻撃したらこちらも発砲します!
グレイ:そんなおもちゃで何が出来るんですかね。
秘書:脅しじゃないぞ。
グレイ:そう思うならどうぞ撃ってみて下さい。
グレイは両手を広げ顔には余裕の笑みを浮かべていた。
グレイの挑発に秘書は勇み足で安全措置を解除し引き金に指をかけた。
一兄:やめろ!
一兄が叫ぶと同時に目にも留まらぬ速さで兵士が秘書の背後に現れ喉元にダガーを突き刺した。
喉元から溢れる血が出ていても最後の力を振り絞って弾が尽きるまで秘書はグレイに向かって発砲し続けた。
だが、その弾はいずれもグレイ本人には当たる事なく、周りにいた石化した警官に当たり粉々になるだけだった。
一兄:なんて事だ・・。
グレイ:さあ、どうしますか?
ギア子はこれ以上の犠牲を出させる訳にいかないと思い覚悟を決めた。
ギア:分かったわ。あなたと一緒に行くわ。
メガ男:だめだ、行くなら俺も一緒に!
ぺん:私もだす!
グレイ:そんなにお客様はいらないんですよ。ギア子さんだけで充分です。
ギア:メガたん、ぺんちゃん・・・ごめん。一人で行くよ。
グレイ:やっと分かって貰えて嬉しいですよ。ささ、こちらに。
それを後ろで見ていたメガ男達は何も出来ずに立っている事しか出来なかった。
瑳呂紋:ちくしょう・・。
朱美:また同じ事を繰り返す事になるなんて・・。
ギア子は振り返らず真っ直ぐグレイの方へと歩き出した。
ギア子がグレイの横に立つと、二人を隠すようにメガ男達の前に横に一列に兵士達が並んだ。
グレイ:言っておくがギア子さんには一切手を触れないからメガ男くん安心してくれたまえ。
その言葉を最後に兵士達がさっと消えるとグレイとギア子の姿がいなくなっていた。
メガ男達は暗闇の埠頭の中でギア子を探す為に走り出したのであった。
つづく
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