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第五章 衝撃!母との再会
第六話 錯綜する情報
しおりを挟む会場から一旦離れたものの、瑳呂紋は行くあてもなくひたすら車を走らせていた。
ぺん:ギアっちの家にひとまず行くだすか?
ギア:うちだとさすがにこの人数だと無理かなあ。あ、そうだ!大家さんの家に行く?
メガ男:そうだな。大家さんの家なら広いから大丈夫だと思う。連絡してみる。
瑳呂紋:急いで一兄にも連絡しないと。それにしてもアリュバス星の話を聞いてたから助かったよ。
ギア:メガ子のおかげね。ってあれメガ子?
メガ子は人間の姿に戻ったものの、体力を消費したのかメガ男の肩にぐったりともたれかかっていた。
メガ男:メガ子、大丈夫か?
メガ子:ちょっと休めば大丈夫・・。
そして越褌の家に着いた時はタイミングよく朱美が玄関で待ち受けていた。
ギア:朱美さん、こんな時間に駆けつけてくれたんですか?
朱美が来た理由は違うようでギア子達の顔を見ると気まずそうだった。
朱美:防衛大臣からも連絡が来ましたが、他よりも通達がありまして。こちらに伺った次第です。防衛大臣が急ぎこちらに向かってるとも連絡がありました。
「とりあえずみんな中に入れ」と出迎えた越褌が神妙な顔をして玄関の戸を開けた。
全員が家の中に入ると沙來が体がだるいと言うので善志と梳が付き添い、二階の空いてる部屋を使わせて貰う事になった。
残ったメンバーは居間に移動して一兄の到着を待った。
少し待つと一兄が少しだけならと顔を出した。
一兄:こんばんわ。大家さんすみませんこんな大人数で押しかけてしまって。
越褌:いやいや、構わんよ。わし一人でいるのにこの家は広すぎるからな。
朱美:防衛大臣お疲れ様です。澄玲先輩からも連絡がいったとは思うのですが・・・。
一兄:澄玲さんからも話が来たよ。困った事になった。
瑳呂紋:どうした?
一兄:会場内の全員が石化になったらしくテロ扱いになってる。それで裏手からバンに乗って逃げたのがカメラに映ってて・・・犯人じゃないかと容疑者扱いだ。
ぺん:それって私達の事だすか?
一兄:まあな。とりあえず話を聞こうか。
それを聞いたギア子達は一兄と朱美に会場に入ってからの話を一部始終するのであった。
一兄:石化の事はギア子さん達からアリュバス星での出来事を聞いていたが・・・まさか地球に戻って来る時に持ち込んだって事はないよね?
ギア:いいえ。門をくぐる時は切羽詰まってたし、あんなに大量の粉を持って来るのは不可能です。
朱美:でもこちらに伝達されてた内容とかなり違います。会場内のくす玉をチェックするように連絡してきます。
一兄:警察の方では突然会場内に入って来て粉をばら撒いて逃げたって話になってる。
ぺん:そんな事してないだす‼︎
メガ男:それにパーティ主催者のグレイって人が先にいなくなったの不自然じゃないですか?
一兄:話は大体分かった。すぐに戻らなければならないから進展があったら朱美くんに連絡するよ。それまではここにいて欲しい。大家さんもう少しここにみんなを置いてあげて欲しい。
越褌:乗りかかった船だ。いつまでも居て貰っても構わんよ。
ギア:大家さん助かります。
そこへ電話連絡していた朱美が首を傾げながら戻って来た。
朱美:すみません。今連絡したら澄玲先輩の上司が全員連れて来いって。
一兄:どこに?
朱美:ここにです。
朱美がみんなに分かるように端末画面を見せると澄玲から送られて来た地図が映し出された。
そして朱美が落ち合う場所の箇所を指した。
地図の場所は越褌の家から小一時間ほどの所にあるコンテナが積まれてる埠頭だった。
行くメンバーを決める際、二階にいる沙來はよく眠ってるようで善志と梳は一緒に残る事になり、その一方で体調が悪そうなメガ子は一緒に行くの一点張りでついて来る事になった。
メガ男:本当に一緒に来て大丈夫なのか?
メガ子:うん、だいぶ楽になったから。
ギア:メガ子、あんまり無理しないでよ。
メガ子:うん。
珍しく素直な返事にメガ子は相当疲れてるのではないかとギア子は思った。
瑳呂紋:大家さんすみません、沙來達の事を頼みます。
越褌:分かった。みんな気をつけるんだぞ。帰って来るの待ってるから。
ぺん:大家さんさんきゅーだす。容疑も行けばパッと晴れるからすぐ帰って来れるはずだす。
一兄:そうだと良いが・・・。じゃ、そろそろ行こうか。
ギア子達は瑳呂紋が運転するバンに乗り込むと、地図の場所へと移動をし始めた。
一兄はどうなっているのか一緒に乗り込んだ秘書に情報収集するように命令をしていた。
一兄:澄玲さんからの連絡って事は上層部からの呼び出しなのか?
朱美:そうだと思います。防衛大臣がいる事も分かってるようです。
秘書:防衛大臣すみません。まだ情報が錯綜しているようでまだハッキリした事分かっていません。ですが、朱美さんが言ってた事とほぼ変わりませんでした。
メガ男:なんだか不穏な空気を感じますね。グレイと何か関係あるんでしょうか?
一兄:それは分からないです。ただ、俺達の知らないところで何かが起きてるのは確実だ。
瑳呂紋:着いたよ。とりあえず降りるか。
全員バンから降りると辺りは暗く静まり返っていたのであった。
つづく
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